チャーチ ラスト81は小さめだった件。|バーウッド、ライダーの木型・サイズ感。 | ミウラな日々

チャーチ ラスト81は小さめだった件。|バーウッド、ライダーの木型・サイズ感。

5.0

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これはとある革靴マニアが革靴サイズ選びの地獄から抜け出したお話…。

 

最近おそらく加齢により足のサイズが変わってきたと自認することが多くなってきました。

以前はルーズ気味だった靴達がジャストになり、ジャスト気味だった靴達はタイトフィットへ。

「加齢により縦アーチが落ちることがある。」というのは聞いたことがある情報でしたが、まさか自分の身に起こるとは思いもよりませんでした。

 

そんな状態で久しぶりの革靴購入。

過去最高の知識量と、足が大きくなるというある意味想定外の事態が同時に起きるとどうなるのか。

 

もちろんサイズミスをします。笑

チャーチの伝統的な木型ラスト81

Church’s English Shoesは数多くの革靴及びブーツを製造しています。

以前は独立経営でしたが現在では世界的なハイブランドPRADAグループの一角として、その存在感を高めています。(ちなみに以前は英国の良心という二つ名がありました)

もちろん歴史あるシューメーカーですから革靴をつくるときの木型もたくさん。

その中でも有名なのはラスト173とラスト103、そしてラスト81です。

ラスト173は主にドレッシーな革靴に使われており、私もコンサルチェットウィンドディプロマットなど数多くのモデルを所有していました。

ラスト103は超有名プレーントゥシューズ シャノンに使われています。

そしてラスト81。

私の大好きなフルブローグのバーウッドや、チャッカブーツのライダー、アンラインドバージョンのサハラに使用されている木型。

もっとも古くから木型と知られており、原則としてカントリーシューズ、要するに田舎歩き用の靴に使われることがほとんどです。

church's shoes burwood sandalwood last 81

ラスト81のサイズ感を改めて

さて、そんなチャーチのバーウッドなどに使われている

ラスト81の特徴は、捨て寸が短めで幅はやや広め。

要するにボッテリ系フォルムです。

私のラスト81に対する想定と評価

これまでチャーチの革靴はラスト173なら80G。

そしてシャノンなどのラスト103では最終的に85Fを履いてきました。

細くて長い木型なら長さはそのままで幅を広げる。

太くて短い木型なら長さを上げて幅はそのままとする。(長さを上げると幅も広がるので)

そしてラスト81は捨て寸が短めで幅はやや広め。

これは明らかにラスト103と似たような特徴ですから85Fを選ぶのがセオリー。

もう確信を持っていました。

Last81 85F

しかし実際に足入れしてみると感じる違和感…。

チャーチ バーウッド 大きいサイズ(羽根の閉じ方はGOOD)

これジャスト過ぎて踵を痛めたラスト103の80Fと同じ履き心地では??

加えてアーチもUK85とは思えない短い設計。

Church's burwood last81 small size

靴紐を結ばない状態でもかなりタイト、近い感覚としてラスト173のGフィットでしょうか。

それなりに事前に情報収集していたのですが、「ラスト81は捨て寸が短め」という話はあれど、「ラスト81は木型が小さめ」という情報はなかったので完全に虚を突かれました。

Last81 90F

まさか!?という展開になってしまったバーウッド85Fのフィット感。

コンサルやチェットウインドなどを所有している方の情報をみるとラスト173よりハーフアップするのが定石のようです。

となると、私がもしラスト173などを85Fで履いていたならば、そこからハーフアップした90Fがマイサイズ!ということになります。

なるほどなるほど、エドワードグリーンでいうラスト32(とにかく小さくて有名な木型)と同じような展開ということですね。

そんなわけで取り寄せたのがこちらのバーウッド90Fです。


(なんかデカくねえ?)

足入れしてみると、甲はちょうど良さそうですがなんだか全長が長いような?

甲付近以外も履き慣れた革靴くらいにリラキシーな雰囲気。

まだ新品にもかかわらず、靴紐を結ばない状態だと人差し指がすぽりと入る隙間があります。

Church's burwood last81 big size

(ど、どういうことだ…!?)

