…気絶。
アメリカな気持ちをガンガン上げてくれるRED WINGの箱。
箱を開けた瞬間に部屋に広がる鞣された革の独特な香り。
新品の本格靴を購入したときのみ許されるこの時間は毎回幸せを感じますね。笑
ということでばっちりキーアニに影響されて買っちゃいました。
レッドウィング ベックマンフラットボックス!!
前回の様子はこちら。
「レッドウィングってどうなの?実際に試着しに行ってみた。
RED WING 9060 BECKMAN FLATBOX
レッドウィングの創設者「チャールズ・ベックマン」の名前がついたこのブーツはまさにレッドウィングを代表するワークブーツの一つです。
このブーツが生まれた1900年代はまだ車などが普及しておらず、道路もアスファルトもほぼないような時代。そんな時代で一般的に履かれていたのがまさに現在ワークブーツとして親しまれている6インチブーツだったそう。
そんな歴史もあることから、現代におけるスニーカー的存在だったのか?と思うとそういう訳でもないそうで。実はおもしろいことにこのブーツはレッドウィング社では「クラシックドレスライン」と位置付けられています。
というのも現代とは異なる開拓地特有のオケージョンとして、6インチのブーツはドレスシューズ代わりに履かれていたというなかなかユニークなバックストーリーがあったみたいで、なるほど時代とともにモノの立ち位置というのは変わっていくのだなあと一人納得したミウラです。
フラットボックスは先芯が無い特別仕様
そして、このベックマン。もうタイトルでもご紹介している通り、一般的なクラシックスタイルのベックマンではありません。
大抵のワークブーツはヘビーな使用に耐えれるよう、そしてつま先を保護できるよう硬くて大きめな先芯がついているものが多いものです。
しかし、レッドウイング創業時の仕様によると当時発売していたラウンドトゥの6インチブーツは、現在革靴やブーツでは当たり前に採用されている先芯(つま先に入る固い素材)が入っていないことから、履き口からつま先まで大変柔らかく、とても歩きやすいものだったそうです。
そんな極めて歴史あるラウンドトゥのワークブーツに最新のテクノロジーを加え、現代にもう一度送り出したのがRED WING 9060 BECKMAN FLATBOXという訳です。
この仕様の愛好家も多かったらしく、一部のブーツリペアショップで先芯を抜くリペア(カスタマイズ?)メニューもあったそうな。
木型(ラスト)は8番
ベックマンフラットボックスに採用されているラスト(木型)は8番と呼ばれるタイプ。
この8番ラストはレッドウィング最初期のラストとして知られており、ワークブーツらしいゆとりある設計でDウィズながら履きやすいことで有名だそう。
創始者の想いが詰まったラストですから、レッドウィング最初の1足にこれ以上適したものはないような気がしますね。
ちなみに他にも数多くのブーツに使用されており、オリジナルのベックマンはもちろん、有名どころではあのアイリッシュセッターのプレーントゥ版なんかもあります。
アッパーはブラッククロンダイク(Black Klondike)
ベックマンフラットボックスに使われているアッパー素材は、ブラッククロンダイク(Black Klondike)と呼ばれる趣のあるレザーです。
というのも以前はアッパーの色味がブラックだろうがブラウンだろうが、ブラウンのレザーをベースに仕上げを行っていたそう。そのため履きこんでいくと徐々にブラックの中からブラウンが見えてくるいわゆる茶芯と呼ばれるレザーとなっていました。
現代のなめし技術ではブラックもブラウンも別々に製造できるため、履きこんでも上記のようなことにはなりませんが、そこをあえて昔と同じ仕上げになるようにレッドウィングが茶芯レザーを再現したのがブラッククロンダイク(Black Klondike)という訳です。
このエピソードを聞いただけでエイジングでどんな姿に変わっていくのか楽しみです。笑
グロコードソール
アウトソールは厚めのシングルレザーソールにグロコードと呼ばれるタイプのラバーソールを装着したもので、ダブルソールが多いレッドウィングではちょっと珍しいタイプ。
ヨーロッパや日本だとすべてラバーで出来たソール、たとえばダイナイトソールやリッジウェイソールが採用されていること多いですが、オールデンのブーツでも見られるようにアメリカ靴はこのハイブリッドタイプが多いような気がします。
ソール自体はそこまで凹凸もなく、タウンユースにもちょっとしたアウトドアでも活躍できそうなパターンとなっており、見た目通り柔らかいソールの反りが特徴だそう。
