革靴用ドライワックスの作り方とその効果【靴磨き用ワックスの乾燥方法】

靴磨きにハマった本格靴ラバーなら誰しもが一度は聞く単語が”ドライワックス”ではないでしょうか。

ドライワックス”とは特別な商品ではなく、靴磨き用のポリッシュ(ワックス)をわざと乾燥させたものを指します。これは油分などが揮発することで柔らかみのあるワックスが固くなった状態なのですが、そのおかげでとても早く艶が出やすくなる特徴があります。

プロの靴磨き職人の方も良く使っている”ドライワックス”。でも実際にどのくらい効果に差があるのでしょうか。

ということで、今回は通常のワックスと”ドライワックス”を比較していきたいと思います。


サフィールノワール ビーズワックスポリッシュ

フランスはAvel社が世界に誇るシューケアブランド”サフィール”

その最高級ラインとなるのが”サフィールノワール”です。

サフィールノワールは1925年にパリ万博で金賞を受賞した最高のレシピを使って作られています。その中でもビーズワックスポリッシュはまさに同ブランドを代表する製品となっており、世界中の靴磨き職人、そして靴磨きラバーに愛される名作中の名作です。

オールデンにもピッタリのマホガニーワックス

今回用意したのはサフィールノワール ビーズワックスポリッシュのマホガニーカラーです。

バーガンディにも近い色合いのこのカラーはサフィールノワールでは唯一の赤系ポリッシュ

米国本格靴オールデンの超人気サイト”Aldenstyle”さんがこのマホガニーカラーのビーズワックスポリッシュを使い、カラーエイトと呼ばれるダークバーガンディのチャッカブーツで素晴らしいエイジングされていたことでも有名ではないでしょうか。

Alden Chukka Boots Aging

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この記事を見てマホガニーワックスを購入した方も多いと思います。

完全に余談ですが友人Zに紹介して以来、彼は鏡面磨きのことを「超絶技巧」と言ってきます…(笑)

ドライワックスの作り方

さて、話が若干反れてしまいましたが、早速ドライワックスを作っていきたいと思います。

といっても作り方はとっても簡単でただワックスの蓋を開けて日陰で乾かすだけ。

乾かす方のサフィールノワールビーズワックスポリッシュのマホガニーにはマスキングテープを巻いておきました。

1日目

まずは初日。

蓋を開けただけの状態です。

どちらのワックスも油分たっぷりでみずみずしさを感じます。表面を指でなぞるとすぐに体温でワックスが溶け出すくらいの柔らかさです。

1週間後(7日目)

1週間たったのがこちら。

かなり乾いたのがわかります。ワックスは一回り小さくなり、表面上からも乾燥を感じます。

靴磨き教室で使用していたくらいの硬さに感じますが果たして。

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2週間後(14日目)

そしてさらに1週間たったのがこちらです。

うーんと、、、ちょっと乾燥させ過ぎてしまった感がかなりあります(笑)

ワックスは下手したら3周りくらい小さくなっており、かなりの硬さを感じます。

これ以上ドライワックスにする必要はないでしょう。

いざ実践へ!

ドライワックスで鏡面磨きにトライ

ドライワックスしたサフィールノワールのポリッシュ

さて、改めて見てみましょう。

左側は2週間乾燥させたもの。右側は一切乾燥させていないものです。

相当縮んだのがわかると思います。(笑)

乾燥具合を確認する

開封したばかりのビーズワックスポリッシュ

開封した直後のビーズワックスポリッシュを手に取ってみました。

写真の通り油分を感じますし、赤味のあるマホガニーカラーがわかります。

ドライワックス(2週間)のビーズワックスポリッシュ

2週間乾燥させたビーズワックスポリッシュを指に取ってみました。

ご覧の通りほぼ画像では確認できません・・・。(笑)

画用紙で比較

2つのビーズワックスポリッシュを指に取って画用紙に塗ってみたのがこちら。

ドライワックスにしたものは粒を押し潰すようにしないとダメなくらい硬いです。

これがどういった結果に結び付くのか?

