チャーチの名作バーウッド サンダルウッドをレビュー。|ポリッシュドバインダーのブラウンフルブローグ | ミウラな日々

チャーチの名作バーウッド サンダルウッドをレビュー。|ポリッシュドバインダーのブラウンフルブローグ

5.0

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久しぶりに革靴を買いました。

以前から「ビスポークするなら茶色のフルブローグ」という想いがあって、それなりの頻度でSNSのナイスでイケてるフルブローグを眺めていました。

実はなかなかに茶色のフルブローグを履いている人はおらず、忘れたころに見つけては「いいね」を押す日々。

実はそこで毎回「いいね」を押しがちな靴がありました。

昔からある靴好きなら誰もが知る定番モデルであり、

靴好きでも普通の人でも一目でわかる良い靴の雰囲気であり、

そのすべての仕様が実用靴としての条件を備えている、まさにパーフェクトな一足。

いつの間にかメラメラと燃え出した購買欲に気づいたときには、時すでに遅し。

という訳で私の久しぶりのNEW INは、英国の旧良心チャーチのカジュアルフルブローグのバーウッドです。(旧って言っちゃった)

Church’s今昔物語

今は昔、Church’s(チャーチ)というブランドは、英国産ミドルクラス革靴の中では頭ひとつ飛び抜けた存在として有名でした。

他メーカーの追随を許さない多種多様なアイコンシューズの数々。

ストレートチップのコンサル、セミブローグのディプロマット、フルブローグのチェットウインドおよびバーウッド、プレーントゥダービーならシャノン、ウイングチップダービーならグラフトンと時代を越えて愛され続けた名作が揃っています。

もちろんこれらの名作たちは素晴らしい様々なアッパーレザーが使われており、シーズンによって使われるレザーも変わり、私達のようなチャーチファンを飽きさせることはありません。

さらには本当の意味で十年使える質実剛健な作り。グッドイヤーウェルト製法が採用されているのはもちろんのこと、実用靴としてガンガン使ってガンガン張り替えてくれと言わんばかりのソールのオープンチャネルへのこだわりは靴好きの常識のひとつでしょう。笑

歴史と質、そして耐久性が非常に高いレベルでまとまっているにもかかわらず、他の英国産革靴に比べ明らかに手に取りやすい価格設定により「英国の良心」とまで呼ばれていました。

身も蓋もなくまとめると、「古き良き英国靴を試したいなら、とりあえずチャーチ買っとけ」状態だったんですね。(私も良く言ってました)

某メゾンに買収後…

しかし、イタリアの某メゾンの傘下に入ってからは、英国の良心は少しずつ変容していきます。

まずはレディースラインの大幅拡充。

MADE IN ITALYのレディースライン

当初レディースラインは原則MADE IN ITALYでつくられており、メンズラインと同様のトラディショナルなデザインもありましたが、徐々にメンズラインも含めてファッショナブルな路線に舵を切っていきました。

もっとも話題に上がったのはブローグシューズのパーフォレーションにスタッズを埋め込んだMETシリーズでしょう。

メインターゲットだったレディースのみならず、メンズでもなかなかの人気を博していたのは記憶に新しいところ。

バーウッド スタッズ MET

https://factory-market.com/

チャーチの進化はデザインだけにとどまりませんでした。

価格改定の評判は・・・?

もっとも印象深いのは「価格設定」でしょう。

世界的な様々なコスト高により、英国の老舗メーカー達も価格改定を重ねていますが、

チャーチの場合は明らかにその値上げ幅が異常でした。

「歴史と品質の割に手に取りやすい本格英国靴」が「歴史と品質に比べて割高な本格英国靴」に変わってしまい、最近はちょっと迷走?とか言われており、実際に売上高にも影響しました。

ニュース – チャーチの売上高が過去最低を記録(shoegazing)

しかし、私が強く主張したいのは、「確立されたアイコンシューズはそんなことでは覆らない!!」ということ。(某憧れは止まらないに非常に似ている)

なぜバーウッドなのか?

