ピカピカの革靴といえばコードバン。
コードバンといえばオールデンの革靴。
ほとんどの人はこんな流れでオールデンのコードバンシューズの魅力に引き込まれたかと思います。
馬の臀部の皮革から削り出して作られたコードバンをピカピカにする方法はいくつかありますが、本ブログ記事では「オールデン純正ペーストワックス」を使い、本場アメリカのとあるメソッドでコードバンの革靴を磨き上げていきたいと思います。
コードバンとは?
まずはコードバンについて。
馬の臀部にはいわゆる人間のタコのような層があり、これをコードバン層と呼んでいます。
このコードバン層が露出するように削り出し加工をしたものがコードバンと呼ばれる皮革素材です。
コードバンの特徴としては、皮膚の上皮部分にあたる銀面がなく、コラーゲン繊維がほぼむき出しであることや、グレージングと呼ばれる皮革表面を潰してなだらかにする工程であの独特な光沢感が出ることなどが挙げられます。
銀面がないことから、水滴が乗った箇所は繊維が弛み、スポットと呼ばれる跡が現れるのも特徴のひとつで、このことによりコードバンは雨に弱いとされています。
- 一般的なカーフとは全く異なる素材
- 銀面がない
- 雨に弱い
オールデンについて
コードバンを使った革靴が有名な米国産本格靴で最も有名かつ人気が高いシューメーカーです。
元々は矯正靴製作から始まったオールデン社は、コンフォータブルな履き心地が特徴。
その人気は一般的な革靴に留まらず、ブーツも同様でインディジョーンズの映画などでも登場するほどです。
オールデンの特徴としては、コードバンの他に木型の豊富さというものがあります。
木型は靴を形作る原型となる物で、見た目はもちろん履き心地にも大きく影響するものです。
そしてサイズ展開については一般的な長さに加え、横幅も選べるため、どんな人でも足にピッタリと合う革靴が見つかると言われるほど。
今では米国産のドレスシューズの代表として、世界各国のセレクトショップでも多く取り扱われています。
日本では総代理店となるラコタハウスの他、ビームスやユナイテッドアローズといったメジャーセレクトショップが販売しています。
オールデン純正ワックスについて
オールデンの純正ワックスは正式名称はペーストワックス。
驚くことにオールデン社はコードバンにこのペーストワックスのみを使うことを推奨しています。
以前似たようなことを書いたら「嘘を広めちゃいけませんぜ…」とコメントをいただきましたが、北米から購入したらそういったペーパーが同梱されてます。本当です!笑
これは要するにホーウィン社のコードバンが一般的なタイプではない「オイルドコードバン」だからのようです。
そもそもオイルドレザーのようにオイルがたっぷり入っているから、基本的にはペーストワックスだけで十分。そういうことみたいですね。
本場アメリカンメソッドでピカピカコードバンを!
ということでいよいよ本題へ。
前回同梱されていたペーパーを見ると、このペーストワックスを使って、ピカピカのツヤ感を出しつつ、雨などにも強くなる仕上げができるらしい。
さっそく(あえて)全然ケアしてないせいで曇り始めたシガーコードバンで試していきたいと思います。
アメリカンメソッド
- まず靴をブラッシングしてホコリや砂を落とす
- ペーストワックスを薄く塗る
- 30分乾かす
- 柔らかい布で磨く
- これを3回繰り返す
- 最後に水をつけて磨く
- 水や汚れにも強いピカピカコーティング仕上げ完成!
1.馬毛ブラシでコードバン表面のホコリや砂を落とす
まずは靴用の馬毛ブラシを使い、コードバン表面のホコリや砂を確実に取り除きます。
履き皺の入るバンプ部分はもちろん、土踏まずの抉れた部分は見逃しがちになるのでしっかりとブラッシングします。
泥や土汚れがある場合は濡れティッシュなどもオススメ
ちなみに、ブラシだけでは落ちきらない土などの汚れがある場合は、おしりふきや、濡れティッシュでサッと拭くのがオススメです。
アルコールなどの余計なものが入っていないタイプならまず失敗することもありませんよ。
2.ペーストワックスを薄く塗る
次にオールデンの純正ペーストワックスをコードバンの革靴全体に薄ーく塗り広げます。
ワックスを薄く塗る際、注意するべきはネル生地などに取る量です。
ネル生地などは磨く際には非常に活躍する一方で、靴クリームやポリッシュを塗るときは慣れた人でも「多く付け過ぎて」しまうことがほとんどだからです。
ペーストワックスを布でひと撫でして、できる限り伸ばしていきます。
3.30分乾かしてから5分間柔らかい布で磨き上げる
そして30分乾かします。
サフィールなどの有名シューケアブランドでも乾かす時間は5分程度なので、かなり長めな印象。
その後、柔らかい布を使って5分間ほど擦ります。
ここがもっとも驚いたポイントです。
日本での一般的な靴磨きではワックスは水を使って伸ばすことでツヤを出すというのがありますが、ここであえての水なしポリッシングとは!
