オールデンのミリタリーラストをバリーラストやモディファイドと比較してみた｜379Xのサイズ感

オールデンのミリタリーラストといえば、モディファイドラスト並みの履き心地に加え、どんな足の形、人種にも合うスペシャルなラストとして靴好きの間では有名だと思います。

一方で、そのサイズ感は色々な説があり、指先が広めだから普段通りのサイズとか。はたまた小さめだからハーフサイズ上げるだとか、試着したことが無い人にとって購入するのはなかなかハードルが高いラストだと思います。

このブログ記事では、そんなALDENの379X（ミリタリーラスト）のサイズ感について、バリーラストやモディファイドラストと比較しながらご紹介していきたいと思います。

ミリタリーラスト（379X）の特徴は？

オールデンの名作ラストとなるミリタリーラスト（379X）は、元々は一日に何時間も行軍する軍隊向けに開発された木型です。

軍隊、とくにアメリカ軍では様々な人種が所属しています。

白人、黒人、アジア人、ネイティブアメリカンなど思いつくだけでも大まかに4つも挙げることができます。

一般的にアジア人に比べて白人、黒人は足が長い身体的な特徴がありますが、足の形も例外ではありません。

親指と人差し指の長さでエジプト型だとか、ギリシャ型だとかタイプを分けることができますが、さらにはカカトの大きさの傾向など、軍隊での履物は本当に様々な足の形に対応する必要があります。

 

これらに対応するべく開発されたラストのひとつがミリタリーラスト（379X）という訳なんです。

一体どんな特徴があるのでしょうか？

ひとつずつ見ていきたいと思います。

指先の空間が広め

まずもっとも特徴的な「指先が広め」というポイント。

間違いやすいのが、ボールジョイントの幅が広いという訳ではなく、本当に指回りが広めの作りということです。

ビルケンシュトックをよりドレスライクなシェイプにしたイメージでしょうか。

このため、指先の形がどんなタイプであっても当たることはほとんどない設計になっています。

適度に絞られた土踏まず

何時間も行軍するには、アーチサポートはやはり必須だったのでしょう。

モディファイドラストまでの突き上げがあると、元々のアーチが低いと土踏まずが痛くなってしまう方もいるでしょうが、ミリタリーラスト（379X）では絶妙な絞り加減でこちらも幅広い人に適度にフィットする設計といえます。

小さめの踵

ヒール部分は一般的な外国産革靴に比べて、気持ち小さめかなと思います。

踵が小さめと呼ばれる我々日本人の場合は、他のオールデンよりも良い具合のフィッティングになるでしょう。

全体として少し小さめのつくり

ここまで見ると、少しゆったり目なラストなのかな？

と思う方もいるかもしれませんが、実はオールデンのミリタリーラストは気持ち小さめの作りです。

先に結論をお伝えすると、「全体的に小さめ」かつ「甲が薄め」というラストです。

そのためバリーラストやモディファイドラストと同じサイズを選ぶのはちょっと待ったほうが良いでしょう。

ミリタリーラストとバリーラストを比較する

ということで、バリーラストとミリタリーラスト（379X）を比較していきたいと思います。

どういった違いがあるのでしょうか？

バリーラストと379Xの全長はほぼ同じ

大きめと呼ばれるバリーラストと比べるとミリタリーラスト（379X）の全長はほとんど同じ。

つま先部分の形状に至ってはミリタリーラストのほうが余裕があるかもしれません。

ボールジョイント部はバリーDウィズ＝379XのDウィズ

一方で革靴の履き心地にもっとも影響するであろうボールジョイント部の広さは、バリーラストに分がありました。つま先の形状だけに注目するとわかりづらい部分です。

甲の高さが違う！

驚いたのは甲の高さ。全くといっていいほど差があります。

ミリタリーラストの方が圧倒的に甲が薄いんです。

幅自体の細さに加え、甲が低い。

このあたりがミリタリーラスト（379X）が小さめと呼ばれる所以でしょう。

ミリタリーラストとモディファイドラストを比較する

次にバリーラストよりも大きめのラストとなるモディファイドラストとミリタリーラスト（379X）を比べてみたいと思います。

モディファイドラストは379Xより大きめ！

全長ですが、バリーラストとは異なり、モディファイドラストの方がミリタリーラストよりも大きめです。

元々ジャストサイズで選ぶと踵とつま先に余裕が生まれるラストなのでこのあたりは納得の結果。

土踏まずの絞りはモディファイドラストの方が強め

モディファイドラストとミリタリーラスト両方の特徴でもある「土踏まずの絞り」はやはりモディファイドラストの方が強めです。このあたりは予想通りといったところですね。

踵はミリタリーラストのほうが小さめ

踵部分のヒールカップについても、モディファイドラストの方が大きめでした。

あえて表現するならば、グラマラスなモディファイドラストを少し上品にしたのがミリタリーラストといったところでしょうか。

ミリタリーラスト（379X）のサイズ感は？

ミリタリーラスト（379X）のサイズ感は、「バリーラストに比べるとやや小さめ」というのが私の結論です。

ただし、「足幅の細い人はバリーラストと同じサイズもありえる」という点があるので、該当する人はちょっと注意しても良いと思います。

ミリタリーラスト（379X）の特徴を改めて書き記すと…

• どんな指先形状にも合う広めなトゥーボックス
• どんな土踏まずも適度にサポートするアーチ形状
• 薄めの甲によりフィット感（ただし、甲が高めの人はちょっと注意）

ということで、軍隊で実際に使われていた歴史やスペックに魅力を感じる人、履き心地が良く長く使える革靴やブーツを探している人はぜひマイサイズのミリタリーラスト（379X）をトライしてみてはいかがでしょうか？

ミリタリーラスト（379X）オススメのサイズ選び