ヒールパーツも積み上げではなく、1パーツで作られているのでかなりヘビーに使えること間違いなしです。
蝋引き平紐
靴紐にはレッドウィングオリジナルの蝋引き平紐が使われています。
ブラッククローンダイクレザーの雰囲気にぴったり合う濃茶色。平紐タイプですがしっかりとロウが入っているため一度靴ヒモを縛れば緩むことはほぼありません。
塗装した金属ハトメ付き
金属ハトメは塗装されたタイプ。
また鳩目周りのステッチもあえて黒ではなく茶系が採用されているのもニクイ。
雨や小石の侵入を防ぐ袋ベロ
シュータン(ベロ)は、カントリーシューズでもよく見られる意匠の「袋ベロ」に近い構造となっています。
通常、スニーカーや一般的な革靴は靴ヒモを通す羽根部分と甲を抑えるシュータン部分は分離しているのですが、この袋ベロ仕様の靴はわかりやすくいうと靴下に足を入れ、靴ヒモで締めあげるような構造になっています。
このため、よほどのことが無い限り履いている最中に雨や小石などが靴の中に入ってくることはありません。
インソールはレザー製
ブーツ内のインソールはレザー製です。
このベックマンフラットボックスは靴の製法でいうと「グッドイヤーウェルト方式」で作られています。この製造方式の最大の特徴はインソール下にある練りコルクが徐々に沈み、オーナーの足型にフィットしていくことです。
本格的な作りの革靴でもっとも多く採用されている方式でもあります。
割とA〇Cマートさんなどは買った直後からの足馴染みの良さから別売りのインソールを勧めるようですが、個人的にはグッドイヤーウェルト方式のブーツであれば何も入れないで履いていきたいところ。
ただ一方でレッドウィングの場合は純正でかなりこだわったインソールをいくつか販売しているので、よりクッション製やサポート力がほしい人はインソールを入れるのも全然ありでしょう。
ベックマンのサイズはスニーカーから-1cm
ベックマンフラットボックスのサイズ感ですが、普段履いているスニーカーから-1.0cmとなりました。ブーツ用の厚めのソックスを使わない場合は-0.5cmでも良いかもしれません。
- ミウラの足は実寸26.5cm、エジプト型の幅広足。
- スニーカーは27.5cm or 28.0cm
- 革靴はUK8.0 or UK8.5
使用されているラスト(木型)8番はレッドウィングのなかでもっとも歴史が古いラストです。
様々な名作と呼ばれるブーツに採用されているこのラストはラウンドトゥで指先はゆったりとスペースを取りつつ、土踏まずと踵にかけてはやや小さめの仕上がりとなっており、大変歩きやすいことで有名です。
アメリカ製造ならではのラフな部分も・・・
アメリカ最高峰の本格靴となるオールデンですら大概の出来なのでアメリカ靴って世界でもっとも適当に作られているのではなかろうかと常々思っていましたが…
今回のレッドウィングで確信となりました。笑
アッパーに入った切り傷に、最初から崩壊している靴紐先のセル。
さらに押せば浮き上がる血筋。(これはちょっと厳しすぎか)
実用品なので使っていけば気にならないものですが、やはり英国靴などに比べるとその辺の品質は甘いですね。
とはいえガシガシ使うワークブーツなので気にしちゃだめが正解でしょう!
シューツリーは?
本格靴から入ったミウラにとってシューツリーはとっても気になるところ。
色々調べてみましたが、短靴タイプはともかくミッドカット以上のワークブーツでは基本的にシューツリーは使用しない風潮があるみたいですね。
郷に入れば郷に従えという言葉がありますから、当分はシューツリーなしで楽しんでみたいと思います。(でもほしい)
まとめ
そんな訳で今回はレッドウィングのベックマンフラットボックスの購入レビューでした。
世界中で愛されるワークブーツのさらにヘリテージなモデルからブーツライフをスタートできるなんてなかなかオツじゃあないですか。これから様々なシーンで大活躍することを期待しています。
自分用のメモも兼ねてワークブーツのチェックポイントをまとめてみました。
- 多少のこすり傷は味、茶芯は出してなんぼ
- 分厚く頑丈なオイルドレザーなのでケアも少なめで良し
- シューツリーは特段不要
…と、見れば見るほどこれまでどっぷり漬かってきたドレスシューズ界とはまったく異なるルールですので、遠慮なくラフな使い方も含めて楽しんでいければなと思っています。
REDWING BECKMAN FLAT BOX…久しぶりに良い買い物ができました。(笑)
次回はミンクオイルを使ったプレケア(履き下ろし)をご紹介します。
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