過去2回に渡り紹介してきた革靴関連動画集を今回でラストです。
最終回は「靴の修理」です。
いわゆるシューリペアと呼ばれる工程となります。
実は革靴の修理というのはかなり幅広い意味を持っています。
革底にラバーを貼るのも修理ですし、グッドイヤーウェルトならではのソール(底)交換も修理。他にも靴内部の破れてしまった革を接ぐのも修理と様々な修理が革靴にはあります。
今回はどんな修理があるのか?
そして世界のオールソール動画をまとめてみました。
一般的な靴修理
ハーフラバー
まずはもっとも代表的な靴修理となるハーフラバー装着です。
雨の多い日本では革底のままだとなかなか履きづらいシーンが多いもの。
そんな日本にピッタリなのがこのハーフラバー修理です。滑りづらくなり、水に強くなり、革底も長持ちします。
踵修理(ヒールトップリフト)
もう一つの代表的な修理はヒールリフトと呼ばれる踵のパーツ交換でしょう。
外側の端っこから削れていきますよね。
ヒールトップリフトを交換した直後の踵外側のサポート力には毎回驚くものです。笑
最近ではお手軽にオンラインで靴修理してくれるサービスも出てきています!
女性用ヒールの修理(ヒール本体)
女性の場合はヒール交換も良くありますね。
ヒールに革が巻き付けてあったりするデザインだと何かの拍子にベロりとめくれてしまったりしますし、パンプスの踵が削れてしまったり…。
そんなときはこういった工程で修理されています。
女性用ヒールの修理(ヒールチップ)
ピンヒールなどの先端部分であれば何とたったの2分半で修理が可能だそう。
ちょっと変わり種の靴修理
クレープソールの修理
こちらは珍しい生ゴムを使ったクレープソールの修理動画。
一般的なレザーソールやラバーソールと違って糸だけで縫い付けるのはなかなか難しい素材ですが、こうやって新しいクレープソールを取り付けてたんですねえ。
シークレットシューズの仕組み
ちょっと勉強になるのがシークレットシューズ化する修理についてのこちらの動画。
ひとくくりにシークレットシューズといっても色々な底材があるようです。
クッション性の違いやら積み上げの容易さなど意外と奥が深いものでした。
オールソール(革底の交換)
さて、革靴の修理といえばやはりオールソールでしょう!
まずはこちらの動画で基本的な流れを学ぶことができます。
一般的なオールソールの流れ
- ヒールを外し、ソールを外し、ウェルトを外し、シャンクを取り出す。
- 古くなったコルクを取り除いたら新しいものを充填し、シャンクを戻す。
- そして新しいレザーソールを貼りつけて形を整えて縫い付ける。
- コバやソールをしっかりと元の状態に合わせて整えれば完成!
と言葉では簡単ですが、様々なテクニックが必要な大変高度な修理。
それがオールソールです。
日本
日本の修理屋さんがお客さまの思い出のブーツを完全手作業で修理する動画です。
通常、新しいソールの縫い付けは革用ミシンで行うのですが、あまりに傷んだ靴の場合はこの動画のように手で一針一針縫い付けていくそうです。
ちなみにこの修理手法は大変手間がかかるため、時間とお金がプラスアルファでかかるお店が一般的だそう。
アメリカ
アレンエドモンズ(Allen Edmonds)
こちらはアメリカを代表するシューメーカーアレンエドモンズの修理動画。
靴底からヒール、中のライニングまですべてを交換し、さらにはアッパーまでもメンテナンスするまさにフルコースな修理を動画で楽しめます。
歴代のアメリカ合衆国大統領が愛用している革靴としても有名なブランドです!
レッドウイング(REDWING)
アメリカを代表するブーツメーカーといえばREDWINGですね。
あのタフで屈強なブーツはどのように純正修理されているのか?
その秘密がここにあります。
数十年前からサスティナビリティを実現してきたブーツメーカー。
靴底を交換しながら履き続けることができるタフなブーツは世界中で愛されていますよね!
イギリス
Loake(ローク)
英国の伝統的なオールソールサービスの動画はLOAKE社が公開していました。
ブリティッシュアクセントが効いたナレーションに英国らしいBGM。
英国靴は質実剛健という言葉はなぜ生まれるのか?その理由が見つかるかもしれません。
ちなみに靴磨き世界選手権に革靴を提供しており、あのBrift-h 長谷川氏が優勝したときもロークの革靴を磨いているんですよ!
Crockett&Jones(クロケット&ジョーンズ)
クロケットジョーンズでは顧客がお店でオールソールを注文してから受け取るまでの全ての流れを収めた動画を公開しています。
一度もお店で頼んだことが無い人には大変参考になる動画ではないでしょうか?
私自身も愛用しているクロケですが、日本人のためにつくられたと言われるベルグレイブ3は私の足にベストフィットしています。
フランス
オープンチャネル+機械縫いでオールソール
次はフランスの靴修理業者によるオールソールです。
パラブーツかJ.M.Westonか?と思いきや、まさかの英Church’sの修理なのがエスプリ感漂います。(エスプリの使い方が違う)
ヒドゥンチャンネル+手縫いでオールソール
最後はフランスの匠の技が光る動画をご紹介。おそらくは英エドワードグリーンのEctonという靴を修理しています。
ソール下側に出し縫い糸を出さないヒドゥンチャネルという高度な手法をさらには手縫いで仕上げているまさに靴職人の技ここに極まり。といった動画です。
全体としてもとても順序がわかりやすいオススメの一本。
革靴関係の動画まとめ
全3回に渡って
- 「革靴を作る」
- 「革靴を使い続けるためのシューケア」
- 「革靴を直す」
という順に動画をまとめてきました。
当たり前に知っていた事実から意外と知らなかったことまで色々と見つかったのではないでしょうか。やはり書籍やブログ記事では掴みづらいニュアンスなんかも動画だと非常にわかりやすいと感じます。
以前から靴関係の動画が見るのが好きだった私自身も改めてこういった形でまとめることで勉強になることが沢山ありました。
世の中にはまだまだ靴関係の動画が沢山あります。動画もなかなか良いなと思った方はぜひお気に入りの作品を探す旅に出てみてはかがでしょうか?
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