本格靴と言えば革底。
ドレスシューズと言えばレザーソール。
まだ合成底のリーガルしか知らない若き日にこのレザーソールにどれだけ憧れたことでしょう。
そして月日は流れようやく手にした憧れのレザーソール。その履き心地に酔いしれ外に出るのが楽しくなり、仕事に行くのが楽しくなり、、、
しかしある日突然気が付きます。
「この靴、絶対雨の日に履けねっす・・・。」と。
と、いうことで今回は雨の日に履いてしまった革底ことレザーソールのケアを行っていきます!
雨に濡れた革底
J.M.Weston 180 Signature Loafer。
フランスの有名シューブランドJ.M.Westonのローファーです。靴底素材はもちろんレザーソール。実はJ.M.Westonのレザーソールはもっとも品質の高い革底の1つとしても有名です。
世界で唯一自社で革底用のタンナー「タナリーバスタン」を持っており、そこでは何と1806年から植物タンニン鞣しと呼ばれる非常に伝統的な手法で靴底用のレザーを製造し続けているのです。
万力締めとも呼ばれるオーナーと共に成長していくこの履き心地にスッカリ心奪われ中の私は毎週末、必ずこいつと共に過ごしていました。
しかし、先日のこと。晴れの予報だと思って油断していたら突然の雨!
アッパーは何とかなったものの、ソールはどうにもならずガッチリ雨を踏み締めてしまいました。
砂汚れがソールに沈着して薄汚れています。
ヒール部分はより最悪な状態に。雨で柔らかくなった革底ヒールに小石がめり込んでもはやクレーターのようです。
1.タワシで革底の汚れを落とす。
ということでまず用意したのがこちらの道具。
タワシと激落ちくんです。
タワシは一般的な天然素材系なら何でも良いです。今回使ったのはココヤシの殻で作られたコイヤファイバーのブラシです。ちなみにダイソーで売ってます。(笑)
まずはソールについた砂や泥汚れをタワシでガンガン擦って落としていきます。
レザーシートの上でやってますが、新聞紙等の捨てれる紙の上でやることをお勧めします。
小石が詰まりまくったヒールもガンガン擦って小石を取り除いていきます。
あまりに大きいのは千枚通しなどで対応します。
タワシブラッシング後
これだけでもかなり状態は良くなりましたが、まだまだ黒い汚れが取れ切れていませんね。
しかもソール面は中々粗削りな状態になっています。
タピール シュムッツブラシもオススメです!
100均のタワシで十分!と思っていたのですが、さすがシューケア業界。
とっても使いやすいソールの汚れ落とし専用ブラシがありました。
タワシで使われているココヤシファイバーの毛先をあえて長くすることでソールの溝などに詰まった汚れをタワシ以上に簡単に落とせるナイスなブラシです。道具にこだわる方は是非!(笑)
2.激落ちくんでさらに靴底の汚れを落とす。
次は激落ちくん(メラミンスポンジ)を使ってソール面を滑らかにしつつ、表面に着いた泥などの汚れを落としていきます。
このようにメラミンスポンジのカスが出てきたら汚れが落ち始めている証拠です。
もちろんヒール側もしっかり激落ちくんで擦ります。
カスはティッシュペーパーで軽くこすると全部取れますよ!
激落ちくん直後
激落ちくんから30分後
だいぶ汚れが取れました!
まだ真ん中が乾ききってませんが、次の工程で液体を浸み込ませていくためこの段階ではなるべく乾かしたほうが良いです。
3.ソールトニックを塗る。
革底の汚れが取れたら荒れた底面にソールトニックを塗り込んでいきます。
シューケア会社各社から色々なタイプの靴底ケア用品が出ていますのでお手持ちので全く問題ありません。私自身は先端にスポンジが搭載されていて一番塗りやすいドイツの老舗コロニル社のソールトニックを愛用しています!
主成分はフッ化炭素樹脂と油脂だそうです。
綺麗にした革底にソールトニックをガンガン浸み込ませていきます。
パッと雨に濡れた直後のようですね。(笑)
ソールトニックはすぐに乾くので全く問題ありません。
そして、生乾きの内にやらなければならない最後のステップが残っています。
4.アビーレザースティックでソールを引き締める。
最後は水牛の角で作られたシューケア用品アビーレザースティックを使っていきます。
レザースティックと柔らかい布を用意しましょう。
※固くて表面が滑らかなもの(例えば瓶の底など)であれば何でもOKです!
柔らかい布でレザースティックを包んだら後は死ぬ気で擦り続けるだけです。(笑)
徐々にソール面が締まってくるのがわかります。
小石などを全て取り除いているのならレザースティック直接もアリです。
レザースティックに多少の傷は入りますが、道具として機能は全く損なわれないので大丈夫ですよ!研磨すれば元にも戻せますし。(少々大変だとは思いますが)
完成!
光沢が輝く革底が完成!
レザーソールに光沢が生まれてしまいました。
ソールトニックを固いもので押し込みながら乾燥させることで新品時に限りなく近いくらい革の目を締めることができるんです。
フッ化炭素樹脂により防水性を、油脂により柔軟性を革底に与えました。
始めは砂だか革だかわからなくなっていたレザーソール。
Before Afterもこの通り。
かなり綺麗になったのがわかると思います。
雨の日のソールケアまとめ
- レザーソールは雨の日に履いた日こそしっかりお手入れをしよう!
- しかし、日ごろからソールトニックを使うことで雨の日にも強い革底を育成することもできる!
- 革底とどれだけ長く過ごせるかはシューケア次第!
ラバーソールの靴ばかりを集めていたので久しぶりのレザーソールケアでした。
やっぱり本格靴と言えばレザーソール。そんな気持ちを思い出すいい機会でしたね。
あー、新しいレザーソールの靴ほしーー!!(笑)
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