オールデンが好きな方なら色々な理由から理想の仕様となる革靴やブーツが手に入らなかった経験がある人も多いかと思います。
レアカラー、ショップ別注、廃盤品、当面在庫が補充されない…などなど。
履き方や履くシーンによってある程度の仕様は妥協できると思いますが、この四季に溢れる日本においてはソールの仕様という点はひとつ大きなポイントになりますよね。
ALDENにはレザーソールの他に、プランテーションソール、ネオコルクソール、フレックスソール、スポンジソール、それにコマンドソールなど一般的なシューメーカーに比べて豊富にソールの選択肢があります。
雪が降る地域の冬は例外として、年中それなりの頻度で雨が降りますから、とくにソールがオールレザーだった場合は、ハーフラバーを検討する人も多いのではないでしょうか。
ということで今回は…、オールデンのレザーソールブーツを純正コマンドソール風にカスタムする様子をご紹介したいと思います!
オールデン純正コマンドソールについて
こちらはオールデンで実はひとつしかないハーフラバーとなるコマンドソールです。
薄めのコマンドパターンのハーフラバーとトップリフトがシングルレザーのアウトソールに取り付けられており、見た目的にもあまりゴツさやラギット感を感じないのがちょうど良いバランスといったところ。
薄めのコマンドパターンのハーフラバーはアウトソールに貼り付けられ、さらにウェルトに掬い縫いがされていることから、すぐに安心してガシガシ履き始められるというのは嬉しいポイントです。(つま先のラバーチップやビンテージスチール、ハーフラバーの貼り付けも不要です)
オールデン純正コマンドソールの歴史
かなり昔からあるため、ずっと同じ仕様かと勝手に思っていたのですが実は生産年代によって3パターンに分けられるのだとか。
まず初期型のコマンドソールは一般的なハーフラバーのようにレザーソールの上に一枚貼りつけただけだったようです。
次に中期型ではつま先にラバーチップを取り付けてからハーフラバーを接着したもの。
そして現在ではレザーソールとラバーチップをあえてズラして重ねることでより耐久性が増したバージョン3なんだとか。
カラーはブラックとスモークの2種類
また、コマンドソールのソールカラーについては実は2種類あります。
定番のブラック、それにスモークで、ブラックはアッパーレザーが黒い革靴やブーツに採用されており、スモークはそれ以外のカラー8(バーガンディ)やブラウン系に使われているそうです。
言われてみると確かにどちらかといえばダークグレーカラーのソールになってる!
リファーレ札幌店に持ち込み
シガーコードバンを使ったオールデンではちょっと珍しい素材とデザインのブーツ。
ソールはダブルレザーソールということもあってガシガシ履いていたのですが、つま先あたりがそこそこ削れ始めていたことから、今回コマンドソール風のハーフラバーを貼ることにしました。
ということで北海道の中心地、札幌駅に店を構えるリファーレ札幌さんで相談しました。
すると薄めのコマンドパターンのハーフラバー材料があるとのこと。
前回ガジアーノガーリングをお願いしてその実力は確認済み。
オールデンのロゴをなるべく空いた空間の真ん中に残したい旨、ハーフラバーとトップリフトをつけた状態でオリジナルの前後バランスを崩したくない旨を伝え、靴底修理を依頼しました。
ちなみに使用した資材は下記の2つです。(最近は何でもネットで売ってるようで)
VIBRAM 2333 モルターラソール 5mm
ハーフラバー部分は、掘りが薄めのコマンドパターが特徴のビブラム2333モルターラソール。
一般的なハーフラバーが1~2mmで、もっとも厚いタイプが7mm程度なので、やや厚めのハーフラバーとなります。
やや柔らかめの素材を使用しており、低温化でもグリップ力が発揮されやすいのだとか。
VIBRAM 1205 ロッチャヒール 9mm
トップリフトはモルターラソール同様にコマンドパターン。
厚さは一般的なドレスシューズ向けのヒールが7mmに対して、こちらもやや厚めの9mmです。
素材の特徴としても同様でやや柔らかめで粘りがあり、低温化でもしっかりとブーツを支えてくれるようです。
これが俺のオールデン純正風コマンドソールだ!
依頼してから約2週間ほど、ついに出来上がりました。
一見するとカスタム品には全く見えない雰囲気が漂っています。
これが俺が考えるオールデン純正風コマンドソールだ!
どうでしょう。
ロゴの位置は純正と変わらない最高の位置についているのが嬉しい!
全体としても違和感なく仕上がっているのはさすがの一言。
ここからはハーフラバーとトップリフトの各部材ずつ見ていきたいと思います。
オールデン純正風コマンドハーフラバー
まずはソール前部に取り付けたVIBRAM 2333 モルターラソール 5mm。
オールデン純正コマンドソールだと際のパターンがなくなってミシン掛けされています。
モルターラソールだとソール全面にパターンが入っているのが大きな違いでしょう。
削れすぎたつま先はアタッチメントで処理。
レザーソールですが、ダブルだったので安心して履きまくっていたところ、つま先が思ったより大きく削れていたようでした。
ですが似たようなレザー素材をあてがい、うまく処理されていました。
当たり前かもしれませんが各パーツの接着部分には一切の隙間もありません。
オールデン純正コマンドトップリフト
踵部分はビブラム1205 ロッチャヒール 9mm。
コマンドパターンながら浅めのスタイルなので、ドレスブーツの雰囲気を崩していないのがポイント高し!
トップリフトはラバーに接着も可能!
個人的に大きな発見となったのは、ラバー素材とラバー素材を接着できるということ。
前後の高さのバランスを崩さないようにと検討したところこの形になったそうです。
元々はラスターヒールという楔形にラバー部分が付き出しているスタイルだったのですが、うまいこと水平に削って貼り付け面を確保したその技術には感服です。
純正コマンドソールと比較してみた
せっかくなので構図もできる限り近づけて撮影してみました。笑
ソールパターンが横から見えていること、元々がダブルレザーソールということでラギッドな印象が強まっていますね。
ヒール側については純正とほぼ変わりませんね。笑
うーん、大満足の仕上がりです!
コマンドソールなら子供と一緒に公園にも行ける!
コマンドソールにしたからにはガシガシ履きたいのが人の性。
さっそく娘と共に公園に行ってきました!
砂場でもOK!
コマンドソールのオールデンなら、公園だろうが砂場だろがまったく問題無し!
ラギッドなソールがすべての路面を制覇させてくれます。
す、砂がアッパーに!!
まあ、ブーツなんでね。コードバンなので小傷も擦れば消えますからまったく問題な…
(この写真を撮ってすぐに砂場を離れた私です。)
まとめ
ということで今回はオールデン純正コマンドソール風カスタムについてご紹介しました。
どんなシチュエーションでもガシガシ履きたいのにレザーソールだからちょっと…。という方や、本当はコマンドソールモデルがほしかったのに!なんて方はぜひぜひ馴染みに修理店にご相談されてみてはいかがでしょうか?
ブーツがより履きやすい存在になってくれますよ!
スピードフックも付けたい
(完璧に仕上がったと思っていたのですが、スピードフックについて相談することをすっかり忘れていました…、いつかまた。)
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