Church’s Shannonを革靴マニアが徹底解説。【レザーソール・ラバーソール・レディースモデルの違い】 | ミウラな日々

Church’s Shannonを革靴マニアが徹底解説。【レザーソール・ラバーソール・レディースモデルの違い】

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英国の良心Church’s(チャーチ)のアイコンモデル、代表作となるShannon(シャノン)。

シンプルなプレーントゥスタイルのダービーシューズ。

チャーチオリジナル素材となるポリッシュドバインダーカーフを贅沢に使った非常に美しい一足です。

ミウラ
ミウラ

本記事ではそんなシャノンについて、徹底解説をしていきたいと思います。

チャーチ シャノン(Church’s Shannon)について

1873年に創業。世界で初めて「左右対称の靴」と「ハーフサイズ」を導入したといわれるのがチャーチ社です。

1965年には英国女王賞を受賞するなど堅実なモノづくりを進めた結果、1999年にはあのPRADAグループに加入し、さらに世界中で愛されるシューメーカーとなりました。

PRADAグループで登場するチャーチのシャノン

https://www.pradagroup.com/ja/brands/church-s.html

その卓越した品質に見合わない価格で販売されていたことから、一昔前は「英国の良心」とも言われていたことも。(先日、リブランディングを目的とした価格改定があったのは記憶に新しいところです)

そんなチャーチ社は本当に多くのアイコンモデル(定番モデル)をラインナップしていることでも有名ですが、その中でも最も知名度が高いモデルのひとつがこのShannon(シャノン)です。

  • もっともシンプルなスタイルとなる一枚革のダービーシューズ
  • レースステイ部分に施された職人技のスキンステッチ
  • アッパーは雨や雪に強く、ほぼメンテナンスフリーのポリッシュドバインダーカーフ
  • 様々なシーン、スタイルに合う豊富なバリエーション
  • 踵が小さめで指先は広めな木型103ラストを使用

シャノンの様々なバリエーション

このシャノンですが、実は非常に多くのバリエーションがあることでも知られています。

大定番カラーのブラックはもちろん、バーガンディやネイビー、チェリー(赤)にサンダルウッド(茶色)エボニー(ダークブラウン)、女性向けモデルや、革の宝石と呼ばれるコードバンを用いたタイプ、さらには有名デザイナーとのコラボモデルまで。

ミウラ
ミウラ

とても使いやすいフォルムに加え、どんな人のセンスにも合う1足が見つかるのが人気の秘密なのは間違いありません。

 

アイコンモデルのアイコンカラー、ブラック

お洒落な装いにピッタリなバーガンディカラー

 

 

カジュアルなスタイルに合わせやすいサンダルウッド

シーズン毎に様々なデザイナーとコラボしたモデルも出ます。

 

女性向けにモディファイされたShannon WR2

https://www.facebook.com/churchs/

 

シャノンのカラーバリエーションは?

シャノンのバリエーション

https://www.british-made.jp/

私が知る限り、ポリッシュドバインダーカーフを用いたシャノンのカラーバリエーションは以下の6つです。

  • ブラック
  • バーガンディ
  • チェリー
  • サンダルウッド
  • ライトエボニー
  • ネイビー

(チェリーはおそらく期間限定カラーだと思います。)

シャノンのコードバンモデルは?

チャーチ シャノン コードバン

https://www.goodspress.jp/

上でご紹介したカラーバリエーションに加え、革の宝石「コードバン」を使ったモデルが何度か限定発売されていました。

ポリッシュドバインダーカーフの雨に強い特徴はなくなってしまいますが、コードバン特有のうねるような履きシワを楽しみたい方にはまさにうってつけといったところ。

つい先日開催された靴博2019ではもっとも希少なコードバンとなるウィスキーカラーを使ったモデルも発売されています。

ミウラ
ミウラ

コードバンモデルのシャノンはスキンステッチがオミットされていますので注意!

シャノンのディテール、特徴は?

チャーチ シャノンのディテール

ここからはそんなシャノン(Shannon)の特徴や細かいディテールなどをご紹介していきたいと思います。

 

まずは付属物をご紹介。

靴箱にはシューズバッグに加え、ケアガイド、それに替え紐が同梱されています。

レザーソールモデルのシャノンの場合、革製の珍しいタイプの靴紐となります。

 

ポリッシュドバインダーカーフ

チャーチ シャノン ポリッシュドバインダーカーフ

上質な光沢感が特徴のポリッシュドバインダーカーフ(Polished Binder Calf)です。

皮革表面に樹脂加工されており、ほぼメンテナンスフリーかつ雨や雪がしみ込みづらいという特徴があります。

ミウラ
ミウラ

リーガルでよく使われているガラスレザーと似ています。

より上質なカーフレザーを使用しているイメージですね。

 

スキンステッチ

チャーチ シャノンのスキンステッチ

シャノンが唯一無二の存在であるもうひとつの理由がこのアイレット周りのスキンステッチです。

スキンステッチ特有のユニークな凹凸は、この靴がただものではない証明ともいえるでしょう。

 

袋ベロ

チャーチ シャノンの袋ベロ

シュータンには肌触りが柔らかいナッパレザーが使われています。

また、カントリーシューズの意匠として、ライニングとシュータンがすべて繋がっている袋ベロという形が採用されており、一般的なドレスシューズに比べて、小石やゴミなどが靴内に入りづらくなっています。

 

ヒールカップ

チャーチ シャノンのヒールカップ、踵

ヒールカップは上質なヌメ革がグルリと使われており、その肌触りは滑らかかつしっとり。

一般的な英国靴に比べて、適度に小さめに設定されたヒールカップの大きさも特徴です。

 

