革靴やレザーパンプスのデイリーケアは道具さえあれば誰でもそれなりの仕上がりを目指すことができます。
一方で擦り傷や抉れ、欠けなどには一般的な靴クリームやワックスではなかなか難しく、試してみても思ったより傷を隠したり、補修したりするには性能不足・・・というよりそもそも用途が違うということに気づくはず。
そういったときには靴修理店などに持ち込むのが一般的かつ最も安心ですが、やはり店頭に預けたり、さらに回収しにいったりという手間を考えると自分でDIY補修してみたい気になるのは当然のことと思います。
本ブログ記事では、そんなレザーリペアDIYの強力な味方「サフィール レノベイティングカラー補修クリーム」を使ったミラーシルバーレザーのパンプスの修理に挑戦する様子をご紹介します。
サフィール レノベイティングカラー補修クリームとは?
世界でもっとも有名なレザーケアブランドとなるSaphirことサフィールが発売するレザー補修用クリームが「レノベイティングカラー補修クリーム」です。
シューケア大好きなミウラも数多くのサフィールアイテムを愛用しています。
とくに油性靴クリームのクレム1925や靴磨き業界のデファクトスタンダードワックスとなるビーズワックスポリッシュやミラーグロスなどはデイリー使いとしても大変優秀で日々お世話になっています。
レノベイティングカラー補修チューブと靴クリームの違いは?
今回使用レビューするレノベイティングカラー補修クリームと一般的な靴クリーム、一体何が違うのでしょうか?
調べてみると驚くほどに大きな違いがありました。
まず一般的な靴クリームには顔料or染料(いわゆる色味)、そして油分や水分、最後に艶を出すワックスがメイン素材として使用されています。
染料であれば革に色がしみ込みますし、顔料であれば革の上に色が乗ります。
これらが皮革素材で作られた靴やバッグ、パンプスに栄養を与え、艶を出し保護するという効果を与えている形となります。
一方で、レノベイティングカラー補修クリームには「アクリル樹脂」「カラー顔料」がメインとなっていました。
アクリル樹脂・・・?
顔料・・・?
つまりレノベイティングカラー補修チューブは皮革素材に浸透して補修というよりは、まさに色付きアクリル樹脂で蓋をするような方向性のレザークリームということのようです。
ミラーシルバーレザーのパンプスを補修する
それでは実際にサフィール レノベイティングレザー補修クリームを使って、チャーチ(Church’s)のパンプスをDIY修理補修していきたいと思います!
状態は悪いが、使用回数は数回か
ちなみにこのチャーチ、某フリマアプリでとても安価に出品されていたので、物は試しに買ってみたのですが状態が本当に不思議だったので一応触れます。
ソール裏を見る限り、使用は数回程度。
カカトの状態からはアスファルトすら歩いていないのでは?と思うレベル。
ミラーシルバーレザーの劣化具合
一方で、使用されているミラーシルバーレザーの劣化具合は酷い状態。
履き皺が入る部分はおそらくはテンションにより表面が裂けて剥離しています。
ですがまったく理由がわからないのがタッセル部分。特段の大きな傷もないのにもかかわらず銀色が抜けています。
触った感触も特段削れた様子はなさそう・・・。なんだこれは?笑
反対につま先部分は明らかに擦り傷によるもの。
触っても明確に表面の荒れがわかりますし、中央部分には床面も少し見えていますね。
手順1 靴表面の汚れを取る
どんなシューケア、靴修理もまずは表面の汚れ取りからスタートします。
色々な手法がありますが、最近の私のお気に入りはウェットティッシュか赤ちゃんのおしりふきでサッと一拭きすること。
指についた靴クリーム取りに使えるのはもちろん、日常生活でも活躍するのでウェットティッシュは大量常備はオススメです。
手順2 レノベイティングカラー補修クリームを塗って乾かす
表面を綺麗にしたら、いよいよレノベイティング補修カラークリームを使用します。
今回選んだのはもちろん銀色のSILVERカラー。
実際にシルバーカラーのレノベイティング補修クリームを塗りつけて気づいたのですが、ミラーカーフとはそこまで相性が良く無さそうです。笑
これはいわゆる下記画像のようなメタリックシルバーレザー向けのクリームですね。
それでもできるとこまではやってみましょう!
注意!普通の靴クリームとは違う!
レノベイティング補修クリームを実際に使用してみてわかった注意点をお知らせします。
この補修クリームは前述の通り「アクリル樹脂」が入っていますので、乾かすとそのままの形で硬化します。
おそらくこれがインターネット上でコメントがある「剥がれた」というレビューの元凶でしょう。
大きな傷に使うとき以外であれば、公式ガイド「サフィール公式が教える!失敗しない革の色補修【レノベイティングカラー補修クリーム】」の通り、薄めて使うのがオススメです。
薄く塗って広げることを繰り返すのが綺麗な仕上がりへの近道!
色々と試したのですが、最終的にはやはり薄く塗って乾かしてを繰り返すのが綺麗な仕上がりへの近道となりました。
手順4 レザークリームで光沢を出す
最後は艶出し効果のある靴クリームやレザーローションで馴染ませつつ光沢を出します。
無色か同じ色があればそちらが良いでしょう。
(ただし溶剤により仕上がった面が崩れることもありましたので慎重に・・・!)
ビフォーアフター
それではサフィール レノベイティング補修クリームを使ったDIY補修の最終的な仕上がりをご紹介します。
まずは補修前の状態。これはこれで味があって良いような気もします。
レノベイティング補修チューブ銀で補修したのが下記画像。
ミラーカーフということもあり、完璧な仕上がり!とは言えませんが、目立つダメージはだいぶ抑えることができました。
(タッセルの色抜けは目立たないし、もはや味ということで。)
ミラーカーフはパテント?
余談ですが、今回初めてミラーカーフという皮革素材に真剣に向き合いました。
結論としては、ミラーカーフはパテントレザーに近い存在な気がします。
それは触った感触や表面の光沢加減からの判断です。銀面というより、樹脂面なんですよね…。
そうなるとサフィール レノベイティング補修クリームはパテントレザーには使えないと記載がありますので、なかなか不利な戦いをしていたのかなと。苦笑
サフィール レノベイティング補修クリームのまとめ
ということで本記事ではサフィールのレノベイティング補修クリームを使ったDIY補修・修理をご紹介しました。
チャーチのミラーカーフシルバーはなかなかの強敵でしたね。笑
率直な感想としては黒靴やダークブラウンの革靴やパンプスであれば、素人でもかなり良い状態に仕上げることができると思います。
一方でそれ以外になると靴好きの人がそこそこ真剣に取り組めば上手くいくか、いかないか…というアイテムかなあといったところ。
とはいうものの、失敗しても除去できますし、何より靴修理店にお願いするという最終的な逃げ道もあるので、自らDIY修理してみたい!という方はぜひ一度トライされてはいかがでしょうか!?
- アクリル樹脂と顔料が含まれた補修専用クリーム
- ブラックやダークブラウンなら難易度は低い
- 試してダメなら修理専門店へ持っていけばOK!
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