社会人になった証となるアイテムは色々とありますが、その最たるものは革財布ではないでしょうか。
ナイロン製のマジックテープ付きや、ジッパータイプの財布を愛用していたティーン時代。
大人になることに憧れて、年齢だけではなく、持ち物も変わっていくのは至極当然な流れな訳で。
自分でカッコ良いものを選んだり、はたまたプレゼントされたりと、おそらく20台前後の男子が持つアイテムでもっとも思い出深いアイテムになりやすいのが革財布、レザーウォレットだと思います。(持論)
レザーグッズの本場イギリス製であれば、ブライドルレザーグッズの大定番「ホワイトハウスコックス」や、王室御用達の「エッティンガー」
縫製や仕上げなど品質の高さが際立つ国産であれば、ブライドルレザーやカーフを使った財布が得意な「GANZO」や、特徴的なフラップ形状がアイコンの「WILDSWANS」
など私がパッと思いつくメーカーをあげましたが、このほかにもたくさんの素晴らしい革財布をつくるメーカーがあります。
ボコボコになってしまった革財布
そんないわゆる「良い革財布」は使えば使うほど、小傷とツヤが増えていき、その人ならではのエイジングが進んでいくのが魅力的なポイントです。
新品のときは小傷一つ付けたくない!と思うのですが、結局はモノですから、少しずつ少しずつ傷が増えて、色も抜けて、でもツヤは増したりして愛おしい存在に。
ですが…
いや、これはあかんでしょ。
「傷」や、「色抜け」は良い。
丁寧に使っていても必ずつくもの、なるものだから。
だけど、革製品を水に浸すことで起きるトラブルは別です。
これはエイジングじゃない!エイジングじゃあないんだ!
なぜならレザーのボコボコは単純に「管理ミスでのみ発生する」からなんです。
皮革がボコボコになる仕組み(銀浮き、水膨れ)
このボコボコ現象、革靴業界では非常に有名な現象で「銀浮き」と呼ばれています。
雨の中で革靴やレザーブーツを履いた後、適切な処理をしないと革靴の表面がボコボコになっちゃうんですよね。
そしてこの「銀浮き」発生メカニズムなんですが、一定程度の時間、皮革に水を付けたままにしないと発生しない現象なんです。(実は結構皮革の勉強している私)
なので、「革財布がボコボコになっていた」ということは、あなた(私)が水がついている場所に革財布を放置していたことが絶対的な原因なんです。
これはもうエイジングの範疇じゃないですよね、ただのミスです、ミス。(個人的見解ですよ)
ボコボコの水ぶくれになった革財布の治し方
ボコボコになったレザーウォレットを目の前に嘆いていても、事態が好転することはありません。
適切な処置を行えば、この銀浮きは治すことができます。
このブログ記事ではそれを発信したかったんです。
さっそく取り掛かりましょう!
まず、用意するのは化粧用コットンです。なかったらティッシュでもいいです。
1.化粧用コットンに水を含ませて貼りつけろ!
難しい薬品などは一切いりません。
水を含ませて、ちょっとだけ絞ったコットンをボコボコになった場所に貼り付けます。
あとは1時間程度放置するだけ。状況によってはもっと短くて良いでしょう。
2.銀浮き、治ってます!?
1時間くらい経ったら、コットンを剥がしてみましょう。
ほら!ボコボコがなくなりました。
「銀浮き」のメカニズムをざっくり解説すると、繊維状になっている層に局所的に水分が吸収されることにより、均一に保たれていた皮革表面が収縮したり油分が移動したりなどの影響で、水ぶくれのようにボコボコとなってるんです。
なので、これを全体的に水分を含ませるようにパックすることで、均一な状態に戻してやってるだけなんです。
水気を取り除いたら、ボコボコが消えてなくなっているのがよくわかりますよね!
3.レザークリームを塗り込もう!
ボコボコの銀浮きがなくなった!これで完成!
残念ながらこれで完成とはありません。
よくよく皮革の表面を見てみるとツヤがなくなり、素材感が悪くなっていることに気づくはず。
それもそのはず、レザーウォレットからはツヤを出すロウ分や、栄養と呼ばれる油分が抜けてしまっている状態で、いわゆるヌメ革に近い雰囲気になっています。
なのでロウや油分がたっぷりと入ったレザークリームをしっかり塗り込んでやることが必要となります。
このレザークリームですが、無色であれば何でも良いですし、色抜けが気になっていたのであれば同じような色付きクリームを選ぶと良いでしょう。
ちなみに私は仕上がりのサラサラ感とさわやかな香りが気に入っているコロニル1909シュプリームクリームデラックスにしました!
4.革財布を磨いて仕上げる!
革財布にレザークリームを塗った後は、ブラシで良く馴染ませます。
ブラシにはレザークリームの成分を皮革にほどよく押しこむ働きがあります。
仕上げはストッキングや、使い古したTシャツの切れ端で。
みるみるうちに革の状態が戻ってきます。
ツヤ感もある程度復活させたいときは靴磨き用のワックスを使うのがオススメ!
番外編:ワックスでツヤを一気に取り戻す!
靴磨き用ワックスには、たっぷりのロウ分が含まれてます。
レザークリームの艶出し効果を強めたものと思ってください。
ツヤを出したい面に塗り込み、指が引っかかるような感触になったら、柔らかい布に水をほんのちょっとだけ付けてワックスを伸ばすことで一気にツヤを出すことができます。
まとめとビフォーアフター
こちらが局所的に水を含んでボコボコに銀浮きした革財布です。
これに、「コットン水パック」、「レザークリーム」そして「革靴用ワックス」を施すと…
こんな仕上がりになりました!
自分でいうのもあれですが、見事にボコボコが消えています!
少しだけ色落ちしていますが、これは無色のクリームやワックスを使ったため、水パックで抜けた色を補色できなかったためでしょう。
個人的にはわざとらしくなく色が落ちているのは全然アリ。
ということで今回のポイントをまとめてみました。
- 革財布などのレザーグッズのボコボコは銀浮き現象によるもの。
- 皮革の銀浮きは、水パックでほとんど治る!
- なくなったツヤはレザークリームとワックスで復活できる!
皮革製品はエイジングに耐えうる耐久性が持ち味のひとつ。
多少のトラブルはつきものですから、共に乗り越えて思い出をひとつずつ増やしていきましょう!
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