デリケートクリームとアニリンカーフクリームの違いと比較

シューケアアイテムを眺めていると一度は疑問に思うアイテムがあると思うのですが、いかがでしょうか。

アニリンカーフクリーム・・・どうでしょう?(笑)

私は自分でシューケア、そして靴磨きを始めたときにこのアニリンカーフクリームとデリケートクリームの何が違うの全然わかりませんでした。

両方とも無色のデリケートな皮革素材用のクリーム。

ついにその謎を解く時がきたのです。

デリケートクリームとは

デリケートクリームは限りなく皮革への影響を抑えながら最低限の補油、補水が出来るクリームです。少量ながらワックス(ロウ分)が含まれているので光沢も期待できます。

M.モゥブレィのデリケートクリームなら保水効果のあるラノリンが含まれていますからさらに良い効果が見込めます。

デリケートクリームの使い方【7種類の革靴をデリクリでお手入れ】
シューケアに困ったらデリケートクリーム。 革靴を手に入れた人なら一度は聞いたことがあるこのセリフ。 実際に数ある中で一番万能なシ...

アニリンカーフクリームとは

アニリンカーフクリームは元々は質の高い皮革を生かした風合いが特徴のアニリンカーフをケアするために開発された商品です。

水性染料で仕上げられた綺麗な質感の故、油汚れがつきやすかったり色落ちがしやすかったりするアニリンカーフを優しく保護してくれるのが特徴です。

アニリンカーフクリームの塗り方と使い方【デリケートな皮革の保護に】
デリケートな皮革素材を使ったレザーアイテム保護にぴったりなクリーム。 それがM.モゥブレイのアニリンカーフクリームです...


クリームの質感の違い

前述のようにデリケートクリームとアニリンカーフクリームは同じようにデリケートな皮革を対象とした商品ではあるものの、その効果や目指す結果が異なることがわかりました。

実際のクリームの質感でもその点は如実に現れています。

デリケートクリームはぷるるんとした薄い半透明のデンプンノリのような質感。心地よい匂いで手に取るとサラサラとした感触となります。

反対にアニリンカーフクリームは塗り薬のようなクリーム状。ややクリームがかった不透明の色合いで匂いもややキツメです。

実際に使って比較してみる

私が所有している靴で一番デリケートな皮革っぽいチャーチのネバダカーフです。

薄めのカーフに手作業で施された落ち着いたムラ感がニクイヤツです。

私を靴パラノイアとなったきっかけの一足でもあります。

Church's Chetwynd(チャーチ チェットウインド) MTO完成!
とある冬の日…大きな国際便がミウラ家に届けられました。 かなりハードな長旅を感じさせる段ボール。 一体どこから・・・? ...

1.アニリンカーフクリーム

事前にタピールのレーダーオイルでロウ分(ワックス)などを全て落としておきました。

画像の通り、つややかな光沢は一切ありません。

アニリンカーフクリームを塗り込む

この左足にはアニリンカーフクリームを塗りこんでいきます。

説明文章にもあるように薄いベールを作るようなイメージで膜を意識しながら全体に塗り広げていきます。

ネル生地で拭き上げる

全体に塗り広げるとこのように光沢がさらに無くなります。

ネル生地で優しく拭き上げていくと徐々に指への引っかかりがなくなり、最終的にはサラサラと布が動くように。

仕上がり

完成!アニリンカーフクリームで仕上げたチャーチのチェットウィンド(バーガンディネバダカーフ)です。靴の側面部分を見るとまさに薄いベールのような光沢感を確認することができますね。

2.デリケートクリーム

右足はデリケートクリームです。

私は通常デリケートクリームは雨に濡れたときや雪にあたり過ぎたときの補油や、靴を履く前のプレメンテなどに使うことが多いので、デリケートクリームだけで仕上げるのは久しぶりです。

デリケートクリームを塗り込む

デリケートクリームを靴全体に塗りこんでいきます。

アニリンカーフクリームとは異なりどこに引っかかることもなく、一気に全体に塗り広がり、そして浸透したと思ったらサラサラの感触となりました。

ネル生地で拭き上げる

ネル生地で拭き上げていきます。

明らかにサラサラとした触感になるのはデリケートクリームのほうが速いです。

さて、気になる結果は?

仕上がり

こちらがデリケートクリームだけで仕上げたチャーチのチェットウィンド(バーガンディネバダカーフ)です。ロウ分(ワックス)が少な目とはいえ控えめな光沢を放っていますね。

比較画像

こちらがデリケートクリーム仕上げとアニリンカーフクリーム仕上げを並べたものです。

パッと見はどっちがどっちか本当にわかりません。(笑)

しかし実際にはアニリンカーフクリームのほうが明らかに皮革面に光沢が生まれています。

反対側からも。

アッパーに目を近づけるとアニリンカーフクリームのほうがワックスを塗りこんだトゥキャップのようにアッパーの毛穴が若干埋まっている感じがあります。

逆にデリケートクリームはそのままです。

デリケートクリームより多く含まれているであろうロウ分(ワックス)もそうですが、やはりパレードグロスプレステージなどにも含まれているシリコンの効果が出ているのでしょう。

デリケートクリームとアニリンカーフクリームの違いまとめ

デリケートクリーム仕上げの右足にも。

ということでデリケートクリームとアニリンカーフクリームは似て非なるものということが明らかになりました。

デリケートクリームは靴雑誌などでは”例えるならば化粧水”と表現されることが多いですがまさにその通りといったところ。アッパーを綺麗にし補油補水してくれますが保護はしてくれません。

デリケートな皮革を1つのシューケア用品で手入れする。という意味ではアニリンカーフクリームは圧倒的優位にありますね。痛みやすいアニリンカーフを保護するために配合されたロウ分(ワックス)とシリコンによる薄いベールは安心感も与えてくれますしね。

偶然にも春に向けたシューケアを施すことができたチェットウィンド。

来春も頼みます!

  • パッケージは似ているが2つのクリームの方向性は全く異なる
  • デリケートクリームはすべてのレザーを優しく保革
  • アニリンカーフクリームは繊細なレザーを保革+保護