北海道で先行発売されたSADDLE UP BOOTS CREAM(サドルアップ ブーツクリーム)
満を持して発表されたこのブーツ専用クリーム。
先日行われたASHIDO HOKKAIDOさんでの先行販売+トークショーイベントでもメインとして取り上げられており、ブーツ愛好家にとっては気になるブーツケアアイテムのひとつになっているかと思います。
本ブログではこのブーツクリームの実際の使用感などをレビューしていきたいと思います。
SADDLE UP(サドルアップ)ブランドとは?
直訳すると「鞍をあげろ!」となるSADDLE UP(サドルアップ)
一方で映画などでは「さあいくぞ!」とか「出発だ!」という意味でも使われているそう。
また、バイクシーンでは座席のシートのことをサドルと呼んでいたり、レザー自体も革ジャンやブーツという点からバイカーにとって非常に重要な位置を占める素材となっています。
タフに使われるレザーアイテムに特化したレザーケアブランド
そういったバイクシーンなどに留まらず「タフに使われる強靭な皮革をターゲット」にしたのがm.MOWBRAYの新ブランド「SADDLE UP(サドルアップ)」なんです。
これまでレザーケアアイテムはどちらかというとドレスシューズ寄りの製品が多かった中で、本当の意味で新しい方向に舵を切るこのコンセプトは、逆に新しい!
サドルアップ ブーツクリームについて?
今回使用するSADDLE UP BOOTSCREAMは、例えばレッドウイングなどに代表される「タフに使われる強靭なブーツをターゲットにした専用レザークリーム」です。
一体全体どういった特徴があるのでしょうか?
私が先日参加した先行発売会で伺った内容を抜粋してご紹介していきたいと思います。
とにかくこれ一発でブーツケアができるクリームを目指した!
名古屋で大活躍されていた靴磨き職人のGAKUさんが名古屋から北海道に移られ、とくに大きな違いと感じたのはその乾燥度だそうです。
本州ではブーツをバラすとどこかしらカビてたりしたそうですが、北海道では基本的にカビがあるブーツは見たことがない。
一方で、北海道は結構乾燥しているそうで、すぐに油分の強いクリームなどを使うとシミになってしまう恐れがある。
そのため預かる際はまずは保湿をして…あれをして…これをして…ようやく靴クリームの出番となっていたそう。
そんなレザーケアの手間を一撃で終わらすことができるのサドルアップのブーツクリーム。
何か月もの手間暇をかけ、塗りやすく、このレザークリームひとつで仕上げることができるよう、油分と水分の比率を徹底的に調整したんだとか。
水溶性シリコン入りで伸びが良くサラサラ!
ワークブーツによく使われるオイルレザー、あるいはミンクオイルをたっぷり塗り込んだレザーブーツ。
とにかくヘビーに使われるレザーブーツというのは、しっかりケアされたとしても、お世辞にも手触りが良いものではなく、ベトベトしたイメージでした。
そこでサドルアップでは、あえて水溶性のシリコンを配合することで、手触りを劇的に改善し、ベトベトからサラサラ手触りへ!
しかもこの水溶性シリコンは皮革表面に編み目状に形成されるため、シリコンが悪い影響を与えるとされてきた吸湿性、通気性などにはほとんど影響しないんだとか!時代は進みますねえ…。
カラー付きでも傷を隠し過ぎない!
世に出回っている一般的なカラー付きレザークリームは、革と同じような色合いの顔料を使って、色を均一にするように傷を隠し、結果として全体が綺麗な仕上がりになるように組み立てられているそう。
一方で、サドルアップブーツクリームは粒子の細かい染料ベースのため、当然ブーツについて傷は目立たなくなるのですが、「消すのではなく、傷という味わいを残す」というエイジング好きの痒い所に手が届く組み立てにしているそうです。
ちなみにカラーバリエーションは、
- ニュートラル(無色)
- エンジニアブラック(黒)
- ブラックチェリー(バーガンディ)
- シガーブラウン(茶)
の4色です。
ブーツクリームの使い方
それでは、実際にサドルアップのブーツクリームを使って私が愛用するREDWING9060フラットボックスをブーツケアしていきたいと思います。
流れは先日のブーツケア先行発売会でしっかりと習ったのでバッチリです!
- 馬毛でブラッシング
- クリーナーでクリーニング
- ブーツクリームを塗布
- 豚毛でブラッシング
- 仕上げ
1.馬毛でブラッシング
まずはブーツ表面についた土やホコリなどを毛先の長い馬毛ブラシで払い落とします。
普通の履き方をしているブーツであれば、目に見えるホコリがなくなる程度。
私のように土作業にも使っている方は、もちろんを土を落とし切りましょう!
元RWJ代表の鈴木理也さんと、GAKUさんのサイン入りサドルアップLサイズ馬毛ブラシで払う!
しっかりケアするときはブーツレースも外しましょう。
結構ホコリとか入り込んでますよ。
2.クリーナーでクリーニング
ブーツ表面のホコリや土を落としたら、次はクリーナーを使ってクリーニングします。
サドルアップのレザークリーナーは有機溶剤フリーのオイルベース。
ということは?
