旧チャーチと現行チャーチ、ラスト73とラスト173のサイズや仕様を徹底比較! | ミウラな日々

旧チャーチと現行チャーチ、ラスト73とラスト173のサイズや仕様を徹底比較!

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革靴マニア垂涎とも言える旧チャーチ。

インターネットやSNSが発展し尽くしたこの時代にも関わらず、意外なほどに明確なサイズの選び方だったり、73ラストと173ラストの違いについて徹底比較したブログ記事がありませんでした。

という訳で今回は革靴のサイズブロガーのミウラな日々が、(いまさら)旧チャーチと現行チャーチを代表する2大ラストのサイズ感や特徴を徹底比較&レビューしていきたいと思います!

旧チャーチと現行チャーチの違いとは?

旧チャーチと現行チャーチの違いについてのおさらい

まずは旧チャーチとはなんぞや、そして現行チャーチとはなんぞやというところをおさらいします。

旧チャーチとは、別名三都市チャーチまでを指す単語で、ソックシートにLONDON、NEW YORK、PARISの3つまでが記載されているものが旧チャーチと呼ばれています。

YAMAZEN Church's コラボモデル 旧チャーチ

コラボ品なので一見ではわかりづらいが、CHURCH’Sロゴの下にLONDON、NEW YORK、PARISの3都市が記載されている。

そして現行チャーチは都市名が4つ以上のものを指しています。具体的にはMILAN、TOKYOが追加されたのが現行チャーチであり、誰もが知るハイブランドPRADAグループに買収された後に製造された世代となります。

現行チャーチのソックシート

Custom Gradeの下にTOKYOの文字が見える現行チャーチ。

旧チャーチはなぜ人気があるのか?

私は旧チャーチが靴好き垂涎な理由は主に3つあると考えています。

  1. ラスト73が存在すること
  2. 現行品より革靴の作りが良いこと
  3. 現存しない超高品質なアッパーレザーが使われていること

この3つが揃ったため旧チャーチと呼ばれるビンテージシューズは靴好き、それもディープなマニア層で特に人気がある状態となのかなと愚推している今日この頃です。

今回、旧チャーチのラスト73のコンサルストレートチップを運よく入手できたので、私が7年ほど愛用してきた原稿チャーチのラスト173のコンサルと比較しながら色々ご紹介したいと思います。

旧チャーチ OLD church's 作りの良さ

1.ラスト73の存在

まず1つ目は今は廃盤となってしまったラスト73の存在でしょう。

一部の限定企画で稀に再生産されていますが、靴好きがアンテナを貼っていてようやく見つけれるレベルの機会ですから、実質的に新規入手はほぼ不可能。

ラスト73の特徴は捨て寸が短く、甲が低く、ボールジョイント部分は広め、土踏まずがやや絞られ、そしてヒールカップが小さめというもの。

捨て寸が短いという点以外は、いわゆる昔の日本人の足にかなり相性が良さそうな設計思想になっているように思えます。

しかし、ラスト73の後継としてスリムなラスト100が産まれ、その評判の悪さからラスト173が生まれた歴史、それに加えてチャーチ社はエドワードグリーンやジョンロブのように同じ靴に異なるラストを適用しないルールになっていることから、ラスト73という存在が激レアとなっています。

church's last 73 sole

2.旧チャーチはどれだけ作りが良いのか?

2つ目は旧チャーチ時代の革靴の作りの良さです。

何を持って「革靴の作りが良い」と定義するかは議論の余地がありますが、旧チャーチと現行チャーチを比較してすぐに気づいたのはソールとウェルトを繋ぐ「出し縫いの運針の細かさ」です。

その差はおそらく2分の1弱といえるくらいの差があります。一般的に服にしろ靴にしろ、縫い目が細かいほど手間がかかります。それがグッドイヤーウェルト製法の命ともいえる出し縫いで差が出ている以上、旧チャーチは現行チャーチより作りが良いといっても過言ではないと私は思います。

そして下記画像ではわかりづらいですが、コバの張り出しも旧チャーチは現行チャーチに比べてかなり抑えてあり、非常に上品な雰囲気もあることを付け加えます。

旧チャーチ 運針が細かい ステッチが細かい

個人的な感想ですが、旧チャーチはエドワードグリーンに近い雰囲気です。

3.圧倒的な革質のアッパーレザーとは?

