先日、ついに購入したRED WINGの先芯無しワークブーツ「ベックマンフラットボックス」
ブラッククロンダイクレザーという茶色ベースのレザーに黒の塗料を塗布した大変ヒストリカルな仕様を再現したレザーが採用されています。いわゆる茶芯というやつですね。
すぐに履きおろしたい気持ちでいっぱいでしたが、ミウラはとあるアイテムの到着を待っていました。
それは…
レッドウィング純正のオイルは2種類
すぐにでも履き下ろしたいナイスなブーツを待たせていたアイテム、それはRED WINGの純正ミンクオイルでした。
RED WING純正の固形オイルは2種類あります。
ミンクオイルとオールナチュラルレザーコンディショナーです。
ミンクオイルは、その名の通りミンクの油を中心に鉱物オイルなど配合した伝統的なオイルです。
オールナチュラルレザーコンディショナーは、やや新しいアイテムでその名の通り、すべて自然原料から作られたオイルとなります。
ミンクオイル/97105 | オールナチュラルレザーコンディショナー/97104 | |
概要 | レッドウィングの伝統的な固形オイル | 100%天然素材でつくられた保革オイル |
主成分 | 天然ミンクオイル、ラノリン、シリコン | 天然ミンクオイル、松ヤニ、蜜ロウ |
油分 | ◎ | ◎ |
防水性 | ◎ | 〇 |
ツヤ | 〇 | ◎ |
容量 | 85g | 85g |
価格 | 1,200円 | 1,600円 |
1gあたりの単価 | 14円/g | 19円/g |
2つのオイルを比較してみると、本格革靴を趣味としているミウラとしては、明らかにオールナチュラルコンディショナーに軍配が上がります。
レッドウィング公式サイトでもオールナチュラルコンディショナーから使われていますしね。
さらにネットを検索すると、純正ミンクオイルは革が劣化する!とかカビが!というネガティブな情報も散見されていました。
うーん、これは・・・どうしよう?
選んだのは純正ミンクオイル
ですが、結局選んだのは純正ミンクオイルです。
なぜか?
理由は至極単純で、どうにもロマンを感じてしまったんですね。
「ワークブーツ=ミンクオイル」じゃないですか!
といっても一応ちゃんとした理由もあります。笑
純正ミンクオイルを選んだ理由
まず第一にプレメンテナンス用ということ。
皮革製品のメンテナンスグッズに使われる成分はそれほど多くありません。
柔軟性を求めるなら「ラノリン」の有無がひとつの目安となります。
※ラノリンは羊から摂れる動物性ワックスで水分を皮革内に留める機能があり、シューケアグッズではデリケートクリームなどに使用されています。
皮革製品は店頭に並んだ時点で油分が飛び始めている
皮革製品というのは製造されて店頭に並ぶまで、多かれ少なかれそれなりの時間を経ているので、店頭に並んでいる時点で皮革の状態は乾燥気味と考えるべきです。
そうなると履き下ろす前に使うべきメンテナンスグッズはおのずと見えてきます。
柔軟性を付与するアイテムですね。
なのでラノリンが成分に含まれている純正ミンクオイルを選択したという訳です。
カビるとか柔らかくなりすぎるというレビューについては、使い方(頻度や量)に依存するところが大きいですから、あまり重要視しませんでした。
評判の原因はシリコン?
一方でちょっと気になったのがミンクオイルは革に悪いという意見。
ここからは予想の範疇になってしまうのですが、レッドウィングの純正ミンクオイルにはシリコンが含まれています。シリコンは防水スプレーにも使用される成分なのですが、仕組みとして皮革の繊維に入りこむ形で防水を実現します。(フッ化炭素タイプは皮革の上に粒が貼りつくイメージ)
なので長期間に渡って使用を続けると皮革に油分や水分が浸透しづらい状況になってしまい、結果的に耐久性に優れたレッドウィングなどのワークブーツでその問題が顕在化してしまうのかなと。
ですが、そもそも履き下ろした後はオールナチュラルコンディショナーに移行する気満々なミウラはほとんど気になりません。笑
(ロマンが詰まったミンクオイル)
レッドウィング 純正ミンクオイルの塗り方・使い方
1.靴紐を外す
まずはミンクオイルを塗りこむ準備をしていきます。
ベックマンフラットボックスは標準で蝋引き紐が採用されているので、ちょっと外すのが大変です。
力に任せて引っ張ると余計なトラブルが発生するかもしれないので、丁寧に外していきましょう。
2.ブラッシングする
次にブーツ全体にブラッシングして埃を落としていきます。
ここで役立つのがレッドウィング純正となるMADE IN USAの馬毛ブラシ。
アメリカでつくられたブーツをアメリカで作られたブラシでブラッシングする。
これ以上のロマンはありませんよね。こういうのは気持ちが大切です。笑
3.純正ミンクオイルを塗りこむ
ブーツ表面のにっくきホコリたちを払い落としたら、