私が以前から「一生使えるブラウンのフルブローグ」を探していたのは先ほどご紹介した通り。

ずっと私の頭の隅にいました。

茶色の内羽根式はThe 革靴感が1番強いですし(個人の感想)、何よりポリッシュドバインダーカーフであればたとえ明るい色のアッパーレザーだとしても雨などのシミを一切気にしなくて良いというかなり実用的なメリットもありますから、一生使えるブラウンフルブローグにチャーチのバーウッドを選ぶのはまさに必然ともいえます。

(どの口で一生?とか思った人は前に出てください。)

サンダルウッドカラーは生産縮小の話も。

しかし、このバーウッド、一昔前は楽天市場などで並行輸入品がお手軽に手に入れられたのですが、2023年現在だと市場から弾数が減りつつあり、潤沢な在庫からサイズを選ぶのが少々難しい状況、かつ革靴全体の値上がりもあって欲しくなるタイミングとしてはまさに最悪な状況でした。

紆余曲折どころで済まない紆余曲折があったのですが、それはまた別記事でご紹介したいと思います。

Church’s Burwood last81 Sandalwood

ということで、こちらが私の「一生使えるブラウンのフルブローグ」となるチャーチ バーウッド サンダルウッドモデルです。

Church's Sandalwood burwood

最近ではもはや珍しいマルっとしたエッグトゥから生まれるカワイさすら感じるフォルム。

パッと見から良い靴感が溢れるポリッシュドバインダー素材のサンダルウッドカラー。

デニムでもチノでも、ジャケパンにも合わせることができるフルブローグ。

実はあのドーバーと同じ仕様のハーフミッドソールでガシガシ使えちゃう。

そしてそれらを英国靴としてしっかりまとめるのは伝統的なラスト81です。

この古き良き英国靴を、改めて細かくご紹介していきたいと思います!

マルっとしたエッグトゥ

チャーチ バーウッド エッグトゥ

まずはやはりこの見た目。

マルっとした、あるいはボテッとしたと表現して良いでしょう。

このエッグトゥのフォルムはどちらかというとスマートなつま先が多い昨今では、逆に新鮮な今日この頃。

「あんまり尖った主張をする靴は好みでないんだよな」そんな人にこそザックリ刺さるポイントのひとつです。

サンダルウッドカラーのポリッシュドバインダーのすごいところ

チャーチバーウッド ブローギング

次にサンダルウッドカラーのポリッシュドバインダー。

バーウッドのアイコンカラーということもあり、バーウッド=サンダルウッドが繋がっている人も少なくないと思います。(シャノンやグラフトンのサンダルウッドカラーも人気です)

まず発色がめちゃくちゃ綺麗。

独り言でウィスキーコードバンですか?と言っちゃうくらいです。笑

当然光りの当たり方によって色合いは変わります。

室内では割と落ち着いたミディアムブラウン、太陽光の元では夏にぴったりなタンカラー。

とくに室内や曇りのときに見せる表情は本当に驚きます。

ライトカラーなのにシミになりづらい

個人的に激推ししたいのが、この点です。

一般的なライトブラウンカラーの革靴は、その見た目と引き換えにカーフであろうが、コードバンであろうがシミに弱いという最大の弱点があります。

しかし、ポリッシュドバインダーはチャーチが扱うアッパーレザー素材のなかでもっとも樹脂加工が厚いタイプ。(裏取ってます)

雨用革靴にも選ばれる耐水性はもちろん、シミも強力に弾きますから安心してガシガシを実用靴らしく履くことができます。

ちなみに樹脂層を貫通するような汚れはどうにもならないので注意。(ケミカルな汚水とか…)

何でも合っちゃうフルブローグスタイル

何でも似合うフルブローグ

ほとんどのファッションに合ってしまうフルブローグスタイルも強調したいポイントのひとつ。

ストレートチップやセミブローグの内羽根スタイルはどうしてもスーツをイメージしてしまいますが、フルブローグスタイルであれば本当にどんなファッションに合わせることができます。

ブルーデニム、ブラックデニムはもちろん、チノパン、スラックスなど何でもOK!

例えばあのミスタービーンも足元はブラックのフルブローグだったりします。

ただし、ガチガチのカッチリスタイルに合わせるのは難しいと言われていますので、そこだけは注意が必要です。

実はドーバーと同じ仕様のハーフミッドレザーソール

耐久性もチャーチの中では頭一つ抜けています。

なぜならソールがあのエドワードグリーンの名作ドーバーと同じハーフミッドソールなんです。

バーウッド ハーフミッドソール トリプルソール burwood triplesole

ハーフミッドソールとは?

