
AIに頼んで自分が撮影した写真をクロケ公式風にしてみました。
「良い靴を履きなさい。そうすればその靴が素敵な場所へ連れて行ってくれる」
靴好きが靴を購入するときに累計200回くらい自分自身に投げかけている名言として、誰が言ったかはもはや大事ではない超有名フレーズです。そんな言葉を信じて、これまでいくつもの革靴を購入し、たまに手放し、また購入し直してきました。けれど、不思議なことに「ずっと探しているのに、これだという一足に出会えない」という一足というのがなぜか発生するのは私だけではない気がする今日この頃。
しかし、ついに最後の一足(ほんとか)を手に入れることができました。それが「2アイレット(2穴)のチャッカブーツ」です。
チャッカブーツといえば現在では3アイレットが主流。もちろん、3穴の持つホールド感は素晴らしいのですが、どうしても今の私が求めていたのは、昔愛読していた革靴紹介本たちでよく紹介されていたもっとミニマルで、もっとトラディショナルな「引き算の美学」を感じさせる2アイレットな一足。
そして先日、ついにその理想を具現化したような一足を手に入れました。 英国の老舗、Crockett & Jones(クロケット&ジョーンズ)の「UPTON(アップトン)」です。
今回はこの新しい相棒について、じっくりと語っていきたいなと思っています。
2アイレットチャッカブーツへの道のり
これまで愛用してきたスエードチャッカブーツは2足。いずれも3アイレットです。


チルターンはスナッフスエードに憧れて購入。かなりの年月を共に過ごし、イギリス旅行にも連れていきました。バンバリーはその後継者として購入。しかし、やっぱり履き味被りが気になり、結局手放してしまいました。(靴好きあるあると信じているのですが、同じラスト同じサイズだとデザインが違っても同じ靴のように感じてしまう一種の病気みたいなものです)
いつかは2アイレットのスエードチャッカ。とくすぶり続けて約10年。
そんな中で見つけたクロケの「UPTON」は、まさに私が何年も探し求めていたスペックそのものだったのです!三度目の正直!
Crockett & Jones UPTON の全貌
それでは、手元に届いたばかりのこのUPTONを紐解いていきたいと思います。
Uptonはクロケットジョーンズのメインコレクション(Main Collection)に位置するスエードチャッカブーツです。つまりはレギュラーラインのモデルで「イギリス製のちゃんとした革靴に興味はあるけれど、そこまでマニアックにハイグレードじゃなくても良いな」みたいなニーズにピッタリ合う一足です。

1. なめらかでちょいっとレアな「Dark Oak Suede」
まず目を引くのが、その色気たっぷりの素材感。 「Dark Oak Suede(ダークオークスエード)」と名付けられたこの色は、通常のダークブラウンよりも一段深く、それでいて光の当たり方でわずかに赤みを帯びるような、非常に重厚な表情をしています。

クロケットのスエードは、キメが細かく、撫でると毛並みが変わるほど繊細。さらに嬉しいことにこのダークオークカラーはクロケットジョーンズの中ではちょっとレア。というのもほかのスエードシューズでは「ダークブラウン」表記がほとんどなのですが、Uptonだけは「ダークオーク」なんです。比較できたらどう違うのかもお伝えできるんですが、そこはちょっとわかりません。笑
2. 日本人の足に馴染む「Last 379」
UPTONを語る上で欠かせないのが、使用されている木型(ラスト)「379」です。 このラストは、クロケットの伝統的な「236」というラウンドトゥ(コノート1のみで生き残っている)をベースに、ウエストを絞り込み、ヒールカップを小さく改良した「現代のクラシック」とも呼べる木型だそう。