Last85 85G

さて次に気になるのは幅広サイズとなるGフィットです。

しかし正直言ってバーウッドでGウィズは避けたい…、なぜならば以前80Gのバーウッドを検討していたことがあるのですが、これがまた本当にボッテリしていて、自分がこの靴を履くと言うことがイメージできなかった苦い記憶があります。

Church's Burwood(バーウッド)のレビューと80Gのサイズ感
イギリスを代表するチャーチ社は数々の名作シューズを世に送り出していますが、その中でもメンズレディース問わず人気なのがBurwood(バーウッド)と呼ばれるフルブローグシューズです。 メンズではクラシカルなカジュアルシューズとして。 レディー...

さらにフィット感としても、当時の私の足で少し余裕を感じる程度だったことから、全長をハーフサイズ上げたものが今の自分の足にフィットするとは到底思えなかったのです。

プロに相談してみた

そんなわけで、完全にサイズの行き止まりにたどり着いてしまった私でしたが、とある当たり前のことに気がつきました。

それがチャーチ公式サイトです。

チャーチ公式サイト

https://www.church-footwear.com/

以前、私がMTOをお願いした際には、チャーチの公式サイトはあるものの日本語のサービスはなく頑張って英語で問い合わせをしていたものですが、現在では日本語のサポートサービスが整っています。

 

ミウラ―― かくかくしかじかなのですがオススメのサイズはありますか?

チャーチ バーウッドに使われているラスト81は捨て寸と全長が短いラストです。ラスト103で85Fをご使用になっていると言う事はおそらく85Fか90Fがオススメでございますが、まずは85Fをお試しいただきたいです。おそらく履き始めは少しタイトに感じるかもしれませんが、だんだんとちょうど良い状態になるはずです。また、無料の交換サー…(以下省略

ミウラ―― (チャーチさんすげえ!!) ちなみに85Gはどうでしょう?

チャーチ ラスト103と81はどちらかといえば幅ではなく全長に差がありますので、Gフィットであれば80Gが近しいサイズかと思われますが、お好みにもよりますため、まずは85Fをご提案した次第でございます。

 

と、このようにシューメーカーならではのラストの特徴を把握した上でのサイズのアドバイスをいただき、非常に感動感心しました。

そして私は気づいたのです。前回試した85Fはそもそも作りが小さい個体だったのではないかと言うことに…。

ですが流石にもう疲れてきた私はバーウッドの夢を諦めつつありました……。

とある路面店にて

そんなある日、家族旅行先で突然私に数時間の自由な時間が発生しました。

わずかな時間ですがせっかくの機会ですからいくつか興味のあるお店に足を運ぶこと数軒…。

ブリティッシュメイド大阪店

とある路面店にて、黒いバーウッドを発見。しかも陳列されているのは疑惑の85Fサイズですから試着せざるを得ません。

少しドキドキしながら足入れしてみると、いやいや完全にマイサイズ。

前回の85Fはなんだったのか?と思うほどに程よいフィット感です。

バーウッド 履き比べ
(左が85F、右が80F)

しかし、足にハマっているのは狙っているサンダルウッドではなくブラック。恐る恐る在庫を聞いてみるとなんと奇跡的にラスト一足があると言うではありませんか!

念の為、同じ81ラストのとあるモデルも履かせてもらいましたが、結果として前回私が試したモデルが外れ値なのが明らかとなり、ついに心は決まったのでした。

あとはこのサンダルウッドモデルの履き心地はどうなのか…。

 

後日。

チャーチ バーウッド ブラック サンダルウッド(パーフェクト!と思ったんだけどな・・・)

完璧なサイズを手に入れた・・・!と確信をもって思っていたんですが、そんなことはありませんでした。

結論としては結局この85Fも微妙に足に対して小さいことがわかって手放すことに。

その様子は下記記事をご覧ください。

固い革靴は何回履けば馴染むのか?|コルクの沈み、羽根の閉じ具合など
革靴は履いていくと大きくなる。 この言葉を信じて、サイズ選びに悩んでいる皆さん。 今回は私がある意味人柱となり、いわゆるグッドイヤーウェルト製法のなかでもっともアッパーレザーが伸びにくいといわれるガラスレザー、ポリッシュドバインダーカーフで...

