いつからでしょうか、稀代の名作が気になり始めたのは。
約1年前、悩みに悩んだ上にたどり着いたアガリの時計と設定した「ジャガールクルト:マスターコントロールデイト」

私にとって至高の存在があるにも関わらず、同社の超名作レクタングル型ウォッチ「レベルソ(REVERSO)」にここまで心を奪われることになるなんて、一体だれが想像できただろうか?
毎日リューズを指で挟んでくるくるとゼンマイを巻かなかればならない手巻き式。
自動巻きを検討していたときには候補にすら入らなかった存在です。
そして日付を確認するためのデイト表示もありません。あれだけこだわっていたポイントなのになぜ?
今回は、私がジャガールクルトの傑作となる「レベルソ」に、スタイル、機能、デザイン、サイズ……と、とことん向き合った様子をご紹介します。
機械式手巻き時計を選ばなかった理由と結果
アガリの時計を探していた当時、機械式手巻き時計を選ばなかったことにはいくつか理由がありました。
それが「それなりに長いパワーリザーブが必要なこと」、そして一般的に「デイト表示がないこと」の2つ。
この2点は絶対的に外すことのないポイントとして設定していましたが、約1年ほど自動巻き腕時計と過ごして考えが変わるに至りました。
自動巻き機能の有無
元々「一生モノ」として検討していた機械式腕時計。
これまでクォーツ時計しか使ってこなかった身としては、毎日止まらないでほしいし、金曜日の夜に外し、月曜日にはまたそのまま使える状態がマスト。
すなわちパワーリザーブは金曜日の夜から月曜日の朝までの60時間ほどは最低限必要と考えていたのです。
しかし、ご存知のとおり腕時計業界は罪深いもので、一度足を入れるともう数本ほしくなってしまう魔境。

こうなると「この1本をずっと使う生活」はすぐに破綻をきたし、60時間以上のパワーリザーブはなんの意味もない数字へ。
今では、久しぶりに使うときにゼンマイを巻くのが楽しみになってしまうほどで、購入を検討していた際に色々な方にアドバイスいただいていた通りとなってしまったのでした。
デイト表示の有無
2つ目はデイト表示の有無。
これは私が会社員ということもあり、日々腕時計で日付表示を確認する癖があったから。
ですが前述の通り腕時計を複数持つということは、そのたびに時間のみならず日付を変更しなければならないということ。
ここは意外だった点だが、腕時計の本数が増えると自然と不正確なデイト表示が気にならなくなってきた自分が出てきたところ。
1日ズレ程度であれば強烈な違和感を覚えるが、5日や10日もズレるとそもそもデイト表示などなかったのだと考えるようになってしまった訳です。
結果として、デイト表示はまったくマストな要件ではなくなってしまい、人の感覚って進化するんだなと改めて感じている今日この頃です。
レベルソに魅力を感じた3つのスタイルと写真
私がジャガールクルトのレベルソに、ファッション的側面から魅力を感じた写真たちをいくつか紹介したいと思います。
おそらくはあまり共通するところはないかもしれませんが、、
ここからは感性の世界、どれも刺さる人にはかなり刺さるスタイルのではないかなと思います。
カジュアルスタイルとレベルソ
「あれ?レベルソかっこいい?」と強烈に脳に刻み込まれ、ずっと心に奥底でくすぶる原因になったのがこの1枚。
エドワードグリーンの革靴の写真か何かでフォローさせてもらっていた方で、イタリアンクラシコ(で合ってるのか)の装いが大変にカッコ良く、一人の男として憧れを持ってしまう投稿が多く見てるだけで色々満たされてしまうステキングアカウントです。
そんな中でとびきりに刺さったのがこのカジュアルスタイル。
元々私自身が普段から似たようなスタイルということもあるのですが、さらっと腕に収まったレベルソと相まり、カジュアルな装いとして1つの完成形に思えてしまったくらい刺さりました。
この投稿を見てから、自分の中で「レベルソってカッコいいんだな」と定義づけられたといっても過言ではないといえます。