クロケットジョーンズ ラスト379
欧米人とアジア人の足の大きな違いとして踵の大きさがありますが、ラスト379は、欧米人に比べて踵(かかと)が小さい日本人の足に馴染みやすい設計になっているといえますね。
ここで最近見かけるのが「日本人の足なんて単一じゃない」というフレーズでしょう。そこはご安心ください、幅広なのに踵が小さい古き良き日本人の足を私は持っています。現代日本人の足は知りません。
履いてみると、輸入革靴には珍しく、踵が浮き上がることなく、土踏まずから踵にかけてピタッと吸い付くようなホールド感に驚かされます。(むしろサイズミスしたかと心配になるほど)チャッカブーツは構造上、一般的なブーツや革靴より、踵のフィッティングが甘くなりやすいのですが、この379ラストとの相性は抜群な気がします。

踵まわりは所有している靴でも屈指の小ささ
3. 街歩きの正解「City Sole」
靴底には、クロケット自慢の「City Sole(シティソール)」が採用されています。 これは英国の老舗ハルボロ・ラバー社(ダイナイトソールで有名ですね)が、クロケットのために作った専用ソール。

City Soleはクロケットジョーンズだけのオリジナルラバーソール
横から見るとレザーソールのように薄くエレガントに見えますが、底面にはしっかりとグリップが効くパターンが刻まれています。ダイナイトソールよりも凹凸が控えめで、返りが柔らかいため、足馴染みも早そうです。
日本総代理店のトレーディングポストさんによれば、この横に入っている溝が効率的に雨水を捌けるデザインになっているんだとか。まさに雨の街ロンドンならではの工夫ですね~。
379ラストのサイズ感
次に他のシューメーカーとのサイズ比較をしていきます。ぜひサイズ選びの参考にしてください!
ジョンロブ 7000ラスト8.0EE と ラスト379を比較
個人的に結構似ているなと思ったのがジョンロブの7000ラストです。
トゥ周りはかなり共通点が多い印象、甲は379ラストのほうが低め。踵は当然379ラストが1周り小さめです。

エドワードグリーン 202ラスト8.5E と ラスト379を比較
土踏まずが絞られ、踵が小さく、指回りは広い。ラストの説明としては379ラストとほぼ同じなEGの202ラストとの比較です。
379ラストは土踏まずの突き上げ感こそはありませんが、そのコンパクトさは202に通じるものがあります。202ラストの指先周りを少し縦長にしたイメージが近いかもしれません。

パラブーツ ウィリアム8.5E と ラスト379を比較
最強雨雪靴として君臨し続けるパラブーツウィリアム。
全体的に短く横に広いようなラストとの比較となりますが、履き心地としては同じUK8.5でもかなり違いますね。踵も指先もパラブーツのほうが余裕があります。ドレスソックス以外でもイケちゃいますね。

シューツリーはサイズ控えめがオススメ
ちなみにシューツリーを選ぶ際は、ハーフサイズマイナス基準がオススメです。
というのも、クロケットジョーンズのなかでも相当土踏まずと踵が小さいラストなので、一般的なラストに向けた純正シューツリーだとちょっとキツいみたいなんです。
私はUK8.5に対し8サイズで入れるのがちょっと大変という状況です。(ラスト224UK8.5Eのチルターンのほうが全然楽でした)

まとめ

ずっと欲しかった「2穴のチャッカ」。 そこに、信頼のクロケット&ジョーンズの品質と、現代的なフィッティングが加わった「UPTON」は、私にとって単なる靴以上の存在になりそうです。
使い込むほどにガンガン自分の足の形に馴染んでいくスエード。これから数年、十年と履き続けて、その毛羽立ちをブラッシングしながら自分だけの相棒に育てていきたい。そう思わせてくれる一足に再度出会えた幸せを今噛み締めています。
スエードチャッカブーツは本当に万能だと思っていて、ビジカジシーンはもちろんのこと、デニムやチノのに合いますし、雨にも強いですから旅行にもピッタリなので、実は自分のこだわりの一足として持つに値するアイテムだと思います。
もしあなたが、「カジュアルすぎず、堅苦しすぎない一足」を探しているなら。 あるいは、私と同じように「2アイレットの魔力」に惹かれているなら、クロケット&ジョーンズのUPTONは、間違いなくその期待に応えてくれるはずです!
そんな訳で明日は雪のち雨というとんでもない天気予報。
……まずはもう少しだけ室内で履き馴らしてからデビューすることにします。

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