新進気鋭の英国のシューメーカー、Gaziano Girling(ガジアーノガーリング)
今となってはすっかり英国3大最高級シューメーカーとなり、新進気鋭という言葉は似つかわしくなった気がしますね。
新作も定期的に発表されますし、つい先日もあのチャールズ皇太子に納品した木型を基につくられたクラシックラインを発表したりと、まだまだ新しい動きが止まらない勢いのあるシューメーカーです。
Gaziano & Girling Antibes Loafer (KN14)
そんなガジアーノガーリングのアイコンシューズのひとつがこのAntibes(アンティーブス)です。
いわゆる普通のサドルローファーなのですが、やはりその最大の特徴はサドル部分のツイスト。
はじめてみた時は、よくこんなアイディアを思いついたなぁと思ったものです。
サドルから伸びるスキンステッチも忘れてはいけません。靴好きであろうともなかろうとも、この足元を見たら「おっ!なにやらすごそうな靴だな」と思うこと間違いなしのデザインではないでしょうか。
今回はそんなアンティーブスのサイズ感や特徴をご紹介していきたいと思います。
とりあえず実物は写真の3倍くらいカッコいいです!
三又のスキンステッチ
エドワードグリーンのドーバーで一躍有名になったスキンステッチ。
ガジアーノガーリングのアンティーブスでは、U字部分もスキンステッチを施すことでさらに上品なイメージに。
非常に難易度の高い技術でもあるため、量産には全く向いていないんだそうな。
こんなの初めてみたぞ!ツイストサドル
Antibes(アンティーブス)最大のアイコニックなポイントはやはりこのツイストされたサドル部分でしょう。
一般的な感性しかない私にとって、このツイストは「本当に規格外」な存在でした。
それを紳士靴として一切破綻しないバランス感に仕上げたトニー・ガジアーノ。
まさしく天才だなと思います。
踵の内張りはスエード素材
ヒールカップの内張りは、踵が抜けないようにライニングレザーをあえて裏返したスエード面となっています。
この仕掛けにより、踵がローファーからすっぽ抜けるのを防止しています。
アウトソールはオークバークソールにフィドルバック
アウトソールは履くのを躊躇うほどの仕上がりとなっています。
既成靴の中でも、最も品質が高いものを厳選しているともっぱらの評判のガジアーノガーリング。
そんなGGが選び抜いたオークバークソールを立体感凄まじいフィドルバックと半カラス仕上げで仕上げています。
KN14ラストの特徴は?
Gaziano & GirlingのKN14はローファー(スリッポン)専用に作られたスクエアトゥのラストです。
KN14ラストは今回ご紹介しているアンティーブスのほか、クラシックローファースタイルのMonaco(モナコ)やタッセルローファーのCorniche(コーニッシュ)などに使われています。
甲が低めのセミロングスクエアトゥ
パッと見の特徴としては、甲が低めのセミロングスクエアトゥということが一つあります。
スリッポンタイプ用なので、甲が低い設定なのでしょう。
ガジアーノガーリングのMTOではブルッチャーなどでもKN14は選べるので、足の甲が薄い人はあえてローファー向けとなるKN14を使った革靴をオーダーしてみるのも良いかもしれません。
また、見た目としてもスキンステッチやツイストサドルにより華奢なイメージが少しあるところにマッシブなスクエアトゥが入ることによって絶妙なバランスになっていますよね。
絞られた土踏まず
・・・オールデンのモディファイドラストかな?
とにかく私はここまで土踏まずが絞られたローファーは見たことありません。
この靴が見事に足にフィットしたときの履き心地は想像を絶しますね。
アンティーブスのサイズ感は?ハーフサイズ下げるべき?
Gaziano GirlingのAntibesのサイズ感ですが、同社のサイズ感は基本的にラストごとにほとんど変わらないのが特徴の一つだそうです。
私はS45のUK8.5EXウィズ(実際はほぼFなんだとか)を愛用していたので、迷わずUK8.5Fウィズを購入しました。
先述の通り、ラストKN14はローファー専用ラストということで、甲が薄く設定されているため、そのままで間違いないと判断。
足入れをした感じは革に包まれるような感覚のパーフェクトフィット。
ですが、ちょっと移動してみると少しだけ踵が浮くんです。
おやおや?と思い確認してみると、「ローファーなので紐靴だと靴紐で押さえれる甲部分がオープンになっていること」
そして、「元々長めのノーズなので靴前方にやや隙間あり」という2点で、足が前に滑りやすい状態になっていたのでした。
ちょっとタイト気味のフィッティングが好きな私としては、なるほど…と思った同時に「ローファーってやっぱり難しいなぁ!」と改めて思いましたね。苦笑
とはいえ、ローファーをローファーらしく楽に履きたい人ならアリのサイズ感だったと思います。
ガジアーノガーリングのローファーはハーフサイズ下げるべきか?
私なりの答えとしては下記となりました。
- ローファーをローファーらしく楽に履きたい人は紐靴と同じサイズ。
- 甲が低くてタイト目から馴染ませたい人は普段のサイズからハーフサイズ下げる。
- 甲が普通以上でタイト目から馴染ませたい人は普段のウィズから一つ下げる。
かなあと思います。
なので私がもう一足買うならば、KN14の8.5Eを選ぶことになるでしょう。
S45とKN14を比較
私が愛用しているガジアーノガーリングのクラシックライン「チェンバレン(S45)」とアンティーブス(KN14)を比較してみました。
横に並べて見ると、縦の長さの違いとボールジョイント小指側のシェイプの違いのが確認できます。
また、踵から土踏まずへのラインもかなり細めに仕上がっていますね。
指先周りのボリュームもKN14のほうが小さめに感じます。
甲の立ち上がり、履き口は大きく異なる!
横から比較した図がこちらです。
やはりKN14は甲が低い!、そして履き口の高さも低めですね。
全長の差は数mmの気持ち程度かな。
ガジアーノガーリング アンティーブスのまとめ
ということで本記事ではガジアーノガーリングのアンティーブスの特徴やサイズ感などをご紹介しました。
靴好きの方ならこの流れで気が付いたかもしれませんが、この靴は残念ながら今は手元にありません…。
自分でも意外なほどしっくりきたデザインでしたし、妻からも友人からもとっても高評価だったこともあって、いつか同じ仕様で買いなおしたいなあと思う今日この頃です。笑
ほんとローファーのサイジングは難しい~!
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