ジャランスリワヤのアンティークフィニッシュに挑戦
先日、友人とともにドレスシューズショッピングにお出かけし、そのまま深夜の男靴磨き会がスタートしていました。もちろんもくもくと磨き続けるわけではなく、お互いの近況だったり今後の話だったりと久しぶりに会った友人との話は尽きることがありません。
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そんな中、友人からある一言が飛び出してきました。
「実はちょっとアンティーク仕上げに興味あるんだよねー。カッコよくない?」
そりゃあ、カッコいいです。ただアンティーク仕上げって結構な上級テクニックと捉えていた私は不安を隠せません。しかし、タイミング悪すぎました。今は深夜で、お酒が入った男二人しかいないのです。無謀な挑戦をするのにこれ以上素晴らしい瞬間はありません。(笑)
目指すはエドワードグリーンのダークオーク風!?
Edwardgreen公式サイト:Cadogan ダークオークアンティークカーフ
ということで色々と相談した結果、若干色味が異なりますが友人のジャランスリワヤをエドワードグリーンのダークオーク風に仕上げてみることにしました。
ダークオーク風というと聞こえは良いですが、単純につま先に黒のグラデーションをかけていきましょう!という話です。
手順としては下記としました。
アンティーク仕上げの手順(バージョン1)
- クレム1925でクリームを入れなおす。
- キャップ部分全体をブラウンのポリッシュで磨く。
- キャップ部分の先からブラックのポリッシュで磨いていく。
一体どうなることやら・・・?
ポリッシュが一切されていないジャランスリワヤ
イギリス靴に惚れ込んだインドネシア人がインドネシアで立ち上げたジャランスリワヤ。めちゃくちゃ手間がかかることで有名なハンドソーン製法で作られており、その履き心地は価格以上との評価が多いですね。
アンティーク仕上げに挑戦!バージョン1
1.クレム1925でクリームを入れなおす。
まずは定番のクレム1925のブラウンで磨きなおします。先日雨の中で履いていたということで結構乾燥しておりガンガンとクリームを吸っていきました。
クレム1925ブラウンで磨き終わったジャランスリワヤ。もちもち感が現れてきましたね。革自体も少し光沢が出てきました。さすがはサフィールノワール!信頼できるクリームです。
2.キャップ部分全体をブラウンのポリッシュで磨く。
サフィールノワールのビーズワックスポリッシュを使いました。普段ならこれでバッチリですが、今夜は許してもらえません。
3.キャップ部分の先からブラックのポリッシュで磨いていく。
何か上のほうまでポリッシュを塗り過ぎてるような気がしますがどうなんでしょう(笑)
そのまま気にせずいつも通りポリッシュを続けていくと・・・。
!?
何と元々のブラウンのポリッシュ部分が剥がれてきました!(涙)
これはまずいと言うことでステインリムーバーで一旦リセットすることに。
一旦、小休止。
今回の手順の何がまずかったのかを反省会。
まず第一に違う色のポリッシュを同じ部分に2層重ねようとしたのが敗因なのは間違いありません。序盤はブラックとブラウンがまだらになり、それをリカバーしようとしてさらにブラックのポリッシュを重ねると次は元々のブラウンポリッシュが剥がれてきました。
そこで2回目の作戦としては下記とすることにしました。
アンティーク仕上げに挑戦!バージョン2
アンティーク仕上げの手順(バージョン2)
- キャップ部分のつま先側をブラックのクレム1925で磨く。
- キャップ部分のかかと革からブラウンのクレム1925で磨く。
- キャップ全体をブラウンのポリッシュで磨いて仕上げる。
1.キャップ部分のつま先側をブラックのクレム1925で磨く。
2.キャップ部分のつま先側をブラウンのクレム1925で磨く。
ブラシを入れて2色の境目を曖昧にしていきます。
3.キャップ全体をブラウンのポリッシュで磨いて仕上げる。
どうでしょう?ちょっとパンチ力は弱いですが控えめ仕上がりと言えば聞こえは良いレベルにはなったと思います。
さて、右足を担当している友人の進捗はどうでしょうか?
・・・
!?
滅茶苦茶濃い!!ていうか、明らかにキャップ全体にブラックが・・・!(笑)
どうやら磨く行為自体に夢中になっていたため、あまり色を意識していなかったとのこと。ただこのツートンに見える感じが気に入ったらしく、私が手掛けた左足も同じ方向性で仕上げることになりました。
・・・
!?
次は左足だけがブラックの革靴になってしまいました・・・。(笑)
私の友人はポリッシュが非常に上手なんですが、ここまで色を載せれるのはもうある意味才能なのかもしれません。
しかし、この左右差はどうやっても治らずもう一度ステインリムーバーでリセットすることに。(涙)
一旦、小休止。その2
さて、さすがにこの短時間で2回もリセットすると革自体へのダメージは避けられません。
画像はありませんがしっかりと元の革からも色が抜け始めていました。
「もう失敗できない。」
普通にクレム1925のブラウンを入れて、ブラウンのポリッシュをかければ終わる話なのですが、ここまできてしまったら引き下がることができないのが男の性。
我々はアンティーク仕上げに最終決戦を挑むことにしたのです。
アンティーク仕上げに挑戦!バージョン3
アンティーク仕上げの手順(バージョン3)
- キャップ全体をクレム1925のブラウンで磨く。
- キャップつま先側をクレム1925マホガニーで磨く。
- キャップ全体をブラウンのポリッシュで磨いて仕上げる。
そう、今回はブラックをやめました。
理由としては「ブラックは強すぎるから。」の1点になります。Edwardgreenのダークオーク風を目指してブラックを入れることに固執してきましたが、とにもかくにも色が強すぎるため、はみ出したりムラになったりしたときに非常に悪目立ちするのです。
そのため今回は方向性を変更することに。
チェスナッツアンティーク仕上げの場合、グラデーションに使うカラーはレッドもしくはレッドらブラウン。ということでクレム1925マホガニーの登場というわけなんです。
赤茶というよりも赤に限りなく違いサフィールノワールクレム1925マホガニー。
これを慎重につま先に入れ込んでいきます。
そして誰もが気がついていた左右を違う人が担当するから仕上がりが異なる点を解消するためにポリッシュは友人一人でやることに。
チェスナッツアンティーク仕上げ風のジャランスリワヤ
どうでしょうか?自画自賛になりますが初めてにしては上手くいったように思います。(涙)
友人曰く「店頭に並んでいる状態でこれだったら+2万円は避けられないね。」とのこと。
個人的には少し控えめな仕上がりかな?とは思いましたがすでに時計は2時を指しており我々は約3時間近く磨いていたのでした。通りで腰も痛めたわけです。
アンティーク仕上げに挑戦!のまとめ
- 異なる色のポリッシュを塗り重ねるのは非常に難易度が高い!
- アンティーク仕上げ初心者は元々の靴の色に近い色から挑戦するべし!
- 靴好きの友人との靴磨きは時間を忘れるくらい楽しい!
いつの日か他のアンティークフィニッシュにも挑戦してみたいところです。
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