アメリカの本格革靴メーカー「オールデン(ALDEN)」に興味を持った人なら、ミリタリーラスト(379X)について耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
日本のオールデン総代理店ラコタハウスが生み出したブラッククロムエクセル×プランテーションソール×ハンドステッチのタンカーブーツ。といえばピンときますよね?(どうでしょう)
今回はそんなミリタリーラスト、別名379Xについて触れていきたいと思います。
ミリタリーラスト(379X)とは?
オールデンのミリタリーラストは、その名の通り軍隊で使われていたラスト(木型)です。
米軍で1940年(第二次世界大戦頃)のオフィサーシューズに採用されていたもので、実際に将校や一般兵が式典などで使用するドレスユニフォーム用として支給の上、履かれていたそうです。
終戦後はボーイズ用として少量生産された後、廃盤となりました。
ミリタリーラストの特徴は?
379Xことミリタリーラストの特徴は
- 薄めの甲
- 広めの指先スペース
- 少し絞られた土踏まず
- 小さめの踵
の4つが大きなポイント。
決して小さめを選ばず、靴紐をしっかりと締める事でどんな足型にもピタリと合う。
そんなラストですね。
とくに指先のスペースがかなり広めなので、最も長い指が親指でも人差し指でも選ばずにフィットするのはこの木型のもっとも素晴らしいポイントの一つだと思います。
ラコタハウスが日本限定ラストとして復活!
そして1994年。
オールデンの日本総代理店となったラコタハウス(LAKOTA HOUSE)社が、アメリカの倉庫で眠っていたこの木型を発見し、オールデンと相談の上、日本限定ラストとして展開することとなったのです。
おそらくは日本オリジナルアイテムを展開し、一気に総代理店として国内での知名度を広げたい思いもあったのかもしれません。
そして翌年となる1995年、あの超名作ブーツ「タンカーブーツ」が作られ、一躍大定番ブーツになりました。
あまりの人気にミリタリーラストは日本限定から世界展開に広がったことから、まさに大成功の試みだったと言えますね。
379Xはオールデンのマンソンラスト
軍用ブーツの歴史は非常に古く、木型という意味では1900年初期まで遡ることになります。
エドワード・ルーメン・マンソン(Edward Luman Munson)博士が、約2000人もの兵士の足型を計測し、完成させたのがマンソンラストと呼ばれる木型です。
マンソン博士は、軍靴に求められる人種によって大きく異なる足に対するフィット感へのアンサーとして、どの人種が履いても及第点となる木型(ラスト)を目指したそうです。
特徴としては下記の4つ。
- 低めの甲
- 広めの指先スペース
- 軽く絞られた土踏まず
- 小さめの踵
・・・そう、まさにオールデンのミリタリーラスト(379X)と同じ指向なんですね。
代表的なオールデンのミリタリーラスト(379X)の靴・ブーツ
ということでせっかくなので、代表的なオールデンのミリタリーラストのブーツや短靴をまとめてみました。
ひとつ発見したのはローファーは当たり前として、モンクストラップスタイルは販売されていないこと。
こういった出自を大切にする姿勢は個人的に高評価だったりします。(どこから目線かは置いておいてください笑)
プレーントゥのブルッチャー
THEサービスシューズといえば、プレーントゥのブルッチャー(外羽根)で決定です。
ミリタリーファッションに加え、チノパンやジーパンなどなんにでも合うプレーントゥ。
ブラックならば会社やカチッとしたスタイルに。
ブラウンならばあらゆるカジュアルスタイルに合ってしまいますね。
ブラックカーフ×ミリタリー×サービスシューズ再現のオールデンはこちら。
実は私自身もカジュアル用としてブラウンの379Xラストを少しだけ探していたります。
プレーントゥブーツ
よりミリタリー色を強めたい人に打ってつけなのが、379Xのプレーントゥブーツでしょう。
足首周りはしっかりとサポートしケガを防ぎつつ、指先周りは自在に踏ん張れるスペース。
行軍…とまではいきませんが、旅行や軽い登山、あるいはアウトドアカメラマンの方などにはかなり相性が良いアイテムだと思います。
タンカーブーツ
ファッションアイテムとしてのブーツ界の最高峰。
この「タンカーブーツ(TANKER BOOTS)」が足元にあれば、少しでも靴を知っている店員さんに一目置かれる事は間違いありません。
もっともミリタリーラストの履き心地に加え、生ゴムがたっぷり使用されたプランテーションソールの歩き心地にハマる人多数なのだとか。
私もいつか所有してみたいブーツ№1です!
ウィングチップブーツ
最後に紹介するのは、かなり珍しい一足です。
ミリタリーラストのブーツなんですが、コードバンを使用しており、さらにデザインはブリティッシュな雰囲気も漂うウィングチップスタイル。
トリッカーズのような、オールデンのような…。
まさに英米合作といっても良いこのスタイル、アメリカもイギリスも両方好きな方にパチンとハマる一足かもしれません。
まとめ:ミリタリーラストはカジュアル使いにピッタリな一足。
ということで本ブログ記事では、オールデンの名作ブーツ「TANKER BOOTS」にも使用されているミリタリーラスト(379X)について、取り上げてみました。
バリーラストやモディファイドラストに比べて、流通量がやや少ないのが玉に傷ですが、お探しのスタイルに巡り会ったならば、運命と感じても良いかもしれません。笑
いつかはナイスなミリタリーラストのオールデンがほしいミウラ(@miura_na_hibi)でした。
- アメリカ軍で実際に使用されるほどの実用的な機能性
- 日本から世界に羽ばたいた日本人として特別なラスト
- いつかは履いてみたいタンカーブーツ
この記事がALDENの379Xラストについて調べている方のお役に立てば幸いです。
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