革の宝石コードバンを使った革靴。アメリカのオールデンなどが有名ですが、圧倒的な光沢の美しさがある一方でメンテナンスの難しさについても良く話題になる皮革素材のひとつです。
雑誌やSNSで掲載されているオールデンの美しい艶に憧れて購入したものの、ツヤがなくなったり、水ぶくれが出来たりと苦戦する人も多いのではないでしょうか。
そんな艶がなくなったコードバン、オールデンの革靴を解決できるのが靴磨き・シューケアです。
コードバンといえども革ですから、ブラッシングなどを駆使してコードバン用のレザーケアをすることですぐにツヤを復活させることができますよ。
このブログ記事では、コードバンの革靴に使えるオススメ靴ブラシを紹介します。
コードバンレザーについて
馬のお尻の皮の一部のみにあるコラーゲンが濃密に詰まった特別な層を利用したのがコードバンレザーです。
元々はやや起毛している素材ですが、繊維を潰して均す工程(グレージング)と各シューメーカー独自の仕上げによって、緻密かつ素晴らしい光沢を放つ皮革素材に生まれ変わります。
コードバンを使った革靴は「波打つような独特のシワ」に加え、「徐々に色抜けしていきながらツヤが増していく」深いエイジングを楽しむことができます。
コードバンレザーに使えるブラシ
一見固そうに見える表面ですが、スムースレザーなどに比べると傷がつきやすいのがコードバンです。
銀面に相当する部分は起毛した表面をグレージングで押しつぶして出来上がっているということを考えると絶妙な硬さを持ったブラシが必要なことが想像できるかと思います。
- ホコリ落とし用の馬毛ブラシ
- 靴底の砂などを取り除くシュムッツブラシ
- ウェルトに靴クリームを塗り込むコバブラシ
- コードバン専用の靴クリームを塗りこむペネトレイトブラシ
- ハンドグレージング用のレザースティック
- コードバン磨き用の馬毛ブラシ
- 仕上げ用の山羊毛ブラシ
ホコリ落とし用の馬毛ブラシ
コードバンにおいてもスムースレザーやスエードレザー同様に、日常使用でついたチリホコリを取り除くにはブラシが必要です。
ちなみにスムースレザーと同じものを使い回すのは全く問題ありません。
靴底の砂などを取り除くシュムッツブラシ
靴底についた汚れを落とすには靴底ブラシを利用します。
晴れの日によく履かれるコードバン靴だと砂などの細かい汚れが付きがちです。
ウェルトに靴クリームを塗り込むコバブラシ
アッパーレザーとソールを繋ぐウェルト部分に靴クリームを塗りこむのがペネトレイトブラシです。
革靴でもっとも狭い部分なので靴クリームが塗りづらい部分に活躍します。
また、ホコリを取り除くときにも使えます。
コードバン専用の靴クリームを塗りこむペネトレイトブラシ
コードバンシューズで有名なオールデン社はワックスだけのシューケアを薦めています。
一方で日本総代理店ラコタハウスの方によると、日本の気候を考えるとコードバンクリームなどの靴クリームを使用するほうがさらに良いそうです。
そういった靴クリームを手を汚さず塗れるのがペネトレイトブラシです。
ハンドグレージング用のレザースティック
冒頭ご紹介したように元々は起毛素材であるコードバン。
様々な理由によって毛羽立ってしまった場合に、再度押し潰せるのがこのアビーレザースティックです。
同じ水牛の角を使ったかっさ棒や、瓶底を使ったりする方もいるそうです。
とくにかっさ棒はアビィレザースティックに比べて格段に安いのでお買い得ですね。
ちなみに海外ではディアボーンと呼ばれる鹿の骨を加工したものがよく使われていますので、お好みの形状を探すのもおもしろいかもしれません。
コードバン磨き用の馬毛ブラシ
コードバン層は傷が付きやすいことから、もっとも有名なコードバンタンナーでもあるHorween社が馬毛ブラシの使用を薦めています。
ただ最近では豚毛ブラシでも問題ないのでは?という議論も盛んになってきています。
仕上げ用の山羊毛ブラシ
カーフレザーではワックスで鏡面磨きをしたキャップの仕上げに使える山羊毛ブラシですが、コードバンだとアッパーレザー全体の仕上げにも活用することができます。
少しだけ水を付けて革靴全体をブラッシングすれば本当に綺麗な仕上がりになりますよ。
山羊毛ブラシもスムースレザーで使用するものと併用できます。
コードバンの革靴で使えるオススメ靴ブラシ3選
シューケアマニアの私がおススメしたいコードバンの革靴用の靴ブラシは下記となります。
- 馬毛ブラシ(スムースレザーと共用可)
- ポリッシングブラシ(スムースレザーと共用可、ただし豚毛は避ける)
- レザースティックなどのハンドグレージングアイテム
馬毛ブラシ(スムースレザーと共用可)
まずはホコリ取り用の大型馬毛ブラシです。
とにかく革靴の寿命を延ばすのは履いた後のホコリ落としです。
一本あれば、スニーカーやブーツ、家族の靴でも使えるので結果的にコスパも良いです。
ポリッシングブラシ(スムースレザーと共用可、ただし豚毛は避ける)
基本的にはスムースレザーと一緒です。
1点だけ異なるのはポリッシングブラシで豚毛を避ける点です。
コードバンに豚毛ブラシは問題ないのでは?という議論がありますが、一方でコードバンタンナーであるホーウィン社で馬毛ブラシが推奨されていることから、ポリッシングブラシは馬毛を採用しておいたほうが無難でしょう。
レザースティックなどのハンドグレージングアイテム
コードバンを使った革靴特有のシューケアがハンドグレージングです。
元々起毛素材だったコードバンは経年で少しずつ表面が毛羽立ちしてきます。
これらを表面が滑らかな水牛の角などでつくられたアイテムで再度押し潰すことで綺麗なツヤが復活するというもの。
様々な形状のものが販売されているのでお気に入りのひとつを見つけると良いでしょう。
コードバンのシューケア・靴磨きにオススメな靴ブラシまとめ
本ブログ記事では「コードバンのシューケア・靴磨きにオススメな靴ブラシ」について紹介しました。
オールデンなどに代表されるコードバンを使った革靴は、しっかり手入れすればするほど素晴らしく味わいのある光沢が返ってくるのが特徴です。
そんな手入れに必ず必要なのがコードバンの特性にあった靴ブラシです。
ぜひ自分に合った靴ブラシを見つけてみてくださいね!
シューケア大好き人間のミウラ(@miura_na_hibi)でした。
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