ここ最近、革靴と言えば牛革のカーフ一辺倒のミウラですが、以前はオールデンのコードバンに夢中な時期がありました。
オールデンのコードバンと言えばいわゆるバーガンディとなるカラー8とブラックがメインカラーとなりますが、実はレアカラーと呼ばれるそれ以外のカラーが存在します。
生産数の少なさから、バーガンディとブラックの2色でさえ入荷が不安定なオールデンですが、レアカラーと呼ばれるものとなるとその流通量は圧倒的に少なくなり、ショップ購入以外では基本的には定価の2倍近くのプレミア価格が付くほどの人気があります。
今回はそんなレアカラーを初めて手に入れたときのお話です。
初めの一足はオールデンの990
良い革靴という意味では実はこのALDENの代表作990(バリーラスト、カラー8)がミウラの初めての一足だったりします。購入はハワイのレザーソール。
日本人スタッフの方に対応していただきブランノックデバイスにて素足で測ってもらった結果、示されたのは8.5E。
レザーソールにはDウィズしか置いていないため、まずは試着にて9.0Dを履いたのですが何となく緩い気がしたこともあり、薄手のホーズにピッタリあったこの8.5Dを選びました。
しかし、帰国後改めて足を入れるとどうにもきつい。そして仕事場でレザーソールが滑る滑る。(笑) うーん、これはちょっと・・・。
そんなこともありすぐに手放すことにしたのでした。
オールデン97896シガーロングウィング
シガーコードバンの奇跡
しかし、やっぱり良い革靴というものは一度足を通してしまったらその履き心地を忘れることはできないものです。
前回失敗したので8.5Dからサイズを上げる必要があります。8.5Eか、9.0Dのどちらかです。
良いものがないかなあ~?とネットをさまよっているとあのシガーコードバンのロングウィングチップ97896が破格の価格で販売されていました。しかもマイサイズと考えていた9.0Dじゃあありませんか!
シガーコードバンといえば前述したレアカラーの1つで、一見濃い茶に見えるのですが、光に当てると緑色が顔を出すタマムシ色のようなニュアンスが特徴的なカラーです。
一瞬悩むミウラ。足の長さ的には8.5Eなのだろうけど、オールデンは若干緩く履くような文化もあるみたいだし、ハワイで履いたときはいつも履いている靴下の厚さはなかった・・・、良し買おう!
ということで早速ポチリと購入したのでした。
まさかのALDEN SAN FRANCISCO別注品
一週間後くらいに届いたオールデン97896シガーロングウィング。
ウキウキしながら箱から出すと思った以上に良い状態でとっても嬉しかった記憶があります。
カカト部分にあしらわれているロゴを見るとあの名店オールデンサンフランシスコ別注のもののようでした。(Brendaさんという女性店長が日本でも有名ですね!)
コードバンが滅茶苦茶ぶ厚い個体
次に驚いたのはそのコードバンの分厚さです。
タン部分を確認すると明らかに990のものよりも分厚く、良質なコードバンが使われていることがすぐにわかりました。(カーフだと薄い方が高価ですが)
インソール部分もほとんど使用感がなく、なぜ前オーナーが売りに出したのか、理由が全くわかりませんでした。今でも謎のままです。(笑)
そもそもの流通量も少なく、レアカラーで一番使いやすい色味となるシガー、今ではなかなかこんなに良い状態のものと巡り会うことはできません。
ソールはレザーソール
唯一、どうしようかな?と思ったのがこのレザーソールでした。前回所持していた990では相当滑ったので、ハーフラバーでも貼ろうかなあと頭を悩ます日々。
しかしよくよく見ると360リバースウェルトで相当カジュアル感が強め。結局、このカラーは職場では使用できないと判断し、カジュアル用としたためあまり影響はありませんでした。
バリーラストのサイズ感
木型はゆとりあるバリーラスト
気になるサイズ感ですが、バリーラスト9.0Dは本当に足にぴったりとしたフィッティング。ぴったりと言ってもチャーチやJMウェストンのようにときに足に痛みが走るようなピッタリ感ではなく、アメリカらしいリラックスフィットかつピッタリなサイズでした。
しかし、当時の私は「やっぱりちょっと長いのかもしれない」などと余計な思いを巡らせていました。(笑)
リーガルとの比較
リーガルの25.5EEEのローファーとALDEN97896(バリーラスト)9.0Dを横に並べた図です。
気持ちオールデンシガーロングウィングの方が大きく、そして長めです。この状態で靴紐を占めるととても楽なんだけれども、踵が抜けにくい良いフィッティングとなっていました。
他の靴との対比表はこちらから。
シガーロングウィングを実際に履いてみた
日中の太陽の光に当てたALDNEシガーコードバン97896
陽の光にあたると驚くほど明るい茶色に変貌するシガーコードバン。こんなに美しい靴があったのか!と初めて見たときは本当に驚きました。だってさっきまで焦げ茶だったんですよこの靴。(笑)
曇ったときや室内で光を当てるともっともシガーコードバンらしいとも言われる緑がかった濃茶色を見ることもできます。
ディナー時のALDENシガーコードバン97896
ちょっとカジュアルなレストランでの1ショット。
アメリカ靴は本当にデニムとの相性が良いなあと思います。この時はあまりに美しいシガーコードバンに気を取られて下ばかり見ていた記憶があります。(笑)
まとめ
ということで今回はオールデンのシガーロングウィング97896のご紹介でした。
一般的に本格靴というのは手入れしながら長い間足元を支えてもらうのが前提のものですが、オールデンのレアカラーは旅人のように人から人へ渡り継がれる面もあるのがおもしろいところです。
本格靴でありながらコレクター心をくすぐるアイテムのため、サイズの問題だったり、状態の問題だったり、はたまたシューズラックの広さなど色々な問題で手放されがちな不思議なブランドなんですね。
この貴重な靴はすでにもう手元にありませんが、今はどんな人の足元にあるのかな?そんなことがちょっと気になった初夏の夜でした。
次回はラベロカラーをご紹介予定です。
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