革靴のつま先保護はラバーチップが最適解?【新しい選択肢】 | ミウラな日々

革靴のつま先保護はラバーチップが最適解?【新しい選択肢】

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革靴といったら革底ことレザーソール。

樫のタンニンで長い期間をかけて作られたいわゆるオークバークソールを味わえるのは革靴だけに許された特権です。

ラバーソールと違い、日々のお手入れが必要だったり、摩耗性がやや劣ったり、雨や雪道に弱かったりと色々と難点はありますが、それを凌駕する履き心地とレザーソールを履いているんだという気持ち良さがありますよね。

しかし、新品の革靴がどうしても避けることのできないが問題がひとつあります。

それは・・・

 

レザーソールのつま先だけ削れてしまう問題です。

 

レザーソールをつま先だけ削れる現象

さて、本来であればレザーソールは全体的に削れていき、ちょうど真ん中あたりが薄くなったらオールソールというものですが、その前につま先だけが勢いよく削れてしまうのがこの「つま先だけ削れる問題」なんですね。

 

発生要因

発生要因は大きく分けて2つです。

1つは捨て寸が短い革底の靴を履いている場合です。地面を蹴り出す際にちょうどつま先に体重が乗ってしまうパターン。

2つ目は革底の返りがまだ固く、やはり地面を蹴り出す際につま先に負荷がかかってしまう場合です。

捨て寸をしっかりと取っている革底の靴であれば、基本的には革底に返り(馴染み)が付き始めると自然に全体的に摩耗するようになりますが、そこは人体の不思議というもので歩き方や普段の体重の掛け方でどうしてもつま先が削れ続けてしまうケースも発生します。(私のことです)

 

つま先が削れ続けるとどうなるのか?

グッドイヤーウェルト製法でつくられた本格靴は靴底の張替えができることから、手入れをすれば10年以上もの長い年月ともに過ごすことができる靴と知られています。

しかし、それはウェルトが残っていればの話。

ウェルトとはざっくりいうとアッパー(甲革)と靴底を繋ぐ部材のことです。紐のような革資材でアッパーの周りをグルりと巻いているのがウェルトです。

この写真のソールをよく見ると真ん中に線が見えます。上部がウェルト、下部がレザーソールとなります。

ここで「つま先だけ削れる問題」が深刻な事態を引き起こすことに気が付いた方もいるでしょう。そう、この問題を放置すると革底が交換できるためのパーツまで削れてしまうのです。

 

札幌の靴修理の名店、Anon

そんな訳でせっかく長く履ける本格靴を手に入れたのですから、何とかしたい!

前回ALDENに取り付けたビンテージスチールでもつけようか、それともハーフラバーでも貼ってもらおうか…?そんな思いで地元の靴修理店Anonさんに相談すると、おもしろい提案をいただきました。

 

数週間後…

Anonさんに預けたエドワードグリーンのバークレーを回収してきました。

はてさて、どんな状態になっているのでしょう!

 

上から見ても何が変わったのかわかりません。

 

前から見ると…。うーん、これでも何もしていないように見えますね?

 

横から見ると…、ちょっと全貌が見えてきました。

 

ということで地味な茶番は置いといて…笑

今回はつま先保護にラバーチップを貼ってもらいました!

つま先のラバーは安く、貼り換えが容易で、しかもビンテージスチールより滑りづらいという特徴があるそうな。つま先にネジ止めするのが何となく気になる私にとっては素晴らしい提案をいただいたなと。

 

実際に歩いてみた

さっそくトゥにラバーチップをつけた「レザーソールのつま先だけ削れてしまう問題」が発生している革靴で外をお散歩してみます。結果は果たして?

 

おお~!思った以上に全然削れてない!

歩き出しのときに滑ることもないですし、何よりハーフラバーと違って歩行時の感覚がレザーソールのままってのがかなり気に入りました。

 

ビンテージスチールと比較する

ビンテージスチール ラバーチップ
銀、金 黒、茶
価格 4000円前後 1500円前後
耐久性 高い 普通
革底への負荷 ネジ穴分の穿孔要 つま先を薄く削ぐ
取り換え 2回程度まで 何度でも
滑りにくさ ×
歩行音 歩き方によってはカチカチ音 無音

ビンテージスチールと比較すると明確に目的の差が見えてきます。

・多少靴底に負荷をかけても1回の修理で長い期間使いたい人→ビンテージスチール

・靴底への負荷は最小限に何回か貼り直すことに抵抗がない人→ラバーチップ

といったところでしょうか。

他にも歩行時の滑りやすさは明らかに差が出てくるのでそのあたりが気になる人にはトゥラバーに軍配が上がりそう。

 

ドイツ製と日本製がある

実はこのラバーチップ、いくつか生産国があるそうです。

左の模様付きがドイツ製、右の無地が日本製です。日本製のほうが数百円程度安価です。

ドイツ製のほうが耐久性があるそうですが、せっかくなので比較できたらなと。

こちらは後日ある程度履いてから再度更新したいと思っています。

 

ラバーチップのまとめ

ということで今回は第三のつま先保護の選択肢「トゥラバー」のご紹介でした。

簡単にですが、三つの選択肢をまとめてみました。

ハーフラバー 耐久性に優れるがやや歩行感が悪くなる
ビンテージスチール 耐久性に優れるが革底へ穿孔要、滑るときがある
トゥラバー 耐久性はやや劣るが滑りづらく、もっとも安価

このようにつま先の保護といっても選択肢ごとにユニークな特徴がありますので、レザーソールのつま先だけ削れてしまう問題に困っている方はぜひともお近くの靴修理屋さんに足を運んでみてはいかがでしょうか?

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