最後の3つ目は圧倒的に高品質な革質のアッパーレザーが使われているという点。

定性的な事実として、今でもビスポークシューズ業界では上客用のビンテージレザーを探し求めているようです。どこかの倉庫に眠っている情報があれば手に入れにいく。最近もとあるロンドンのビスポーク職人の方が発信されていました。

牛や馬の生育方法の発展や、環境に配慮した革の鞣し技術の導入や規制により、今現在は最上級のビンテージレザーに並ぶ素晴らしい品質の皮革素材は手に入らないそうです。

しかし、旧チャーチの生産時代はまさにそういった夢のようなレザーが一般市場で普通に使われていた時代ですから、あとは言わずもがなということ。

旧チャーチ ビンテージシューズ 圧倒的に良い革質

私は高品質な皮革とは?と聞かれたら、まよわず「しなやかさがある革」と考えています。

ラスト173とラスト73を比較する

それではいよいよ、現行チャーチのラスト173CONSULと、旧チャーチのラスト73CONSULを比較していきたいと思います。

old churchs last173 consul

サイズ感の違い

すぐに気が付くのはサイズ感の違いです。

左は現行チャーチのコンサル(ラスト173)UK8.0G 日本サイズ26.5cm幅広です。

右は旧チャーチのコンサル(ラスト73) UK8.5G 日本サイズ27.0幅広です。

見てのとおり、完全に全体的な大きさは一致しています。

よくよく見るとボールジョイント部分(靴のもっとも広いところ」)の頂点がズレているため、異なるサイズの靴だなと認識できますが、一方でラスト173が非常にノーズが長い木型という事実が明らかです。

チャーチ ラスト73とラスト173のサイズ感を比較

甲の低さ、甲の薄さ

次に比較するのは甲の低さと甲の薄さです。

以前、私は現行チャーチのラスト173のウィズ違いについて「チャーチ(Church’s) FとGの違いとサイズ調査」で投稿しました。結論としてその違いは物理的な幅ではなく高さがメインという点です。

下記画像では甲どころかトゥボックスの高さが旧チャーチと現行チャーチでは異なります。これはGウィズとFウィズではなくラスト違いのGウィズ同士の比較であるということ。つまりおそらくはFウィズの73ラストの甲はもっと薄いんだということが容易に想像できます。

旧チャーチ トゥキャップの差 薄さ

ヒールカップが立体的

旧チャーチが作りが良い。と言われる理由のひとつがこの立体的なヒールカップではないでしょうか。

左が現行、右が旧チャーチのヒールカップですが、コロンと丸い形状となっており、なおかつ履き口がやや絞られているのがわかります。

むしろ、右の写真だけを見てチャーチの靴だ!とわかる人はかなり少ないのではないでしょうか。それだけ旧チャーチのヒールカップには目を見張るものがあるように私は感じました。

旧チャーチ ラスト73 コンサル ヒールカップが小さめ

ソールレザーが薄め

旧チャーチは現行チャーチに比べて微妙にソールレザーが薄めです。

これは人に依って評価や判断が変わるところかなと思います。薄さはソールの返り(柔らかさ)、そして単純な耐摩耗性という意味での耐久性に直結しますから。

とはいうものの、実用に値しないほど薄いレザーソールが使われている訳ではありませんから個人的には大した問題ではありません。

旧チャーチはレザーソールが薄い

もしかすると細かい運針で出し縫いを縫うには現行の厚みでは難しかったのかもしれません。

ラスト形状の違い

最後はラスト173とラスト73のラスト形状の違いです。

左が現行チャーチのラスト173です。ハーフラバーが貼ってあるため比較しづらい部分もあると思いますが、上からボールジョイントの幅、土踏まずの幅、積み上げヒールの幅と見ていただくと、LAST73がいかにグラマラスなフォルムかわかるかと思います。

そしてこういうグラマラスなフォルムのラストってディープな靴好きは大好きなんですよね。笑

旧チャーチ ソールの形状 比較

現行チャーチと旧チャーチの比較 まとめ

Church's last 73 compare last 173

ということで本ブログ記事では、旧チャーチと現行チャーチの違いについて、革靴とシューケア専門のブロガーミウラな日々が徹底的に比較してみました。

色々と比較してみて、やはりいつかはほしいと思っていた革靴マニア垂涎の旧チャーチを手に入れることができてよかったと改めて思った次第。革靴に限らず、良い物を実際に手にすることは経験を積む事ができますから。

次回は、シューケアマニアのビンテージシューズの履く前のプレメンテ方法をご紹介します。

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