老舗英国靴メーカーChurch’s(チャーチ)のOEM元に迫る。
質実剛健を体現したグッドイヤーウェルト製法で製造される英国靴達。水や革の流通に恵まれたノーサンプトンに各メーカーは集中しておりその技術は日々研鑽されています。しかし、シューケア用品やシューツリーなどアクセサリーに関しては外注のところがほとんどです。
靴クリームで世界的に有名なサフィールはジョンロブやガジアーノ&ガーリング、フランスではJMウェストン。ダスコに至ってはノーサンプトンのほとんどのメーカーのシューツリーを製造しているそうです。さて、今回はチャーチのOEM元について一体どこのシューケア用品メーカーが製造しているのか迫ります。
チャーチのワックス(ポリッシュ)達
さて、チャーチ愛好家なら見慣れた?風景だと思います。純正ならでは金の容器に入ったポリッシュ達。いつもならこの蓋に少し水を垂らして磨きに磨いているのではないでしょうか。写真だと少しわかりづらいかと思いますが、左からニュートラル、タバコ、ブラウン、バーガンディ、ブラックです。
実はこの中に1つだけ、チャーチ純正のポリッシュではないモノが混ざっています。
お分かりになりますか?笑
バーガンディ以外がチャーチ純正ワックスでした。
となると残り1つは一体どこのブランドなのかというと・・・
チャーチ純正ポリッシュはDASCOが作っていた!?
英国ではシューツリーが特に有名な靴用品メーカーDASCO(ダンケルマン&サン)社のものでした。容器、とくに蓋部分を見ると全く同じ製品なのがよくわかります。シールがなければ判別はほぼ不可能と言っても過言ではありません。
もちろんチャーチ純正ポリッシュの特徴でもある香りの良さは折り紙付き。チャーチとダスコのポリッシュは同じ香りがしますのでダスコ社はシューツリー以外にもチャーチにシューケア用品を供給している可能性は非常に高いといえます。
【革靴お手入れ】チャーチのコンサルをプレメンテその2(ワックスで鏡面磨き編)
画像出典:http://www.dunkelman.com/Knightsbridge
DASCO社ことダンケルマン&サン社はシューツリー界の最高峰の一つ。ナイツブリッジを製造しているメーカーです。英国靴のためだけに成形された超軽量のライム材は味わい深いチェリーオークカラーに磨き上げられており、見た目も性能も最高峰のシューツリーです。私もいつか一足分くらいほしいなあと常日頃思っているアイテムの一つです。
チャーチ純正クリームとダスコのポリッシュを比較
次に同じバーガンディカラーとなるチャーチのシュークリームとダスコのポリッシュの色を比較してみます。
チャーチ純正アプリケータークリーム バーガンディカラーです。こちらもポリッシュ同様に蓋を確認しないと何色かはわかりません笑
チャーチ純正の靴クリームはスポンジ付きチューブタイプなので非常に使いやすいのが特徴。
Church’sチャーチのバーガンディクリームはすごい色だった。
左側がチャーチ純正シュークリーム、右側がダスコ社のポリッシュです。
写真ではわかりづらいですが、生で見ると色の傾向はかなり似ていると言えます。ダスコ社のポリッシュはろう分が多いためあまり紙自体に浸透しておらず、反対にクリームはしっかりと浸透しています。
さらに各ワックスの色味を比較
左からブラック、ブラウン、タバコ、バーガンディ、ニュートラルです。ブラウンとタバコは缶に入った状態ではあまり見分けはつきませんが塗ってみるとその色の違いは明白です。
まとめ
今回の結果から英国紳士靴の老舗「チャーチ(Church’s)」のポリッシュは同じく英国シューケア用品の老舗「ダスコ(Dasco)」ことダンケルマン&サン社から供給されている可能性が非常に高いことがわかりました。
とりあえずはラベルは違うもののチャーチ純正と同等品を手に入れることができ非常に満足です。英国靴には英国産のシューケアグッズが一番ピッタリということなんでしょうね。
とかいいながら最近サフィールノワールグッズへの欲求が日に日に強まっている私でした。
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