ここで活躍するのが「RED WING純正ブーツケアクロス」
アメリカでつくられたブーツをアメリカで作られたクロスで塗りこむ。
これ以上のロマンはありませんよね。(二回目)
ちなみに表裏がありますので注意。やわらかい面を使うことで革に優しくオイルを塗りこめます。
ミンクオイルは塗れば塗るほど柔らかくなる特性があるので、より早く柔らかくしたいところを重点的に塗り込むと良いです。
例えば、履きシワが足にあたるのが嫌な人は、ヴァンプ部分に多く塗ると良いですし、ブーツ全体を早くクタクタにしたい方はシャフト部分にも多めに塗ると早く柔らかくなりますよ。
ミウラは靴ヒモを通して縛る羽根部分が固く感じたので、そのまわりにちょっと多めにミンクオイルを塗り込んでみました。
ブーツに履き慣れていないと普段なかなか足に当たらない場所ですから試着のときから気になってたんです。笑
ちなみにミンクオイルを塗った範囲は思った以上にわかりやすいのでご安心を。
塗り過ぎると一気にブーツがクタクタになると評判のミンクオイルですから、狙ったところ以外は何度も塗り重ね過ぎない方が良さそう。
ミンクオイルを塗る量について
ベックマンフラットボックス両足分を塗り終えた瞬間のミンクオイルがこんな感じです。
割と薄塗りにできたのではないでしょうか。こういったオイルにしろ靴クリームにしろ、最初は薄く塗るのが鉄則です。
塗り重ねるのは簡単ですが、塗ったオイルやクリームを抜き出すのはかなり難しいので。
ビフォーアフター
さて、レッドウィング純正ミンクオイルを塗ったビフォーアフターを見ていきたいと思います。
写真ですぐにわかると思いますが右足側がミンクオイルを塗った方となります。
買ったばかりの状態の左足と比べるとブラッククロンダイクレザーの黒味が濃くなり、さらにジワッとしたオイル特有のツヤが出ています。
ミンクオイルは本当に革が柔らかくなる
見た目の変化も良いですが、一番気になるのが「本当にミンクオイルで革が柔らかくなるのか?」という点だと思います。
それを検証するのにベックマンフラットボックスほど適した実験台はありません。先芯が入っていない分、押したときの影響がわかりやすいですから。
ということで、グニュっと。
先にお伝えしますが、左右で力の入れ具合は変えていません。笑
結果は画像の通り、明らか!というよりミンクオイル+ラノリンが入ってて皮革が柔らかくならない訳がない!というのが正しいでしょうか。
柔らかくなるかという点で心配な方はご安心を。
4.1時間程度待つ
ミンクオイルを塗りこんだらそのまま外に繰り出したいですが、その気持ちをグッと抑えて1時間程度置きましょう。
アッパーの銀面から床面へミンクオイルが徐々に浸透していく時間がブーツには必要なのです・・・。
(ごく稀に妖精がより良いエイジングをしてくれる魔法をかけてくれます。)
6.乾拭き&紐を取り付けて外へ繰り出す!
一晩おいたら、残った余計なオイルをブラッシングし、クロスで乾拭き。
そして靴ヒモを締め直せば準備は万端です。
さっそく外に繰り出しましょう!
あぁ…とても良い、カッコ良い…。
まさに理想の男の足元そのものです。
RED WING純正ミンクオイルの効果は抜群!
結局のところ、ミンクオイルの効果はいかほどか?
この記事をご覧の皆さんが気になるところだと思います。
ミンクオイルを多めに塗っておいたバンプ部分はこの通り、グニャリ!
ブーツに足の形状に沿ったシワが入りました。
一方で軽くしかミンクオイルを塗らなかったボディやシャフト部分はかなり固さが残っています。
完全に狙い通りの仕上がりです。やったー!
色々なシーンで活躍できるベックマンフラットボックス
ミンクオイルをしっかり入れて履き下ろしたならば、あとは好きなところに出かけるだけ。
緑が多い場所でも、土が多い場所でも、はたまたジャングルジムにも!
どんなところにも一緒に行くことができる、それが相棒というもの。
はい、最高~!レッドウィング最高~!ワークブーツ最高~!笑
雪でもびくともしなかった
ミンクオイルを塗り込んだブラッククロンダイクレザーは雪でもびくともしませんでした。
こりゃ、今年の冬はヘビロテ決定です。笑
まとめ
ということで本記事では、RED WINGの純正ミンクオイルや、純正ブラシ、純正クロスを使って、ベックマンフラットボックスの履き下ろしケアを行ってみました。
もともとオイルがたっぷり入ったレザーが売りのレッドウィングですが、やはり店頭に並ぶまでに多少なりとも乾燥してしまうもの。
ミンクオイルを使って履き下ろし前のプレケアを行うことで、履き始めの固さをかなり軽減できますし、何よりレザーにとっても良いですから、ぜひぜひお気に入りのレッドウィングを履き下ろす前はプレメンテをしてみてはいかが?
アッパー表面から水分を吸収してしまい、皮革の乾燥を進めてしまいます。
(砂場をイメージしてもらえればわかりやすいかと。)