お財布や革靴など、デリケートな皮革素材を使ったレザーアイテム保護にぴったりなクリームとは?
それこそがM.モゥブレイのアニリンカーフクリームというレザーケアアイテムです。
本ブログ記事では、レザークリーム界の万能選手「アニリンカーフクリーム」の使い方や塗り方をご紹介します。
アニリンカーフについて
そもそもアニリンカーフとはなんぞや?というところが気になる点だと思います。
ざっくり解説するとアニリンカーフは非常に高品質なカーフを水性染料で仕上げたものです。
薄い水性染料で皮革の質感を損なわない方向で仕上げているため、皮革の品質は一般的なものよりも上等なものが使われるとされています。
一般的にまったく傷の無い現皮は全体の5%ほどしかなく、それらはいわゆる素仕上げと呼ばれる染料のみで仕上げられることが多いのですが、タンナーによってはごく少量の樹脂を使って仕上げることもあるそうで、これこそがアニリン仕上げと呼ばれています。
あまり革靴には使われない繊細なレザー仕上げ
アニリンカーフの多くは革財布で見かけることができます。
もちろん本格靴にも使用されていますが、実際のところあまり見かけることは少ないと思います。
なぜならアニリンカーフにはその美しさと引き換えに色落ちがしやすく、水性染料で仕上げられているからか油シミも付きやすいという弱点があるためです。
また、前述のように仕上げによる塗装膜がほとんどないことから、他の革靴用レザーに比べ傷などにあまり強くないという特徴も要因のひとつでしょう。
アニリンカーフクリームの成分と効果
そんなデリケートなレザーの名前がついたM.モゥブレィのアニリンカーフクリームですが、成分としてはろう・ワックス・アルコール・香料・乳化剤・シリコン・水が使用されています。
珍しい成分はシリコンですね。一方で製品説明文を確認するとロウ分は一般的なクリームより抑えめとのこと。
高品質なアニリンカーフが持つ風合いを生かすためにつや出し効果とそれによる保護効果を担うろう分を抑えめにしてシリコンで保護をしているのでしょう。
また油分関係の記載がないのも特徴の1つです。公式サイトを確認すると含まれていない訳ではないようですが相当抑えらている様子。
アニリンカーフや靴以外に使用されるカーフは非常に薄く、油分が多いレザーケアアイテムだと油シミになることがあるそうです。
アニリンカーフクリームを実際に使ってみる。
化粧箱から出したアニリンカーフクリーム。
同じM.モゥブレイから発売されているデリケートクリームと同じ容器が使用されています。
(レザーケア初心者は使い分けに困っちゃうこと多いんですよね・・・)
中のクリームはボディクリームのようなタイプです。
ぷるるんとした触り心地ではなく、塗り薬などに多い柔らかさが特徴。
指の取るとこんな感じです。
ただ1つ気になるのが・・・匂い。
結構強めの匂いがします。笑
心地よい香りがするクレムやタピールとは違った自然派素材の香りではありません。
匂いに敏感な人はちょっと注意ですね。
1.アニリンカーフクリームを指で塗りこむ
私が所有しているなかで一番長い歴史を持つREGALのプレーントゥCR05です。
事前にタピールのレーダーオイルで表面のろう分を取り除いておきました。
一目でわかるくらいのムラ染め加工で、リーガルの店員にもデリケートな皮革なのでデリケートクリームなどでケアしてくださいねと釘を刺されたのも良い思い出です。
光沢が一切なくなったこのデリケートなムラ染めのシューズはアニリンカーフクリームによってどう生まれ変わるのか?
指で塗りこんで全体に伸ばしていきます。革全体に薄いベールが出来るように塗るのコツだそう。
2.少しだけ待ちます。
シューケアの原則は焦り過ぎないこと。
せっかく塗ったクリームが皮革に吸収されないまま取り除いてもあまり効果は期待できないですしね。今回は5分程度置きました。
3.ポリッシングミトンで磨き上げる。
当ブログではおなじみのポリッシングレザーグローブです。
ペダック社が販売しているものでムートン部分ちょうど良い柔らかさと硬さが私の好みなんです。黒、茶、紫用に3枚持っています。
ペダックのレザーグローブで力を入れずにサラサラと撫でていきます。
通常のシューケアでは力強くブラッシングする工程が入るのですが、アニリンカーフクリームの説明ではクリーム塗布後、柔らかい布などで力を入れず磨き上げることが推奨されています。
もちろん柔らかい布でもOK!
ポリッシンググローブが無い方はもちろん柔らかい布でOKです。
力を入れさえしなければ同じようなものですし。(笑)
アニリンカーフクリームの仕上がりと使用前後を比較
さて、アニリンカーフに代表されるデリケートな皮革のために作られたアニリンカーフクリーム、その実力はいかほどのものでしょうか?
Before(アニリンカーフクリーム使用前)
こちらがアニリンカーフクリームを使う前の状態。
光りで多少綺麗に見えますが、光りが当たっていないところのマットな感じも確認できます。
After(アニリンカーフクリーム使用後)
そしてこちらがアニリンカーフクリームで磨いた靴。
全体的に薄いベールに包まれたような仕上がりになりました。
油性クリームを使ったときのようなギラギラした輝きはありませんが、あくまで控えめなしっとりとした仕上がりが上品です。
ろう分とシリコンにより膜が張られた状態なので多少の油シミなどなら耐えられそうな雰囲気もあります。
シミにならない唯一の靴クリームかも?
先日、油性クリームを明るめの色の革靴に使ったところシミが出来てしまいました。
ゴムのりでなんとか除去できたものの、ワックスですらシミになってしまう有様。
そんなときにこのアニリンカーフクリームを使ったところ一切シミになりませんでした。革靴のシミに悩んでいる人、あるいはどうしてもシミを付けたくない人には必須アイテムといっても過言ではなさそうです。
アニリンカーフクリームのまとめ
今回はデリケートクリームで有名なモゥブレイが販売しているアニリンカーフクリームを使ってみました。
接写すると皮革の風合いを生かしつつもしっかりと膜が1枚張っているのが確認できますね。
アニリンカーフを使ったレザーアイテムや、ムラ染め加工の靴、ちょっと良い革財布を持っている方は1つは持っていても良いかもしれませんね。
私もアニリンカーフクリームを妻の財布やバッグのケアにも使っていたりとなかなかオススメですよ!
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- 保革+保護機能が嬉しい!
- 控えめかつ、しっとりしたツヤが出ます。
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