デリクリと呼ばれるデリケートクリームは革靴を愛用する人にとっては必須アイテムの1つです。雨に打たれた後や、ちょっと小指がキツイとき、あるいは新しい革靴を履き下ろすときなどなど、あらゆる場面で活躍するのドレスシューズ用のデリケートクリームです。
このデリケートクリーム、ベストセラーはM.モゥブレィブランドのもので、おそらくそのシェアは圧倒的だと思われます。
一方で大抵のシューケアブランドには品質をさらに高めたり、自然な成分を贅沢に使用した上級ラインがあるのですが、もちろんデリケートクリームについても各社から上級ラインが発売されています。
そしてシューケアブランドの上級ラインと言えば、プロの靴磨き職人の方たちもこぞって愛用するブランドがあります。それがサフィールノワール(Saphir Noir)と呼ばれるフランスのアベル社が世界に誇る最上級ラインです。
Saphir Noir スペシャルナッパデリケートクリーム
サフィールノワール(Saphir Noir)について
サフィールが1925年に行われたパリ万博で金賞を受賞したことから始まったラインで、一切の石油系の成分を使用しない植物性および動物性成分で作られているレザーケアブランドです。日本以外ではSaphir Médailled’Or(金メダル)というブランド名で展開されています。
とくに有名なのCream1925という靴クリームでこれはあらゆる面(色展開、使いやすさ、光沢、そして価格)で世界最高峰のクリームとして有名で、ミウラ自身もいくつものクレム1925を愛用しています。
スペシャルナッパデリケートクリームとは
そんなサフィールノワールが販売しているスペシャルナッパデリケートクリームは非常に繊細なアニリンカーフや柔らかいシープスキンなどのデリケートかつ柔らかいレザー向けに作られた靴クリームです。
スペシャルナッパデリケートクリームの成分
成分に注目してみると、いわゆる一般的なデリケートクリームとはちょっと異なることがわかります。
- ホホバオイル
- 小麦プロテイン
- ミンクオイル
以上の3つが主成分となっており、大量の水分と少しのロウ分で構成されている一般的なデリケートクリームとは大きく異なります。
そういったことから万能薬といったデリケートクリームではなく、まさにデリケートなレザー向けに作られたクリームなんですね。
スペシャルナッパデリケートクリームの使い方
サフィールノワールのスペシャルナッパデリケートクリームは非常に簡単なステップで使用することができます。
布にクリームを取ってデリケートレザー製品に塗りこみ3分待ち、そして磨くだけ。これで終了です。
スペシャルナッパデリケートクリームの使用手順
早速このスペシャルナッパデリケートクリームを使ってみます。
今回使うのはチャーチのチェットウインドです。本国イギリスにMTOした思い出の逸品。
アッパーに使われているのは今は廃盤となってしまったバーガンディのネバダカーフと呼ばれる柔らかいややムラ感のあるレザーです。
まさにスペシャルナッパデリケートクリームにピッタリな一足です。
1.ブラッシングでホコリやゴミを落とす
まずはシューケアの基本となるブラッシングです。
靴についたホコリや小石などを馬毛ブラシで取り除きます。
2.クリームを塗りこむ
ブラッシングが終わったら靴クリームを革靴に塗りこんでいきます。
スペシャルナッパデリケートクリームは香りがかなり特徴的で、カカオのような甘い匂いが漂いいます。クリームのテクスチャーとしてはデリケートクリームよりはやや固め程度です。
指で塗りこんでいきます。撮影用に見えやすくしたため一度に取るクリームの量が多いです。本来はもっともっと薄く塗り込みます。
靴の皺が入る部分には重点的に塗り込みましょう。皺の面のケアを怠るとそこからクラックが起きかねませんから。
3.三分待つ
説明書通りに3分待ちます。見た目ではわかりずらいですがこの時間でクリームが革靴により馴染むそうですよ。
4.柔らかい布などで磨き上げる
最後は柔らかい布か、私が愛用しているポリッシンググローブなどで磨き上げます。柔らかいものなら何でもOKだと思います。
仕上がりました。革全体に薄いベールのような光沢が生まれ、乾燥気味だった箇所もしっとりした感触になっています。
ビフォーアフター
こちらがスペシャルナッパデリケートクリームを使ったビフォーアフターです。左側がアフター。何もしていない右側に比べると若干の差ですが、光沢が増し、色味も鮮やかになりました。
クレム1925とのコンボもスゴイ!?
実はサフィールノワールのスペシャルナッパデリケートクリームには公式の裏技(!?)があります。それがクレム1925とのコンボです。
お手入れ不足の革靴や淡色の革靴をケアするときにスペシャルナッパデリケートクリームを使ってからクレム1925を使うことで保護膜となったスペシャルナッパが急な油分の浸透を防ぎ、より綺麗な仕上がりになるというものです。
実際に試してみることにします。用意したのはサフィールノワールのクレム1925バーガンディです。
先ほどとは異なり薄ーく塗っていきます。(笑)
クレム1925の乾燥時間は5分。ゆっくりと待ちます。
クリームが浸透したのを見計らってブラッシングします。
出来上がりました!果たして結果は・・・!?
スペシャルナッパ×クレム1925の結果
画像左側がスペシャルナッパ×クレム1925です。
明らかに発色が良くなってますし、アッパー自体も乾燥感がほぼなくなっています。
おそらくタンカラーなどの明るい色だとクリームによって色が濃くなるところを和らげてくれるのでしょう。
両足ともスペシャルナッパ×クレム1925で仕上げたのがこちら。なんだかかなりどっしりとした良い感じの仕上がりになった気がします。
スペシャルナッパを初めに使うことでミンクオイルとホホバオイルがしっかりと皮革に浸透した結果、クレム1925の持つ効果との相乗効果により靴のコンディションを整えるのにとても効果的だそうなので、実際に革靴の状態もとても良くなっているのだと思います。
スペシャルナッパデリケートクリームのまとめ
今回はアベル社の最高級シューケアライン”サフィールノワール”のスペシャルナッパデリケートクリーム(Special Nappa Delicate Cream)のご紹介でした。
一般的なデリケートクリームとは使用用途が異なりますが、柔らかいレザーや繊細そうなレザー製品あるいは革靴を持っている方なら一瓶あっても良いと思います。ホホバオイルに小麦プロテイン、ミンクオイルが主成分ですからその栄養効果は間違いありません。
逆にそういったレザーを持っていない方は一般的なデリケートクリームで十分だとは思いますが、革靴のコンディションを整える緊急ケアグッズとしてはオススメできるアイテムですね。
- 世界最高品質のデリケートクリーム
- ミンクオイルのみならずホホバオイル、小麦プロテイン入り
- 柔らかいレザーや薄いレザー向け
世界最高級のデリケートクリームの位置付けですが、実質はデリケートレザー用のレザークリームというかなんというか…。
こういった上級者向けシューケアアイテムを使いこなすのもシューケアの醍醐味だと思う私でした。
ちなみに最近は靴内部にも使ったりしています。
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