昨年から始まった靴戦争を制し、見事な靴パラノイアと化したミウラです。
革靴にハマるまではリーガル2足(しかも中古)をただ履きまわしていたのに、一体なぜこんなことに・・・。
後悔はまったくしていませんが、今の知識があればかなり遠回りせずに済んだのになあというのがホントのところ。
そんなわけで私が思う革靴の試着時の注意点を備忘録も兼ねて残しておこうと思います。
試着時の注意点
ということで私なりの本格靴の試着時の注意点をまとめてみました。
この注意点はおそらく通常のセオリーとはかけ離れている点もあると思うので、ご納得いった点があればぜひ活用してみてください!
実際に使うソックスを用意する
極論かもしれませんが、例えば冬に履くウールの靴下を履いて夏に素足でも履けるようなJ.M.WESTONシグネチャーローファー180を試着すると100%サイズを間違えます。
ウールの靴下は厚みがあるので、しっかりした造りのものだと余裕でレングス+1cmにはなってしまうのです。
なので例えば
- ローファーのときはローファー用ソックス
- ドレスシューズならビジネス用ソックス
- カジュアルシューズ(例えばカントリーブーツなど)ならカジュアルソックス
のように使おうと考えている靴下で試着してください。
履いていってもいいですし、私のようにカバンに入れて持っていっても良いと思います。
試着は大き目のサイズからが良いことも!?
私の経験上、本格靴のメーカーは基本的に小さいサイズから試着を進めていきます。
ゲージで測って例えばUK8なら7.5から。場合によっては7.0を持ってくる場合もあります。
これには2つの訳があって、1つ目はラストによってそもそもサイズ感が異なる場合、JMウェストンがまさにそうですが、ローファーとゴルフ、そしてその他のラストでは大幅に大きさが異なります。オールデンもラストによってサイズ感が異なることは有名ですね。
2つ目はアッパーの伸びを想定している場合です。やはり革ですから使っていくうちに”必ず伸びます。”これは事実です。購入時には内羽根が1cmくらいだったのに1年も履いたら閉じてしまうのはよく聞く話ですよね。そのためある程度伸びが期待できるアッパーを使用している場合にはやや小さめのサイズを薦める場合もあります。
しかし、この2つの理由は本当のフィッティングの邪魔をすると私は考えています。
足は伸び縮みします。
ずっと歩いていれば浮腫みますし、小さい靴に足を突っ込んでいればそれなりに縮みます。
そして大抵の靴屋さんでは小さいサイズから試着を進めていき、足が縮んだ状態のままサイズを上げて自分のサイズを探していくことになります。このせいで家に帰って履いてみると、あるいは翌日履いてみると滅茶苦茶に小さい!という事象が発生しています。
もちろんあまり足のサイズが変わらない方もいるでしょうが、私自身は経験上かなり伸び縮みするタイプなので、小さい方からフィッティングしていき失敗した回数は数知れず・・・。
先日購入したエドワードグリーン Doverも新宿伊勢丹では7.5F(幅広)、EGPでは8.0Eを薦められましたが、結局8.5Eがベストサイズでした。
(全体的にややタイト気味ジャスト、外羽根の閉じも1cm程度)
注意してほしいのが、これは靴屋さんのフィッティングが悪いという訳ではなく、自分の足の特性をしっかり把握する必要があるということです。
セオリー通りに選ぶことが必ずしも正しいフィッティングに結び付かないということです。
小さなサイズを無理やり履くことの弊害
小さなサイズの靴を履くことは色々なデメリットがあります。
まずは始めに痛み。幅広の人が細身の木型の靴をそのまま履くにはどうしても無理があります。
革の伸びには限界がありますし、そもそも伸びるまでが地獄の日々です。
そして足の病気の誘発。
できれば避けたい外反母趾
無理やり小さなサイズの靴に足を突っ込み続けたらもちろん外反母趾まっしぐらです。
Googleで”外反母趾”で検索すると見事に靴の形になってしまった足の画像を見ることができます。
これを見るとガムシャラにタイトフィッティングを求めるのはリスクがあることがわかります。
自分の足型を押さえた上で「捨て寸」を選ぶ
https://www.bloomberg.com/features/2016-berluti-bespoke-shoes/
靴好きの方なら釈迦に説法ですが、人の足には大きく分けて3つのタイプがあります。
- 親指が一番長いエジプト型。
- 親指と人差し指が平行のローマ型。
- 人差し指が一番長いギリシャ型
の3つです。
ここで私が主張したいのは、足の形によって取るべき捨て寸が異なるということ。
前提として可能な限り外反母趾を避けたい思いがあります。
そうなると靴を履いたときの親指の角度は非常に重要な指標になります。
最も長い指先から捨て寸1-2cmが良い。
…というのが一般的なセオリーですが、それを守った結果、親指がガッチリ内側に向いてしまっていたらそれは本当に足のためになるフィッティングなのでしょうか?