4.ワックス塗布→30分乾燥→5分磨くを3回繰り返す
ここで思いもよらぬ発見が。
オールデンの純正ペーストワックスは、水なしでも結構ツヤが出るんです。
もちろん最初は引っかかるような感触が強く、「本当に大丈夫か?」と思うのですが、無心で2~3分も磨いていると、一気にツヤが出てきました。笑
1回目の磨き
すでに1回目の段階で私的には満足できるツヤとなりました。笑
2回目の磨き後
だいぶ光沢が強まりました。インスタにアップしても何ら違和感ないレベルです。
3回目の磨き後。
ここまでコードバンをピカピカ…もといツルツルにしたのは久しぶり…。
しかし、このメソッドには最後の工程が待っています。
5.最後に水を使って磨く
3回に渡る水なしポリッシングを行った後、いつも(?)のように少量の水を使って仕上げていきます。
柔らかい布に水を少し含ませて、気持ち程度のワックスを布に取って、3cm程度の小さな円を描きながら、優しく、慎重に、そして大胆にコードバン全体を磨いていきます。
うーん、これはカタログに掲載されるレベル。(自画自賛)
いやこのメソッド、かなりスゴイですねぇ。
アメリカンメソッドのビフォーアフター
アメリカ式、オールデンのコードバン磨きスペシャルメソッド。
気になるビフォーアフターを見ていきたいと思います。
まずは磨き終わった右足側。
誰がどう見てもコードバンがピカピカ!そしてツルツル!
なんという飴細工のような光沢感が私のオールデン全体を覆っています。
一方で磨く前の左足はどうか?
完全にマットタイプのコードバン。
何かが反射して映る気配は皆無です。
最後に並べて比較してみます。
こんな違うか?というくらい右足側に深い光沢感が出ていますね。
これはコードバン磨くの楽しくなっちゃうな~!
実際に雨に打たれてみた
雑誌やSNSで見かけるくらいピカピカになったコードバンが嬉しくて、色々なところへ履いていきました。
晴れの日も雨の日も…
そんな訳で雨は狙った訳ではありませんが、季節的ににわか雨に当たってしまった次第。
いやはやついに雨に当たってしまったか…と思いつつも、雨にも強いと言われるアメリカンメソッドの効果にワクワクする自分もいたり。
という訳で雨に降られたオールデンがこちらです。
まあまあウォータースポットありますね。笑
とはいえ、ブラッシングしただけでここまで戻ったのは高ポイント。
幾重にも重ねたペーストワックス層が良い仕事をしているのかなと思います。
個人的にはこれだけ目立たなければ充分ですが、気になる方は再度1,2回ペーストワックス層をつくってやると元通りになるでしょう。
ちなみにそもそもウォータースポットを付けたくない!という人はオールデン純正のレザーディフェンダーがオススメです。
新品の香りが復活?!
実は私、新品のホーウィンコードバンの香りが結構好きです。笑
あの独特な匂いは好みが分かれるとは思いますが、いわゆる鞣した革の匂いですね。
新品のコードバンオールデンなどは履き込んだり、サフィールなど別の香りが強いワックスやクリームでケアすると香りがすぐに消えていくのですが、このアメリカンメソッドだと香りが復活!
これが嬉しい人は限られるでしょうが、私的には非常に高得点です笑
アメリカンメソッドのまとめ
ということで本ブログ記事では、オールデンサンフランシスコがプッシュするコードバンの磨き方を試してみました。
個人的には水なしのポリッシュでここまでツヤが出たのか!というのが新しい発見でした。
日本のやり方とはちょっと異なるアメリカ式の靴磨き。
それなりに時間はかかりますが、天気の良い休日などにお酒片手にゆっくりとした自分時間を過ごすのも良いですよ。
- カタログに掲載されているようなコードバンのツヤツヤ感
- 新品のあの香りが復活!
- 多少の雨ならへっちゃら!
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