アンティーク仕上げと言えば革靴好きなら一度は憧れる上級テクニックだと思います。
アンティーク仕上げとはつま先の先端が濃い色となっており、身体側に向かうにつれてアッパーと同じ色合いに変わるグラデーション加工のことです。
一見、靴職人にしか出来ないような技術と感じてしまいますが、意外と何とかなるものなのでちょっと磨きに自信が付いた革靴好きが挑戦する技術の一つではないでしょうか。
このように少ないながらも既製品でもアンティーク仕上げがされた本格靴がありますが、やはりアンティーク仕上げと言えば専ら靴好きの楽しみ方の1つといった側面が強いと思います。
例に漏れず私も先日、友人Zと挑戦しましたがなかなか上手くいかず、ぎりぎりセーフの結果に終わりました。
アンティーク仕上げの最新メソッド
ということで今回は友人Zから新しいアンティーク仕上げメソッドを思いついた!ということでご紹介したいと思います。(まさかのシリーズ化)
前回、最終的に至ったアンティーク仕上げの手順は下記。
今回は下記手順でアンティーク仕上げに挑戦しました。
一体どうなることやら・・・!?(笑)
前回同様にミディアムブラウンのジャランスリワヤを使ってアンティーク仕上げに挑戦します。
1.つま先のハイシャインを取り除きます。
モゥブレィ ステインリムーバーを使用。
モゥブレィのステインリムーバーを使ってつま先のハイシャインを取り除きます。
強くこすり過ぎるとアッパー自体の色が落ちてしまうので多めに付けて軽くふき取る形で使います。
2.つま先に靴クリームを塗りこむ。
サフィールノワール クレム1925を使って下地を作ります。
つま先がすっぴんになったら次はグラデーションをかけるためにアッパーとは異なる色のクリームを使います。
今回はシューケアアイテムの最高級ブランド、サフィールノワールのクレム1925ブラックを使いました。(油性クリームです)
クレム1925を指に取り、職人さながらにつま先に塗りこんでいきます。
油性クリームなので、多少ミスをしてもステインリムーバーなどで取り除くことができますよ。
グラデーションの下地が出来ました。
次のステップでこの下地から綺麗なグラデーションを作っていきます。
3.靴クリームの境目を馴染ませる
豚毛ブラシでクリームを伸ばす
豚毛のアプライブラシで境目を強めに擦り伸ばしていきます。
大雑把に形が出来たらブラシを変えます。
馬毛ブラシで境目を伸ばす
馬毛ブラシでさらに境目を伸ばしていきます。
この段階でも結構綺麗なグラデーションになってきています。
ネル生地で仕上げる
最後は布でクリームを擦りとってグラデーションを整えます。
ここで擦り過ぎるとせっかくのグラデーションが崩れてしまうので注意!
グラデーションが完成
グラデーションが出来上がりました。
なかなか良い仕上りになっていますね。
ただ・・・。
(左足のつま先だけ色がどうしても入りませんでした。)
4.色付きワックスでコーティング。
サフィールノワール ビーズワックスポリッシュを使用。
今回も使用するのはサフィールノワールのビーズワックスポリッシュ。
使うカラーはアッパーの色より濃いダークブラウンです。
すでにグラデーションはかかっているので、あまり塗り過ぎないように気を付けます。
ワックスの油分によりちょっと下地の色が抜けてしまっていますね。
下地の色が抜けてしまった部分は同じくサフィールノワールのビーズワックスポリッシュ(黒)を使ってカバーします。
最後はミラーグロスのニュートラルで仕上げます。
完成!
結構渋いスタイルに仕上がりました。
ブラックのトゥからアッパーのミディアムブラウンまできれいなグラデーションがかかっています。
本人曰くポリッシングの技術が向上しているため、キャップトゥの面も非常に綺麗です。
スゴイ!(私も頑張らねば)
購入直後にはなかったとっても綺麗なグラデーションに飾られて靴が1段レベルアップしたような気がします。
購入直後と比べてもその美しさは明らか!
・・・私自身もそろそろアンティーク加工に挑戦してみたくなってきました(笑)
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