アバディーンラストで作られたカーフのオールデン
オールデンといえば馬の臀部から取れる皮の宝石「コードバン」を使ったシューズが有名ですが、こちらはカーフを使ったタイプのもの。
以前、オールデンにハマっていたときにe-bayで購入しました。落札価格はそれなりに安価でやはりALDENはコードバンモデルじゃないとリセールバリューが下がるんだなあと感じた記憶が薄っすらとあります。
珍しいモンクストラップ+パンチドキャップトウ
デザインはパンチドキャップトゥにモンクストラップをからめたもの。ハンドステッチやUチップ、Vチップアルゴンキンなど、トゥ周りで特徴的な意匠を凝らすオールデンにしてはかなり珍しいデザインではないでしょうか。
モンクストラップ部分にはゴムが使用されており、半ばスリッポンのように使用することができます。例えばパラブーツのウィリアムだとゴムがついておらず毎回ベルトを外さないといけません。モンクストラップを購入するときはこのゴムの有無は必ずチェックすることをオススメします!
ちなみベルトバックルは茶靴に多いゴールドタイプ。ロゴのゴールドとの統一感もありますが、個人的には銀色のほうが本当は使いやすいところです。
ソールは革底レザーソールタイプ
ソールはオールデンらしいオープンチャネルのレザーソールです。シングルウェルトで作られたアッパーを浅めのダブテイルヒールで支えています。(ウェルトの巻きがヒール手前までとなっている)
ALDENの靴と言えばアッパー全周をリバースウェルトでグルリと囲んだダブルウェルト、そして大きめなヒールでドスンと踵を支える言わばどっしりとした造りが一般的なイメージですが、このカーフオールデンは細身のアバディーンラストにシングルウェルトなどの仕様ですから、見た目はアメリカ靴らしからぬドレッシーなスタイルに仕上がっています。
サイズはUS 9D
サイズはUSの9Dです。日本サイズ27.0cmとなり、バリーラスト9Dでリラックスフィットだった私(実寸26.5cm幅広足)にはちょっとタイトジャストな感じでちょうど良いだろうと思ったですが、これが大間違いでした。(笑)
アバディーンラストは超細い
その理由はオールデンが保有するラストのなかでも特に細めなアバディーンラストにありました。もうとにかく小さい!出勤したは良いもののオフィスに足を踏み入れる前には限界を察し、朝一でスリッパに履き替えてしまいました。(泣)
ちなみに後日ラコタハウスでコードバンのオールデンを購入する際に試着させてもらったのですが9.5Dならちょうど良さそうな塩梅でした。
画像出典:https://www.theshoemart.com/blog/tech-tuesday-alden-lasts/
よく見るオールデンのラスト一覧画像です。
左から右にかけてゆとりあるラストに並んでいます。これに照らし合わせてみると・・・
アバディーンラストの特徴は細身で、ポインテッドトゥで、ボリュームも控えめ、さらにはもっとも小さいラストという訳です。
そんな小さなラストの靴なのに、私は広めでラウンドトゥでボリュームがあるバリーラスト(右から三番目)と同じサイズを選んでしまったということですね。
※参考情報 私のオールデンサイズ
- バリーラスト 9.0D リラックスフィット
- バリーラスト 8.5E ややタイトフィット
- モディファイドラスト 9.0D ちょっと長い
- モディファイドラスト 8.5E ジャストフィット
実は革質が良いオールデンのカーフ
そんな悲しい事件もあったのですが、その反面大きな発見もありました。
それがオールデンのカーフが想像以上に高品質だったことです。ALDENというブランドではコードバンの影に隠れがちなカーフですが、割と古い靴の割りにこの銀面の状態。
履きシワはきめ細かく、触った感触もまったく乾燥を感じさせません。クラックなんてまだまだ遠い話といったところ。うーむ、米国産カーフも侮れませんねえ。
ちなみにオールデンで使われるカーフではキッドカーフ(山羊革)も有名です。履いた瞬間から足に馴染む柔らかさからくる履き心地は絶品だとか。モディファイドラストのキッドカーフ、ちょっと気になっちゃうなあ。
ALDEN ABERDEEN LASTのまとめ
そんな訳で私が言いたいのは履いたことない靴をネットで買うのはリスクがありますよ!ということですね。同ラスト、同サイズを試着しておくか、返品可能サービスのあるウェブショップを利用するか、はたまた直営店でプロのシューフィッターに選んでもらうのがオススメです。(当たり前か)
昔からのオールデン愛好家には「オールデンはコードバンで始まり、カーフに終わる」という言葉もあるそうです。
私自身がコードバン至上主義のときにどこかのサイトで見た話ということもあり、まったく気にも留めていなかったのですが改めてこのカーフの品質を見るともしかすると本当なのかもしれないなあと思ったある春の夜でした。
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