(よくあるおっさんスタイルがこんなにカッコ良くなるのか!というのが第一の感想)
スーツスタイルとレベルソ
そして、つい先日。
レベルソの良さを再確認したのがこちらの1枚。
SNSで出会った友人の知人(やや遠い)の方が英国旅行にいかれた際の写真です。
新しい時計を・・・と頭によぎり始めていたときに画面に飛び込んできたブリティッシュクラシックスタイルにレベルソをサラッと合わせる写真をみて、「あ、やっぱりレベルソいいじゃん」と完全に思い出させられました。
私自身はここまでカッチリとしたブリティッシュスタイルとは程遠いのですが、それでも「レベルソがカッコイイプロダクト」というイメージを植え付けられるには十分な威力。
レベルソがカバーする懐の広さを教わりましたね。
(雑誌に載ってそうな一枚)
会社員とレベルソ
最後の一押しとなったのがこちらの1枚。
こちらもSNS繋がりの方の投稿なのですが、伝わりますでしょうか…この実用時計感。
スーツ着用での列車の窓側席でのリストショット。
シックなスーツに良い生地感のシャツ、そしてレベルソ、手の甲と繋がる美しいライン。
少しだけ危惧していたtoo muchなラグジュアリー感について、まったくの杞憂だったなと。
この写真を見たことによって、仕事中に付ける腕時計としてイメージが完全に出来上がってしまったのでした。
(結果として非常に罪深い一枚)
レベルソ・ミディアムを試着する
レベルソへの妄想、そして諸先輩方から経験値が勝手に蓄積されていた日々でしたが、実は以前、銀座店に立ち寄る機会があり、レベルソ自体は試着をしていました。
北の大地では、東京では一般的なモノも現物がないことは割と一般的。とくに私の愛する革靴ではその傾向は今でもあります。
(時計通りと呼んでも違和感のない銀座並木通り)
レベルソ・ミディアム・スモールセコンド・モノフェイス
- レベルソ・ミディアム・スモールセコンド・モノフェイス
- Q2438522
- 寸法:42.9 x 25.5 mm
- 厚さ:7.46mm
- 機械式手巻き時計
- 片面タイプ(モノフェイス)
私の人生初レベルソリストショットがこちら。(試着ですが)
ファーストインプレッションとしては、「思ったよりかなり軽いな?」といったところ。
実はこの時、マスターコントロールデイト用のストラップの下見が目的でした。
ただ、あまりにも腕に乗った姿がカッコ良かったのでいくつか写真を残していたのが今となって大活躍し始めるとは、まさかこのとき夢にも思わなかったところ。
(手首に吸いつくようなフォルムと薄さ)
レベルソ・ミディアム・スモールセコンド・デュオフェイス
- レベルソ・ミディアム・スモールセコンド・デュオフェイス
- Q2458422
- 寸法:42.9 x 25.5 mm
- 厚さ:10.31mm
- 機械式手巻き時計
- 両面タイプ(デュオフェイス)
モノフェイスを試着したならば、やはりデュオフェイスも気になるもの。
という店員さんの促しのまま、デュオフェイスも試着しました。
展示品を見た時、「デュオはちょっと厚めだなあ」と感じていたのですが、実際に腕に乗せると思ったより厚さを感じず、そこまで重さも感じなかった。とTwitter(現X)でポストしていました。(すっかり忘れてましたが)
(ブラッククロコとシルバー文字盤の相性に文句のつけようがない)
現行デュオフェイスは裏面が超好み
レベルソは割と同じようなデザインがずっと続いていますが、約100年弱前から続く超レギュラーモデルですからそれは当然のこと。
ですが、裏面はなかなかに遊び心が溢れるものが多かったりします。
私はこの現行の裏面が個人的にめちゃくちゃ好み。
レベルソ・ラージを試着する
そして時は流れ、ついにレベルソ熱に火が付いたある日。
日本最北のジャガールクルトへ足を運んできました。
当たり前ではあるのですが銀座の直営店に比べると品揃えはかなり控えめなのは記憶に新しいところ。
できれば改めてミディアム、そしてラージも一応試せればという状況でしたが、ラージしか店頭在庫がないとのことでした。