最終的に決めたのは85G!

紆余曲折あり、最終的に私の足にハマったのは最初の想定からだいぶかけ離れた85Gでした。

あのチャーチ公式でさえ提案しなかったサイズ。

これは流石に革靴サイズセンシティブお兄さんの私でも想定外。

世界的にバーウッドの生産サイクルが止まった瞬間に強烈に欲した結果、まさかのイタリーからの着弾でした。笑

しかし、その履き心地はまさに至高!

ボールジョイントは私の野太い足指を包み込むような大きさ。

そして85Fで課題だった踵の小ささはGウィズになったことにより解消。

90Fで大問題だった足首回りのサイズ感も私とピッタリ。

もう完璧な一足を完璧なデザイン、機能で手に入れることができました!

チャーチの名作バーウッド サンダルウッドをレビュー。|ポリッシュドバインダーのブラウンフルブローグ
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ラスト81バーウッドのメンズとレディースとの違いは?

いわゆるオジ靴の大定番として有名なチャーチのバーウッドのレディースバージョン。

最も勢いがあったときは、パーフォレーションの穴にスタッズを詰め込んだバーウッドMET言う商品が大変人気を博しました。

メンズバージョンとの大きな違いはそのフォルムと生産国です。

チャーチ バーウッド メンズとレディースの違い

メンズバーウッドは、ぽってりしたフォルムに対して、レディースのバーウッドは、全体的に細身な雰囲気なのが大きな違いになります。

他には靴紐が細くなり、アウトソールはメンズと反対でヒールがレザー、靴底は薄いラバーになります。

そしてレディースはMADE IN ITALYです。

SNSをチェックすると細い足の男性がレディースタイプを選んでいる例もいくつかあり、そういったニーズにも対応しているようですね。

Church's Ladies shoes

サイズは小さめ、その理由はラスト81の低い甲。

さて、バーウッドをじっくり眺めていると私のサイズ選びを惑わした理由がようやくわかりました。

81ラストはよく「捨て寸が短めで、指回りが広めのボテッとしたラスト」と表現されます。

しかし、実はもう一点特徴がありました。それは甲の低さです。

いわゆる足が薄い人にはあまり影響がないのですが私のように足指が太かったりすると、結局のところ捨て寸に加えて全長も短めに感じてしまう感覚に思わぬ迷いが生じてしまうはず。

私の感覚ではブランノックデバイスなどのUKサイズ通りでジャストだと判断しました。(173ラストは-0.5が多い)

バーウッド 81ラスト 甲が低い 小さめ

バーウッドのカラバリ

最後に、このバーウッドのカラーバリエーションについてご紹介したいと思います。

大定番のブラック、ミッドブラウンなサンダルウッド、ダークブラウンのエボニー、上品なバーガンディとこれら4種類が定番です。(シーズンによって入れ替わりあり)

ちなみにレディースだと私の妻も愛用しているブルーやチェリーレッドのような攻めた色合いもあります。

Church's Burwood WG(チャーチ バーウッド wg) レディース・ウィメンズモデルのサイズ感
ドレッシーかつカントリーな靴、バーウッド チャーチのレディースフルブローグシューズBurwood。 スタッズ付きのバーウッドメットが一世を風靡したのは記憶に新しいですね。 ただ、妻に言わせると「長く履くシューズにスタッズのような装飾は余計。...

ラスト81のサイズ感まとめ

とうことで本ブログ記事ではチャーチのカジュアル内羽根フルブローグバーウッドやチャッカブーツライダーに使用されているラスト81のサイズ感などをご紹介しました。

自分史上初めて個体差によりサイズ選びが難航しましたが結果的に素晴らしい一足と出会えて大満足なお買い物となりました。

昨今革靴の値段は国内外問わず上がり続けています。ほしいモデルがあったら今が買い時!なのはもはや現実なのかもしれませんね。

  • カジュアルな内羽根フルブローグの超名作
  • 汚れやシミに強いポリッシュドバインダーカーフ
  • 全長と捨て寸が短いが横幅は余裕があるラスト81

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