クレム1925のニュートラルの使い方(サフィールノワール) | ミウラな日々

クレム1925のニュートラルの使い方(サフィールノワール)

4.5

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サフィールノワール クレム1925と言えば靴磨き業界では非常に評価の高いクリームとして有名ですが、一方でカラーレス(無色)の使い方がよくわからない!という話をよく聞きます。

なぜならサフィールノワールは同じような無色のカラーレスクリームを3つも出しており、その違いがなかなかわかりづらいことによりますが、整理すると下記になります。

  • クレム1925 ニュートラル → 無色の油性靴クリーム
  • リノベイタークリーム → 無色のミンクオイル入り乳化性靴クリーム
  • スペシャルナッパ → 保革成分が潤沢なデリケートクリーム

以上のことから、通常の靴クリームとしてはやはりCreme1925のニュートラルを選んでおけば間違いはありません。

今回はこのSaphir noir creme1925(無色)の色々な使い方をご紹介したいと思います。

クレム1925ニュートラルの外観

サフィールノワール クレム1925無色

まずは瓶からです。

サフィールノワール レノベイタークリームと同様に赤茶で瓶に印字されています。

白いクリームの場合は定番のゴールドではなく赤茶にすることで視認性を高めているのかもしれません。

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クリームは白いですがこの通りニュートラルです。

BLANKという単語でも表現されているのがちょっと新鮮。

 

使用方法

サフィールノワール製品は使用方法が印字されているのが特徴です。

  1. 革靴をブラッシングしホコリや汚れを取り除きます。
  2. クリームを塗りこみます。
  3. 5分間待ちます。
  4. 再度ブラッシングするとピカピカに!

 

クレム1925の固さ

蓋を開けるといつも通りのクレム1925が現れました。

ちょっとムースのような面がクレムの特徴です。

 

手に取るとフワリと溶けるような感触。

デリケートクリームよりも柔らかい印象です。

クレム1925 ニュートラル(無色)の使い方

今回はちょっとだけ瓶に記載してある使用方法とは別のやり方で進めたいと思います。

なかなか興味深い結果が待ってますよ♪

 

手順1 指を使ってクリームを塗りこむ

靴磨きのクリームの塗り方は3パターンあります。

ブラシで塗る派布で塗る派指で塗りこむ派の3つです。

指で塗りこむの!?と思う方もいらっしゃると思いますが、実は靴磨きの上級製品になると肌にも優しい素材が使用されていることが多く、タピールというブランドや、靴磨き世界一のBrift hの公式靴クリームなんかは指で塗りこむことを推奨しています。

 

手順2 柔らかい布でクリームを伸ばし…

指で全体にクリームを塗りこんだら、布を使ってクリームを伸ばしていきます。

ここで面白いことが1つあるんです。

 

汚れ落としのごとく取れた古いクリーム

実はこれがクレム1925ニュートラル(無色)だけの機能です。

前回の油性クリームを結構落とすことができるんです。

有機溶剤などが入っていないのになぜ?と思いますが原理は単純で油汚れを油で溶かしているんだけなんですね。

なので指でクリームを塗った後、半乾きの状態で布で拭くとドンドン前のクリームが取れてきます。基本的にはクリームが入れ替わっているイメージなのでステインリムーバーなどとは異なり、保革や革へのダメージについてはあまり気にする必要もありません。

 

ポリッシュしたトゥの部分も。

 

あまりクリームを付けない履き口付近も同様に無色のクレム1925を使って前のクリームを入れ替えながら伸ばしていきます。

 

拭き上げ終わったのがこちら。

ステインリムーバーよりは取れていませんが、一足分拭き上げるとここまでクリームを落とすというか交換することができます。中々面白くないですか?(笑)

 

手順3 ブラッシング

さて、クリームの塗布が終わったらいよいよ仕上げに向かっていきます。

まずは定番のブラッシング。これは馬毛ブラシ。

手順4 仕上げはストッキング

 

エドワードグリーンパリで習ったレディースソックスことストッキングを使って磨き上げていきます。この工程は本当にお好みでいつもはペダックのレザーグローブを使用することが多いです。

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無色とバーガンディの仕上がりを比較してみる

Creme1925 Burgundy × Church’s Chetwynd

まずは同系色のクレム1925で仕上げたものがこちらです。

深みのあるバーガンディに仕上がっています。

 

Creme1925 Neutral × Church’s Chetwynd

そしてこちらがニュートラル(無色)のクレム1925で仕上げたもの。

ご覧の通り、元の革の色が強く出ておりバーガンディ(紫茶)で仕上げたものよりも赤味とむら感が増した仕上がりとなっています。

ムラ染めの革靴を持っているのであれば同系色で育てるか、無色で育てるか、かなり悩ましい選択肢になること間違いなしですね!(笑)

 

もう1つの使い方「鏡面剥がし」

さて、油性靴クリームの最高峰となるSaphir noir creme1925ですがもう1つの使い方があります。

それが鏡面剥がしです。

なんと鏡面磨きをしてツルツルになったあの層を剥がす。というより溶かすことができるんです。

鏡面磨き(ハイシャイン)についてはこちら

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実際に鏡面を溶かしてみる。

クレム1925の無色をいつもより多めに乗せてくるくると指先で回します。

するとあっという間に体温でクレム1925とハイシャイン面が同時に溶けていきます。

 

溶けて柔らかくなった鏡面をいつものブラシでブラッシングしてさらに鏡面を剥がしにかかります。

これを何度か繰り返して柔らかい布で拭き上げると・・・。

 

真ん中にある左足のつま先にご注目ください。

見事に光沢が無くなり反射もほとんどしていないのが確認できますね。

 

右側が鏡面を剥がしたトゥキャップです。

接写で取ると鏡面の剥がれ具合がよりわかります。革そのものの肌感がわかるほどです。

クレム1925で鏡面を溶かすことの利点はとにかく革へのダメージがほぼないことでしょうか。あまり使い過ぎると油分過多になってしまう程度しかないのが良い点ですね。

もちろん専用のクリーナー、例えばステインリムーバーのほうがより簡単により早く落とせるのですが、ちょっとでも使い過ぎると元の革の色まで抜けてしまったりとなかなか難しかったりします。

 

クレム1925ニュートラルのまとめ

Saphir noir creme1925 Colorless

ということで今回はサフィールノワール クレム1925無色の使い方のご紹介でした。

私もこの面白い使用方法については初めて知ったときにはなかなか驚いた記憶があります。

少しでも靴好きの皆さんの役に立てば嬉しいです。

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