汚れを落とすのではなく、前回塗り込んだ古いオイルを落とすのが目的なんです。
(詳しくは後日別記事にて)
柔らかい布にレザークリーナーの瓶を振って付けます。
下に向けても良いですが、事故る可能性も…。
ブーツ全体をサーっと拭き上げます。
こんな感じで前回のオイルが取れました。
ちなみに私はレッドウィング純正のミンクオイルとオールナチュラルレザーコンディショナーを気分によって使い分けていました。
3.ブーツクリームを塗布
いよいよSADDLE UP BOOTS CREAMの出番です。
私が愛用するREDWING BECKMAN FLATBOXはブラッククロンダイクと呼ばれる茶色のレザーにブラックの顔料を載せたいわゆる「茶芯」と呼ばれるタイプ。
履けば履くほどエイジングが進んで黒いブーツからブラウンが覗いてくる。そんな風合いを楽しめるブーツです。
そういったブーツにブラックの靴クリームを使うのは無粋というもの。
まったく迷わずにニュートラル(無色)のブーツクリームを手に取っていました。笑
サドルアップのブーツクリームの粘度はやや柔らかめ。
ケミカルな香りもそこまで強くありません。
むしろオレンジオイルとひまし油(キャスターオイル)がメインなのでナチュラルな心地よい香りが楽しめます。
先行発売会でも物議を醸した(?)水溶性シリコンのおかげで、伸びは非常に良く、塗った後のべたつきもミンクオイルの比にならないくらい感じることはありません。
ブーツ用クリームを塗り心地としてはある意味画期的と言えるかも?
さて、忘れがちなコバ(ウェルト)にもしっかりとブーツクリームを塗り込みます。
こういった屈曲に関わる箇所に入れると足馴染みも良くなることが多いですよ。
4.豚毛でブラッシング
ブーツクリームを全体に塗り終わったら、これまたサドルアップのピッグブラシでクリームをアッパーレザーのなかに押し込むようにブラシをかけます。
この過程で付け過ぎたクリームも取り除けます。
GAKUさん曰く、ブラシはとにかく歯ブラシのように細かいストロークで使うのがポイントなんだとか。
ちなみにサドルアップのピッグブラシは、1000円台で買えるブラシの中ではかなり工夫されているそうです。
引っかかるような仕上げとなりやすいブーツで少しでもブラシのかけ心地を改善するため、毛束の間隔は開けつつ、一つの束の量を増やすことで、軽いのにコシがあるかけ心地に仕上げているんだそうです。
5.仕上げ
最後はレザーグローブや柔らかい布で仕上げ磨きです。
サドルアップのレザーグローブはASHIDO HOKKAIDOのGAKUさん北村さんともに大絶賛のアイテムだそうで、使いやすい上に非常にナイスな仕上がりになるんだとか!
ちなみに私は別会社さんのレザーグローブがまだ現役でいるので、買い替えるタイミングで入手したいなと思っております…。
SADDLE UP BOOTS CREAMの効果は?
さて、サドルアップ ブーツクリームを使ったレッドウイング フラットボックス。
使用前後でどういった変化があったのでしょうか。
触り心地はフワサラに。
サドルアップ ブーツクリームを使った左足側は、手触りがサラサラに。
そして油分水分がベストバランスで配合されているとの話に違わない効果として、少しフワッとした触り心地になりました。
皮革のコラーゲン繊維に適度に油分水分が入ったためでしょう。
フラットボックスのつま先部分もフワッと潰せます。
ブーツ全体がほどよくしなやかに。
ブーツ全体の感触としては「ほどよくしなやか」になったというのが正直な感想です。
ミンクオイルなどと違い、当然ベトツキがありません。
どちらかというとドレスシューズをメンテナンスしたときのような雰囲気となりますね。
オールデンなどのコードバンにも使える?
ASHIDO HOKKAIDOさんから、参考画像としてオールデンのコードバンブーツに使用した際のビフォーアフターをいただきましたのでご紹介します!
買ったばかりのカラー8バーガンディ
まずは購入直後のホーウィンのカラー8コードバンを使ったブーツです。
全体的に光沢がほとんどない状態から…。
元々の風合いを生かしつつ、ギラギラしすぎないコードバンらしいツヤが生まれました!
エイジングして色が明るくなったカラー8バーガンディ
こちらはエイジングして色抜けしたHorween社のバーガンディコードバンのブーツです。
コードバンらしいうねるような履き皺が素敵な一足。
ブーツクリームにより、全体的に艶やかなツヤをまとう仕上がりに!
コードバンの表面のざらつきが微妙に残っているのがブーツクリームらしい仕上がりと言えます。
カラー8で使う場合は調色するとGOOD!
ちなみにSADDLE UP BOOTSCREAMをカラーエイトのホーウィンコードバンに使用する際は、多少調色した方が良いそうです。
使用するのは「エンジニアブラック」と「ブラックチェリー」の2色。
自分好みの調色レシピを考えるのも楽しいかもしれませんね!
ブーツクリームのまとめ
ということで、本ブログ記事ではヘビーに使われるブーツやレザージャケット向けブランド「SADDLE UP」の新商品「BOOTS CREAM(ブーツクリーム)」についてご紹介しました。
これまでミンクオイルベースでレザーケアをしていた方にとっては本当にびっくりするようなブーツクリームです。ベタベタしたブーツとはもうオサラバできます。
一方でドレスシューズからレッドウイングなどのワークブーツに入った人には、「こういうのを待っていた!」と言われるような仕上がり。キレイに履きつつもそれなりに傷やシワも楽しみたい。そういうわがままオーナーもカバーします。
サドルアップ ブーツクリーム、わざわざお披露目会をやるほどの実力を持ったレザークリームだと思います。
ぜひぜひ新時代のレザーケアを体感してみてくださいね!
- ブーツ用クリームなのにサラサラな手触り
- 傷を味わいとして残しながら皮革全体を最新の科学でしっかりとケアできる!
- タフで強靭なシーンで使っているブーツを長く愛用したい人向け
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