クレープブラシの使い方と注意点【スエード靴のお手入れ】

はじめてスエードの靴を購入したとき、必ず悩むのがお手入れにどんなアイテムを使うか?という点だと思います。せっかく美しい高品質なスエードを使用したシューズを手に入れたのであれば、可能な限り長い間キレイな状態を保ちたいもの。

スエードシューズのケア自体の工程がブラッシングと+αくらいしかないのですが、調べてみるとこの+αの選択肢が多い事多い事!

生ゴムであったり、金属ブラシだったり、はたまた砂消しタイプのものだったりと本当に多種多様なケアグッズが販売されています。

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シューケア好きの私も色々なタイプのスエードケア商品を所有していますが、もちろんいまだに全種類は制覇できていません。

そんな中で一番スエードケアらしいグッズは何か?と考えたときにおそらくこのゴムを使ったクレープブラシではないでしょうか。

クレープブラシについて

クレープブラシで使われている”クレープ”という言葉は”シルクのような・・・”という意味だそう。絹布のようなドレープ形状に成形されたゴムブラシという訳ですね。

このゴム部分は生ゴムで作られており、消しゴム程度の固さの薄いゴムがドレープ型に成形・配置されることによりスエードに適した弾力となっています。

今回使用するのはチャーチ製のクレープブラシ。

ちょうど1年ほど前にイギリスはロンドンで購入したものです。

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Crockett&Jones Chiltern (Snuff Suede)

今回、スエードのケアを行うのはこのブーツです。

トレンディエンジェルの斎藤さんも愛用するブランド”クロケット&ジョーンズ”が販売するスエードチャッカブーツ”チルターン”です。

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スエードは使っているうちに毛羽立ってしまったり、毛が寝て硬化してしまったりとなかなか状態変化が激しい素材ですが、カーフと比べて柔らかい履き心地であったり耐水性があったりと機能的にも優れており、このチルターンは私自身もお気に入りの1足です。

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クレーブブラシの使用手順

1.スエードについたホコリや擦り傷を確認

スエード靴を使用していると避けて通れないのがホコリの付着と擦り傷でしょう。

上の画像のようにボールジョイントに近い小指部分だったり・・・

足を組む時に当たりやすい親指部分だったり・・・

あるいはカカトの側面だったり・・・とにかく靴を履いてて足がぶつかる可能性があるところにはこのように擦った後が非常につきやすい素材がスエードというものですね。

お手入れの際は、シューツリーは忘れずに。

紹介がちょっと遅くなりましたが忘れてはいけないのがシューツリーです。

シューケアを行う前には必ずシューツリーを入れることが大事です。ブラッシングの際に余計なシワがよったり、靴の持ち方によっては型崩れの原因になりかねません。

この画像はシューツリー無しでスエードブーツを掴んだものです。なかなかの勢いでグシャッとなっていますね。

しかし、シューツリーを入れればこの通り。

どんな持ち方をしてもスエード靴の形が崩れることはありませんし、ブラッシングする面も一定となるため、毛並みも整えやすくなります。

2.クレーブブラシでブラッシング

さて、気になる箇所を確認したら対象のポイントをクレープブラシでブラッシングしていきます。力を抜いて擦って一方向から何度かかすらせるような感覚でやると良いです。

サッサッサッと力入れずに軽やかに。毛並みを軽く整えるイメージで。

なぜ力を入れない方が良いのか

クレープブラシはゴム製なのでどうしてもスエードの繊維を引っ張り出す作用が働いてしまいます。それが毛並みを整えたり汚れを取ったりという結果にも繋がるのですが、例えば劣化して固くなったクレープブラシでスエード面をブラッシングしたりすると・・・あまり良くない結果になってしまいます。

汚れがついた部分だけを集中的に狙ってクレープブラシでブラッシングをしていきましょう。

ちなみにアウトソールの側面の汚れも綺麗に落とせます。

細かいことを考えると(スエード面に傷が付く可能性など)若干賛否両論ある使用方法だと思いますが、私は使ってしまっています。(笑)

3.仕上がりをチェック

白い擦り後が付いていたボールジョイントの小指付近は見違えるほどの状態になりました!

親指の付け根の汚れも同様に。

踵付近やアウトソールもしっかりキレイになりました。

4.豚毛ブラシで仕上げ

サフィールノワールのブリストルハンドルブラシはスエードケアにピッタリです。

最後に毛並みを一定方向に揃えるようにブラッシングして完成です。

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よく見ると・・・。

これでまたキレイに履けるぞー!と思ったのですが、なにかスエード面に違和感が?

ちょっと明るい色がポツポツと見え隠れしています。

クレープブラシの注意点

左がクレープブラシでケアしていないスエード面。

右がクレープブラシでケアしたスエード面。

ケアしたほうが完全に毛羽立っています・・・これは一体?

ゴムが劣化し固くなったクレープブラシに注意。

色々と理由を考えた結果、生ゴムが劣化して固くなっていたと結論付けました。

よくよく思い出してみるとチャーチで購入するときに「ゴムだから長期保管はできないよ」とアドバイスをもらっていたことを思い出したのです。

改めてゴム部分を触ってみると明らかに乾燥を感じます。

幸か不幸か珍しいスエードケアの失敗を体験することができました。(泣)

固くなったクレープブラシの使い道

クレープブラシはただでさえ毛を起こす力が強いこともあるため、固くなってしまったクレープブラシを状態が良いスエードに使うと毛羽立ちを誘発してしまう!ことがわかりました(悲)

しかし、これは逆の発想をすることもできることに気が付きました。

状態が悪いスエードの毛がかなり寝てしまったスエードに使うとどうなるのか・・・。

毛が寝て固くなったスエードに使ってみる

ガンガン使用しまくってスエード面の硬化を感じていたチャーチのKetsbyに生ゴムが劣化してしまったクレープブラシを使ってみます。

ガッチリ寝ていた毛並みを強めにブラッシングし起こします。

そしてサフィールノワールのブリストルハンドルブラシ(豚毛)で毛並みを整えます。

固くなったスエードが復活した!

見た目はだいぶ良くなりましたが毛並み自体はどうでしょうか。

ブラッシングしてスエード毛を起こしたはずの面に指を当てて動かしてみます。

指を動かした軌跡が逆目になって色が変わりました。

大成功です!スエード面が固くなって寝てしまった毛並みを元に戻すことができました。

ちなみに劣化していないクレープブラシでも強めにブラッシングすることで同様の効果は狙うことはできますよ。とはいうものの、汚れなどでガッチガチに固まってしまったら金属ブラシしかないと思います。

クレープブラシのまとめ

クレープブラシはゴムさえ劣化さえしなければかなり使いやすいスエードケアブラシだと思いました。豚毛か馬毛ブラシと定期的に交換しているクレープブラシがあればほとんどの状態のスエードは簡単にケアできるのではないでしょうか。

豚毛ブラシの次のスエードケアアイテムが決まっていないのであれば候補の1つとして考えてみても決して損はしないアイテムだと思いますよ。(ゴムの劣化にだけは気を付けて!)

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  • ゴムの劣化にだけは注意!
次回は毛並みが荒れてしまったスエードの対処方法に迫ってみたいと思います。(笑)
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