ダイナイトソール

Shannon R ダイナイトソールモデル

英国製のラバーソールといえば、このゴム製スパイクが目印のダイナイトソールです。

屋内外とわず、どんな地面でもしっかりとグリップしてくれます。

 

ストームウェルト

Church's shannon stormwelt

ダイナイトソールとポリッシュドバインダーを繋いでいるのはストームウェルト。

一般的なウェルトとは異なり、アッパー側のウェルトに土手が設けられているのが特徴です。

これにより、アッパーとウェルトの隙間から水などが入りづらいという雨靴にはピッタリな機能が付加されている訳ですね。

雨にも超強いポリッシュドバインダーカーフ。

雨に強いチャーチのシャノンと水たまり

アッパーは完全無欠のポリッシュドバインダーカーフですから、ダイナイトソールモデルのシャノンRなら履き始めから最強の雨用革靴として活躍します。

レザーソールモデルでもハーフラバーを貼れば、やはりこちらも雨の日の良い相棒となります。

革底は水がしみるのでは?と心配になる方もいると思いますが、ダブルレザーソールがそもそも雨程度では浸水しませんから安心してください。

 

どしゃ降りのときは?

それはそもそも革靴を履くシーンではないかもしれませんね。笑

とはいうものの、一般的な革靴に比べてかなり耐雨性能は良いのがシャノンという靴です。

103ラストの特徴は?

Church's 103 last

これまでご紹介した各ポイントの土台となっているのが「103ラスト」です。

一般的なスリムタイプのラストに比べ、以下の特徴があります。

  • 小指薬指周りが広め
  • 指先のトゥボックスが高め
  • 甲部分は気持ち低め
  • 土踏まずはやや絞り気味
  • 踵はやや小さめ

なので、私のような開帳足気味の人にはまさにピッタリなラストと言えるかなと。

103ラスト FウィズとGウィズを比較

さて、そんな103ラストですが、ウィズの違いではどういった差が出てくるのかを比較してみました。

チャーチのウィズはFフィットが標準設定、Gフィットがワイド設定となっています。(左がG、右がF)

正面から見ると、やはり左側のGフィットのほうがボールジョイント付近から大きめの印象を受けます。

土踏まずあたりの太さにも差があるように見えますね。

 

横から比べてみると、甲まわりの高さについては明らかに差があります。

ヒールカップについてはほんの気持ち程度ですがGウィズの方が大きめです。

 

173ラストと103ラストを比較

次にチャーチの代表ラストとなる173ラストのGウィズ103ラストのGウィズを比較します。

左側がシャノンで、右側は私が以前MTOしたストラットンというモデルです。(仕様はほぼシャノン…笑)二足ともUK8.0です。

まずはじめに目がいくのはつま先のシェイプでしょう。

173ラストはやや長めですが明らかにつま先にかけて細くなっています。

一方でボールジョイント部分は173ラストとほぼ同じくらいです。

足入れ部分と踵周りの大きさは173>103ですね。

 

横からみると捨て寸部分の高さと角度が大きく異なるのはよくわかります。

103はほぼ垂直に近いシェイプになっているのに対し、173ラストは角を切り落としたようなイメージでしょうか。

ヒールカップについては173ラストのほうが丸みがあり、良い意味で踵の引っかかりが期待できそうな形にみえます。

 

レザーソールモデルとラバーソールモデル(Shannon R)の違いは?

最後に一般的なレザーソールモデルとラバーソールモデルを比べてみたいと思います。

パッと見は何も変わらないように見えますが…

 

実はウェルトのウィール(飾り跡)の有無に違いがありました。

レザーソールモデルにはコバにウィールが施されて少し派手な印象。

一方でShannon R(ラバーソールモデル)はソリッドな仕上げでシンプルな印象です。

 

その違いを抑えた上で引きでみると、なるほど印象は結構違いますよね。

といっても、靴好きじゃないと気づくことすらないかもしれません。笑

 

レディースモデルとの違いは?

おまけですが、妻が愛用しているシャノンのレディースモデル「Shannon WR2」とも比較してみました。

サイズが全然違うので大きさや長さの違いはまったく参考になりませんが…

 

横から比べてみると、つま先あたりは173ラストのように角を切り落としたシェイプです。

またシャノンのポイントでもあるスキンステッチはメンズモデルに比べて控えめなデザイン。

他にもストームウェルトがかなり控えめだったと全体的にフェミニンに、そしてよりシンプルな雰囲気に仕上がっているように思いますね。

シャノンのサイズの選び方は?

さて、チャーチのシャノンのサイズの選び方です。

木型の特徴としてはlast103はlast173と比べると長さは同じくらいですが、つま先まわりとトゥーボックスが広い木型。そして土踏まずと踵は気持ち小さめです。

そんな103ラストについて、私なりに出した結論が下記表になります。

Last 173(UKサイズ) Last 103
UK8.5F UK8.5F or UK8.0F
UK8.0G UK8.0F or UK8.0G
UK8.0F UK8.0F or UK7.5F

基本的には173ラストのハーフサイズ下げorウィズ下げの選択肢になるかなといったところ。

おそらくですが、173でGウィズを履いている人は、103でハーフ下げたGウィズを選ぶとつま先の捨て寸が足りなくなるように思います。

 

Church’s Shannonのまとめ

チャーチシャノンとホワイトソックス

ということで本記事では英国の有名シューメーカーChurch’s(チャーチ)のアイコンシューズ「Shannon(シャノン)」について革靴マニアの視点から徹底解説してみました。

シャノンが大好きな方、あるいはこれからシャノンを手にすることを考えている方のお役に立てれば幸いです。

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