フィッティングで有名なAnatomicaでは親指が靴の中で真っすぐになることを非常に重要視しているそうです。外反母趾になるようなサイズは売らない!くらいの推奨具合だそう。
そんなこともあって、
私はなるべく親指が真っすぐな状態になりながら、足全体にフィットするサイズを選ぶようにしています。
そのため26.5cm EEEの幅広ながらもラストによっては、標準幅で27cm換算の靴を結果的に選んでいることもよくあります。
だけど、試着のセオリーは忘れない。
色々と自分なりの試着に対する考えをツラツラと書いていきましたが、とはいうもののセオリーは非常に大事な指標になります。
甲のフィット感
アッパーが甲と親指の付け根に圧迫感なく触れる程度がベター。
ここに隙間があり過ぎたり、圧迫感を感じる程度だと履き皺が足を攻撃してくることも(笑)
いわゆる足が靴に噛まれるというやつですね。
足首周りのフィット感
靴ひもを無理のない範囲でしっかりと結んだ際に足首に隙間が出来ていないこと。
隙間が出来ているならそのサイズと自分の足首は残念ながら合わない靴ということです。
逆に紐を結ぶ前に”く”の字に開いたのであれば、やや小さめということです。(大抵は横幅が小さいはずです)
小指の当たり方
革靴を選ぶ際に一番気になるのが小指の当たりだと思います。
小指の当たりによる痛みは意外と手強いもので、場合によっては履く気をなくしてしまうことも。
小指が痛くなる原因はボールジョイント付近の形が足に合っていないからです。
革が伸びるまで我慢できる程度なのか否か。そこが重要ですね。
個人的には我慢という言葉が出てくる状態だともうアウトだと思っています。
※少しきついかなあ程度がベター。
エジプト型の人の裏技!?
とくにエジプト型の足の人は苦労することが多いと思います。
エジプト型の人は場合によっては小指の付け根ではなく小指の第二関節にボールジョイントを合わせてしまった方が良い場合もありますので、痛みに苦しんでいる方は是非試してみてください。
親指についても要注意。一般的な捨て寸で選ぶと外反母趾まっしぐらなパターンもあります。
カカトのフィット感
最後は踵のフィット感ですが、実は私はあまり重要視していません。
グッドイヤーウェルト製法の靴の場合、ボールジョイント部の返りが付くまでカカトがついてこないのは当たり前ですし、靴とメーカーによってあまりにもヒールカップの大きさが異なるので試着時点のフィット感は指標になりづらいと考えています。
足首周りのフィット感が問題なければカカトも問題ないと私は判断しています。
欧米人の踵が大きいのは本当だった。
左がイタリア人の踵、右が日本人の踵
やさぐれスタイリスト:イタリア人と日本人の足型の比較
先日、ネットサーフィンをしていると「日本人に比べて欧米人の踵は大きい」という説を裏付ける写真をついに見つけることができたのでご紹介します。
これを見てわかるようにそもそもヨーロッパブランドの革靴はカカト(ヒールカップ)が日本人にとって大き目に作られている場合があります。
この場合、カカトのフィット感を重視して判断すると横幅(とくにボールジョイント部)が小さくなってしまうケースがあるので要注意。その靴が誰に向けて作られているのかという点も重要ですよね。
ミウラ的、本格靴の試着注意点のまとめ
ということでここまでが私の備忘録も兼ねた試着時の注意点です。
エジプト型の幅広足の私なりに研究した結果ですので、エジプト型の人にはある程度参考になると思います。逆にギリシャ型の人には一切理解いただけないポイントも多々あるかもしれませんがそこはご愛嬌ということで。(笑)
具体的なジャストフィットの見つけ方がわかる記事
私のこれまでの経験をまとめた有料記事も公開しました。
気になる方はぜひのぞいてみてください。
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