Paraboot William Bourdex

さて、このドライワックスを使って磨いていくのはパラブーツのウィリアムです。

パラブーツとはフランスの本格靴メーカーで、パラテックスと呼ばれる素晴らしい履き心地のラバーソールと、油分をたっぷり含んで雨雪に強いリスレザーと呼ばれるアッパー素材が有名です。

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つま先の状態をチェック

すでにポリッシュが乗っていたので、ステインリムーバーで落としておきました。

ステインリムーバーは汚れ落とし機能が強い分、油分も持っていってしまうのが難点ですが油分をたっぷり含んでいるオイルドレザー(リスレザー)なら安心して使用することができます。

開封直後のビーズワックスポリッシュで磨く

指にワックスを取ってつま先に塗り込みます。

基本ルールとしてワックスを指に取るのは2回としました。

その後、ネル生地で磨いていきます。

こちらもルールとして、ハンドラップで1タッチ、ワックスに1タッチとしました。

これを5ラウンド繰り返します。

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ノーマルポリッシュ1回目

まずは1回目。流石にあまり効果はわかりません。

新品の靴をポリッシュするときの苦戦した感覚を思い出します(笑)

ノーマルポリッシュ2回目

ポリッシュ2回目。

少し光沢が出てきましたが、まだまだ艶やかとは言えませんね。

ノーマルポリッシュ3回目

3回目ともなると、明らかにつま先以外とのテクスチャーの差が出てきました。

ちなまに普段の私はここで終了することが多いです。

ノーマルポリッシュ4回目

4回目。

さらに艶が奥深くなり、明らかにツルンとした見た目になってきました。

ノーマルポリッシュ5回目

ファイナルラウンド、5回目。これはもうりんご飴ですね。(笑)

まさにハイシャインといったところの仕上がり具合です。

ドライワックスしたビーズワックスポリッシュで磨く

いよいよ真打登場です。

先ほどの開封直後のポリッシュとは打って変わって禍々しいくらいの固さが見えます。(笑)

表面にあるワックスが固すぎて取れないので裏側のを使いました。

かけらを上に乗せて伸ばしていきます。

その後、先ほどと同様にハンドラップで1タッチしてからワックスを1ぬぐいしてポリッシングをしていきました。

ドライワックスでポリッシュ1回目

おや、早速効果が見えました。

ドライワックスだと1回目にしてノーマルワックスの2回目に近い鏡面となりました。

ただ、伸びがとにかく悪いので若干まだらになっています。

ドライワックスでポリッシュ2回目

おおー!相変わらず鏡面がガタガタしていますが、全体としてのツヤ感はノーマルポリッシュの4回目の近い仕上がりとなりました。

やはりドライワックスの効果は抜群か!?

ドライワックスでポリッシュ3回目

はいきましたりんご飴。(笑)

完全に最初にノーマルワックスで磨いた左足と同じくらいのツヤ感となりました。

層を積み重ねているので面のガタガタ感は薄まりましたが、やはり柔らかいノーマルワックスで丁寧に積み上げた層に比べて荒さはやや感じるところではあります。

ドライワックスとノーマルワックスの比較結果

こちらがノーマルワックスとドライワックスの比較画像です。

ノーマルワックスは5ラウンド、ドライワックスは3ラウンドで同等の仕上がりとなりました。

つま先部分はほぼ同様ですが、鏡面部分を見るとドライワックスの方がまだらになっていますね。仕上がりのノーマルワックス、早さのドライワックスといったところでしょうか。

ドライワックスのまとめ

今回は靴磨き好きの必須テクニック(?)となるドライワックスを試してみました。

おそらく新品ワックスの蓋を開けて1週間乾燥させたくらいがちょうど良い塩梅になると思います。私自身、今度ドライワックスを作るときはそうしようと思っています。(笑)

1つ気を付けなければいけないのがドライワックスは油分を飛ばしているため、革靴に栄養があまり入らなくなってしまう点です。そもそもサフィールノワールシリーズは通常ラインとなるサフィールブルーよりも革への栄養補給が優れていることもセールスポイントの1つのため、本来の性能バランスからは逸脱してしまうことは容易に想像できます。

とは言え、通常のシューケアを靴クリームで行っていればほぼ影響はないでしょう。

靴磨きの時間がなかなか取れない方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

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  • 乾燥期間は約1週間がオススメ
  • とにかくすぐに光りやすくなる