サフィールノワールのクレム1925といえば、靴磨き職人絶賛の素晴らしい靴クリームとして有名ですが、いくつか手を出しづらいニッチなカラーも用意されています。
今回はそんなニッチカラーのひとつとなるSaphir Noir Creme1925のエルメスレッドを使ったシューケアを行っていきたいと思います。
Saphir NoirとCreme1925について
まずはサフィールノワール(Saphir Noir)はXXXX年に創業したフランスのレザーケア用品のブランドです。
創業時から皮革の良いレザーケアアイテムで評判を得ていた同社が一躍有名となったのが1925年にフランスで開催されたパリ万博。
このパリ万博で金賞を受賞したレシピを元にしてつくられたのが何を隠そうこのCreme1925シリーズです。
たった一つで光沢、栄養、補色に保湿・保革効果と革靴に必要なすべての効果を与えるこのスーパークリームは、ビーズワックスに加えて6種類のワックス成分を配合し、さらに受賞レシピにシアバターを加えた超リッチな配合でつくられています。
同社の社長いわく食べれるほどの自然原料を惜しみなく使ったこの最高級靴クリームは、今日では靴クリームを代表するアイコンとして君臨しているといっても過言ではありません。
もちろんその実力は折り紙つきで、超ナチュラルな原材料は皮革にとっても優しく、シアバターによるクリームの伸びも素晴らしいの一言。
さらに珍しい油性クリームは天然の防水性も期待できる上、なによりひとたび磨けばギラリと光るその光沢力は他の追従を寄せ付けません。
PARABOOT William / リスレザー
今回このクレム1925のエルメスレッドでシューケアをするのはこちらのパラブーツウィリアム ボルドーカラーのリスレザーです。
ボルドーカラーはメンズEX別注で生産された特別カラーだったのですが、現在はほとんど同じ色味がワインとして発売されています。
リスレザーの色落ち
パラブーツのアイコン的な皮革素材であるリスレザー。油分が多く含まれたスムースレザーで非常に柔らかく雨雪が染みこみづらい特徴があります。
元々アウトドアシューズを得意としていたパラブーツですから悪天候のときの革靴として愛用している方も多いですよね。
一方で少々色落ちがしやすいレザーという点も有名で、リスレザーのシューズは補色ケアとは切っても切れない関係を築くことになります。
エルメスレッドのCreme1925で靴磨き
悪天候のなかヘビーに使いまくってしまった結果、油分が抜けてしまったリスレザーには油性クリームがもちろんぴったり。本来の油分たっぷりだった状態に簡単に戻すことができます。それに最高級の自然派靴クリームですから安心して使えるのも嬉しいポイント。
ちなみにエルメスレッドの「エルメス」はまさにあのレザーバッグで有名なメーカーの「エルメス(Hermes)」ことらしく、どうやらSaphir Noirを製造しているAvel社がエルメスのレザーケア製品も製造していることが関連しているそう。
1.汚れ落とし(サフィールノワール レザーバームローション)
まずは外でついた汚れを同じサフィールノワールブランドのレザーバームローションで取り除いていきます。
レザーバームローションはこれまた天然のミンクオイルが含まれていることから、汚れを落としながらリッチな保革もできる優れもの。
ローションの伸びもとても良いことから、私は季節の変わり目にコバとアッパーの隙間にこのレザーバームローションを塗りこんだりもしています。
ひとつあると色々と使える大変便利なレザーケアアイテム(靴以外にも使える)ですから、お持ちでない方にはオススメしたい一本です。
2.エルメスレッドを塗りこむ
リスレザーについた汚れを落としきったら、次はいよいよサフィールノワールの登場です。
クレム1925を軽く指にとってアッパーの上で伸ばしていきます。
指で取った瞬間はクリーム感が強いのですが、シアバターのおかげが塗りこみ始めるとすぐに体温で溶け始めるので本当に塗りやすいです。
ドバッと多量で塗るのではなく、薄めを心がけながら塗りこんでいくのがコツ。全体がマットな質感になったら靴クリームを塗るのはストップ。
3.靴クリームの浸透を5分間待つ
シューケア用品全体にいえるのですが、どんな靴クリームも栄養成分が皮革内部のコラーゲン繊維に浸透するまで時間をおくような使用手順となっているのはご存知でしょうか?
私も数年前までは塗ったらすぐに吸収されるでしょう~!と思っていたのですが、磨いた後の持続力は明らかに時間を置いたほうが良いことに気が付き、いまでは必ず浸透時間を守るようにしています。しかもちょっと長めに。笑
私のような待つことを知らないせっかちタイプな人は一度待ってみると今までとは各レザーケアアイテムの評価が変わるかもしれません。
4.ブラッシング、バフィング
クレム1925が革靴に浸透しきったら(およそ5分)あとはブラッシング、バフィングすれば完成です。
ブラッシングでは付きすぎた靴クリームを取り除き、伸ばします。
そしてバフィングすることでクリーム内のロウ分を均一にアッパーの毛穴に押し込みながら凹凸を埋め込んでいくことで光沢感を出していきます。
エルメスレッドとバーガンディの違い
さて、ボルドー、ワイン、バーガンディ、マロンといった赤みの強いレザーシューズをお持ちの方はクレム1925のカラーバリエーションで少し頭を抱える方も多いと思います。
それがエルメスレッドの他にあるバーガンディとマホガニーの存在です。
マホガニーはかなり赤みの強い茶色といったところなので除外しやすいのですが、バーガンディとエルメスレッドはそうもいきませんよね。
ということで画用紙に両方のクリームを塗った比較画像をご紹介します。
バーガンディは紫がつよく、エルメスレッドはピンクが強いのが確認できると思います。
やっぱりすごいクレム1925
リッチなシューケアを終えたパラブーツウィリアム。
リスレザー特有の色褪せや色抜けが気になっていた部分はしっかりと色が入りましたし、やや乾燥を感じていたベルトなどの部分もしっとり感がかなり強くなりました。
さすがはパリ万博で金賞を取ったレシピ!それに人間にも使われるシアバターが配合されているのだからその実力は折り紙付きなことを証明しました。靴全体の強い光沢感も嬉しいところ。
Saphir noir Creme1925 Hermes Redのまとめ
サフィールノワールのクレム1925エルメスレッドは赤みとピンクが強い革靴にピッタリな最高級靴クリーム。
天然素材が惜しみなく使われたナチュラルな油性の靴クリームは革靴に光沢や防水性を与えるのはもちろん、保油、保湿に保革といたれりつくせりです。
赤みの強い革靴やレザーグッズを持っている方は持っていて損をしないケアアイテムだと思います。
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