秋冬に限らず、雨の日でも大活躍なスエードシューズ。
その起毛素材は足にぬくもりを与え、スムースレザーよりも柔らかな履き心地で持ち主の足を包んでくれます。
一方で通常のドレスシューズとは全く異なるケア方法が必要となるので少しだけ敷居が高いのも事実。
例えば色抜けしてきた場合、スムースレザーのドレスシューズであればほぼ何度でもやり直しが効く靴クリームを使って行いますが、スエードレザーの場合はほとんど一発勝負のスエードスプレーを使用して行うことになります。
靴クリームを塗ってしまうとスエード面がろう分で軒並み潰れてしまいますからね(笑)
ということで今回はSNUFF SUEDE(スナッフスエード)と呼ばれる茶色のスエードシューズの補色について、サフィールノワール スペシャルスエードスプレーを使って行う様子をお届けしたいと思います。
色抜けしたスエードシューズの補色手順
硬くなったクレープブラシを使った結果、毛羽立ち、色が抜けたスエード面です。
毛羽立ちを整えるためにライターで炙ってやすり掛けを行った結果、毛羽立ちは新品に近い状態になりましたが色が抜けたままとなっています。
1.一番近い色のスエード補色アイテムを選ぶ
手持ちのスエードスプレー達でカラーチャート作成し、靴と見比べていきます。
一度スプレーしたが最後、なかなか修正は難しいですからね。
(その内、スエードスプレーのブラウン系カラーチャートを公開しようと思っています)
私が所有しているクロケットジョーンズ製のチルターン(スナフスエード)に一番近い色味はサフィールノワールのスエードスプレー ダークブラウンのようです。
やや濃い目かつふんわり赤が入っている茶色ですね。
※画像右下に見えるのはコロニルのダークブラウンスエードスプレー。こちらは黄色が強いです。
2.コバにマスキングする
さて、補色する色が決まったらコバにマスキングテープでマスキングを施していきます。
コバがブラックだったり濃茶なら必要ないと思いますが、今回のチルターンはいわゆるアンティークエッジと呼ばれる様々なカラーが混ざったデザインとなっているので、全て茶色にしてしまうとその綺麗な色味が崩れてしまうのを防止します。
ぐるりと巻き終わりました。
マスキングテープは貼りやすくそして剥がしやすいレベルの粘着度なので、間違ってスエード面についてしまっても全く問題ありませんから何度でもやり直せますよ。
3.靴紐も外しましょう
スエードスプレーする前は必ず靴紐を外しましょう!
靴紐の片面だけ色味が付いてしまいます。
4.チラシなどで足入れ口にフタをします
靴紐を外したらシューツリーを入れます。
短靴でもブーツでもシューツリーの上にチラシなどを使ってフタをしましょう。
フタをしないでスプレーすると・・・ライニングレザーが補色されます。(笑)
5.スプレー前には必ずブラッシング
そして最後はブラッシング。
スエードはとにかくブラッシングが超重要なのですが、とくに今回は毛並み整えておかないとムラになってしまうので一方向に丁寧にブラッシングします。
さて、これで準備は整いました。
あとは本当に補色されるのかということ。
初めて茶色の靴クリームを使ったときの緊張感に似ています。
6.通気性の良い場所で補色スプレーを噴射する
一般的にスプレーに含まれている成分は肺にとって極めて悪い物質が入っていることがほとんどです。防水スプレーなどを屋内で使った結果、1時間後に胸の痛みが現れて病院にかけこんだ・・・なんて事例も報告されています。
なので必ずスエード補色スプレーは屋外で使いましょう!(もちろん、冬でも)
冬の屋外でスエード補色スプレーを使う利点としては雪に向かってテスト噴射できることですね。スプレーの勢いだったり広がり具合だったり。
それではついに本番です。
30cm程度話したら・・・おりゃー!!
7.乾かしたらブラッシング
スプレー後、最低でも15分は乾かしておきましょう。
しっかり待たないと意外と乾いておらずブラシなどに色が移ったりしてしまいますよ。
最後にもう一度ブラッシングすればスエードの補色ケアは終了です!
気になる仕上がり結果は?
保革効果による肌触り
スエード補色スプレー、想像以上の結果となりました。
まずスエードスプレーが持つ保革効果によりスエード自体がとてもしっとりした感触に。
素晴らしい補色効果
色味が抜けてスカスカになっていた部分もこの通り均一な仕上がりに。
さらには全体的に色味が統一されてまとまり感が出ています。
ここまで戻るながら金属ブラシでも色抜けを気にせずブラッシングできますね!(笑)
でもちょっとだけ・・・
1つだけ気になるところは若干ながらスエードのカラーが濃くなったことでしょうか。
もしかしたら一段明るい色味にするとまた変わった結果になるかもしれません。
スペシャルスエードスプレーのまとめ
ということで今回はスエードブーツの補色をサフィールノワール スペシャルスエードスプレーで行ってみました。
サフィールノワールのスペシャルスエードスプレー(無色)は以前から使用しておりその高い保革効果とくにスエードを柔らかくしっとり仕上げる効果には一目置いていましたが、今回カラータイプの補色効果も抜群という結果となりました。
私のオススメは「デイリーケアは無色」「シーズン終わりに色付き」の使い分け。
そうすればムラ感を最大限抑えることができますし、なにより廊下や階段などに色がつくことを気にせず栄養分をデイリーに補給できますから。
色抜けしてしまったスエードブーツに困っている方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
- スエードスプレーはアッパーとジャストに合うカラーを選ぶ
- 通常ケアはニュートラル、シーズン終わりにカラーを使うのがオススメ
- 同じ場所に使い過ぎるとムラが出るので注意
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