レベルソ・ラージ・スモールセコンド・モノフェイス
- レベルソ・ラージ・スモールセコンド・モノフェイス
- Q3858522
- 寸法:45.6 x 27.4 mm
- 厚さ:8.50mm
- 機械式手巻き時計
- 片面タイプ(モノフェイス)
私は腕周りが17m前後とそこまで太めな方ではありません。そのためラージはちょっと大きいのだろうなと思っていたのですが実際に腕に乗せてみるとこれがなかなか良い塩梅のサイズ感でした。
視認性という点でもラージは選択肢として結構ありかなと。
(写真で見るより実物は存在感がなく、ラージが人気なのも納得)
レベルソ・ラージ・スモールセコンド・デュオフェイス
- レベルソ・ラージ・スモールセコンド・デュオフェイス
- Q3848422
- 寸法:47.0 x 28.3 mm
- 厚さ:10.34mm
- 機械式手巻き時計
- 両面タイプ(デュオフェイス)
最後のリストショットは、現行レベルソクラシックでもっとも大きく分厚いラージデュオ。
うん、ちょっとアップルウォッチっぽいかな。笑
良いか悪いかはわかりませんが自分にはシンプルにデカアツ過ぎるなという感想を持ちました。
身長と体重が大きめの方ならむしろこっちだと思います。
(デュオフェイスのラージはかなり存在感がある)
レベルソの大きさ、寸法まとめ
実はレベルソ・ラージについて、1つ気づいた点がありました。
ショーケース上で見ると明らかに片方が小さいのでラージとミディアムかな?と思ってしまったんです。
しかし実際には両方ラージでした。実はこれにはちょっとしたカラクリがあったのです。
レベルソの種類 | 縦 cm | 横 cm |
ミディアム・モノ | 42.9mm | 25.5mm |
ミディアム・デュオ | 42.9mm | 25.5mm |
ラージ・モノ | 45.6mm | 27.4mm |
ラージ・デュオ | 47.0mm | 28.3mm |
なんとレベルソ・ラージ・モノフェイスはミディアムとラージデュオの間の大きさだったんです。
サイズ表記的にはM(ミディアム両方)、L(ラージ・モノ)、XL(ラージデュオ)というのが現行の実質的なサイズ展開。
これは現物と寸法仕様を確認しないとなかなか気付けないかなと思います。
サイズ感にこだわりある人はラージ・モノフェイスもしっかり試すことをオススメします。
厚みかロマンか、悩み続ける
レベルソ・クラシック・スモールセコンド。
ミディアムとラージを試着し、サイズという点では自分にはミディアムが合うだろう。
と確信を得ることができました。
残るはモノフェイスにするかデュオフェイスにするか。
「モノフェイス」
その厚みはわずか7mmでマスターコントロールデイトとほぼ同じ。シャツの裾にも自然と入りこんでくれて、スーツやジャケットスタイルにはピッタリなサイズ感です。
シルエット的にも諸先輩方を踏襲することができる固い選択肢。
しかも、ちょっと腕時計に危険が迫るシーンであれば、某ファブルのようにクルッと裏面にすることがガードも(一応)できます。笑
「デュオフェイス」
まず第一に言いたいのは現行デュオフェイスの裏面がバチクソに好みだということ。
デザインへの感性は本当に人それぞれなのは十分に理解しているのですが、一世代前のデュオフェイスの裏面なら、ここまで私は考えることはなかったかなと思ってしまうほど、現行機のバーインデックスを中心としたデザインに惹かれてしまいました。
そしてレベルソだけに許された「両面時計」というファンクション。
このギミックがどれだけ男心をときめかせるか。男性ならわかってくれると思います。(願望)
そしてこれらを享受するには厚さ10.30cmという大台を超えた厚みを飲み込む必要があります。
はてさて、一体どちらにたどり着けるのか…。
俺と俺が悩み続ける。そんな夏の夜でした。
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