もっとも一般的なシングルソールはインソール、コルク、アウトソールの3層仕様です。

そして耐久性に優れるのがダブルソールと呼ばれる、インソール、コルク、ミッドソール、アウトソールのタイプ。

しかし、このダブルソールタイプはほとんど活躍しない土踏まず部分も二重となっており、見た目もそうですが、無駄に重い点もあります。

このダブルソールを改善したのがハーフミッドソールで、基本的にはダブルソールと同じ仕様なのですが実際に地面に設置する面だけがダブルになるスタイルとなっており、重量や一部意見では屈曲性にも優れると言われています。(別名スペードソール)

とにもかくにも、バーウッドはレザーソールが多少削れたところでまだまだ履き続けることができる素晴らしい耐久性を持った革靴ってことです。笑

ラバーソール(ダイナイトソール)との違いは?

ちなみにラバーのダイナイトソールがついたバージョンはBurwood Rというモデルとなり、コバに目付が入っていないという違いがあります。

ポリッシュドバインダーカーフ サンダルウッド

積み上げヒールはいまどき珍しいチャーチ純正

実はチャーチ バーウッドは積み上げヒールがスペシャルな仕様になっています。

靴修理用資材としてちょっと有名なコンチネンタルヒールに似た金文字ロゴがカッコイイやつで、適度な粘りがあり滑りづらく、そしてクッション性もなかなかにあります。

ちなみに数回履くと金色ロゴはあっという間になくなります。笑

チャーチバーウッド チャーチのオリジナルヒール

超トラディショナルだけど履きやすいラスト81

これらのナイスなポイント達が乗っているのがチャーチの超歴史あるラスト81です。

1950年に生まれたこの木型は、70年もの歳月を「英国を代表するカジュアル木型のひとつ」として君臨し続けてきたまさにマスターピース。

スエードチャッカのライダー、アンラインドバージョンのサハラ、スエードフルブローグのフェアフィールドなど、知る人ぞ知る名作に使われています。

ラスト81のサイズ選びは?

さて、この超歴史のあるラスト81ですが、実は古い木型ならではの特徴があります。

それが短めの捨て寸、低めのトゥボックスです。

横幅は広めですからゆったりとした履き心地という表現が割とみられますが、その実、低めのトゥボックスと短めの捨て寸により、サイズ通り購入するとやや小さめだったという意見も散見されます。

そのため、一部では通常のUKサイズ、もしくはラスト173からハーフサイズアップが推奨されています。

チャーチ ラスト81 ポリッシュドバインダー

幅広足ならG fitは検討の価値あり。

ちなみに私のような幅広足の人は、ハーフサイズアップも良いですが、シンプルにウィズGを狙うのもアリです。

私の感覚では、G Fitのラスト81は、同じサイズのエドワードグリーンの202Eウィズとかなり近しいと感じました。

とはいうものの、最近は細い足の人が多いので、Fウィズがピッタリの人が多いのかもしれません。笑

チャーチ バーウッドのまとめ

ということで本ブログ記事では、チャーチの超名作アイコンシューズとなるBurwood(バーウッド)のサンダルウッドカラーをご紹介しました。

Church's バーウッド サイズ選び

ついに手に入れた「一生使えるブラウンのフルブローグ」、これから色々なところに履いていきたいですし、エイジングもめちゃくちゃに楽しみなところです。

しかしながら、自分でいうのもなんですが、革靴狂としてもそこそこの年数が経ったにも関わらず、このタイミングでまさかの購入まで至ってしまったのは自分でも驚きました。あのチャーチの大定番とはいえ、本当に不思議な魅力がある革靴なんだなと、改めて思った夏の夜でした。

  • 雨に濡れてもシミになりづらいポリッシュドバインダー
  • ガンガン履けるハーフミッドソール仕様の革底
  • パッと見からあふれ出る嬉しい良い靴感。

その内ですが、この靴を手に入れるまでの紆余曲折話や、ポリッシュドバインダーのエイジングなどを今後ご紹介したいなと思っていますので、お楽しみに!

 

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