玄関から1歩外に出ると秋のにおいを感じることも多くなってきた今日この頃。
夏に大活躍していたローファーや淡色の靴たちとのお別れが近づき、次に巡ってくるのは・・・そうドレスブーツのシーズンです。
春先にシューケアをしておいたドレスブーツたちですが、やはり半年も稼動していないと多少は乾燥してしまうもの。
そのまま履き始めてひび割れ、もしくは油分不足のまま雨などに濡れてシミになる。というのは絶対避けないといけません。
新しいシーズンを安心して迎えるためにも万全な状態にしておきたいですから。
そんな訳で休日を使って春夏用革靴と衣替えした4足のドレスブーツをお手入れをすることにしました。
衣替えしたドレスブーツはこの4足
J.M. Westonの722(ジョッパーブーツ)
娘の誕生記念につくったロシアンブラウンカーフを贅沢に使用したジョッパーブーツ。
中はまさかのピンクカラー。
インターネットのサイズ情報だけでスペシャルオーダーした狂気の一足でもあります。
Church’sのKetsby(フルブローグサイドゴアブーツ)
冬のロンドンでダークブラウンスエードのブーツを履いている人がとても多く、少しでもロンドナーに近づきたくて現地のチャーチ本店で購入。
足を入れるだけでイギリスの風が流れます。笑
Crockett and JonesのChiltern(チャッカブーツ)
定番を追い求めてスナッフスエード+チャッカブーツが求めて購入したブーツ、あらゆるシーンで使い易くて重宝してます。
スエードのお手入れはこのブーツに教えてもらったといっても過言ではありません。
Edward GreenのHalifax(U-TIPチャッカブーツ)
あまりのかっこよさに世界中の在庫を探し回ったユタカーフ+ダイナイトソールの最強ブーツ。
ドレスブーツのジャストサイズを追い求め、サイズ違いを2足購入したのも良い思い出です。
これまで様々なドレスブーツを試してきましたが、結局のところもっとも使い勝手と履き心地が良いものが残りました。
ちょっと話が反れますが、やはり手元に残るのは自分のスタイルに合うものなんだなぁと思う今日この頃。(それにしても失敗しすぎ)
そんな過去の思い出に浸るのもそこそこに、さっそくドレスブーツたちのメンテナンスを始めていきます。
スムースレザー、オイルドレザーのドレスブーツ
まず初めに取り掛かるのはスムースレザーのドレスブーツ達です。
スムースレザーとはその名の通り、起毛していない皮革全般を指します。
1.ブラッシングしてブーツ全体のチリ・ホコリを落とす
まずはアッパー全体を馬毛ブラシでブラッシングし、先日比較検討したエッヂブラシでアッパーとウェルトに隙間に入り込んだチリやホコリを掻き出していきます。
2.ウェルト(コバ)にレザーローションを塗布する
次にぬるま湯を固く絞ったネル生地でブーツを拭いた後、コバブラシ(竹ようじ)を使ってサフィールノワール レザーバームローションをコバに塗りこんでいきます。
ミンクオイル入りのレザーローションは屈曲運動で激しく消耗したコバまわりにじんわり浸透し、柔軟性を取り戻してくれます。
3.気になるところを靴クリームでケア
ジョドファーブーツの場合はレザーベルトが付いてますから、リッチデリケートクリームを塗りこみ一気に油分水分を補給。
その後はアッパー全体の色抜けが気になる部分に純正の油性クリームを塗りこんでおきました。
4.仕上げはワックススプレーでお手軽に!
最後の仕上げはミウラが絶大な信頼を置いているシューケアブランドコロニル1909シリーズのワックススプレーでフィニッシュ。
ブーツ全体に万遍無くオイルを補給、さらにフッ化炭素で防水性を付与。これで完璧です!
色ムラが無い場合はニュートラルも選択肢の1つ
次はこちらのユタカーフ(Utah Calf)を使ったエドワードグリーンのチャッカブーツです。
ユタカーフは要するにカーフを使った型押しオイルドレザーとなります。
先ほどと同様に馬毛ブラシ、エッヂブラシでホコリを落とし、ぬるま湯で水拭き。
ここで一息ついてアッパーの状態を見てみると、722ほど色抜けが気になる箇所がありません・・・。
今回は先ほどと同様にミウラが大好きなコロニル1909の最強靴クリーム、シュプリームクリームデラックスのナチュラルをチョイス。
心地よい香りのナチュラルなシダーウッドオイルがスッと皮革に浸透する上に、フッ化炭素による防水効果が期待できます。
ちょっと多めに取ってブーツ全体に一気に塗りこみ、少し放置してブラッシングで完成です。
スエードレザーのドレスブーツ
ドレスブーツシューケアもいよいよ後半戦です。
次は皮革の裏側をバフィングして起毛させた柔らかい触り心地が特徴のスエードブーツです。
1.ブラッシングし、スエード内部およびコバのチリホコリを落とす
まずはスムースレザー同様にコバ周りのホコリを、そしてブーツ全体を馬毛ブラシでブラッシングし起毛したスエードのなかに隠れたホコリを掻き出してやります。
2.起毛がつぶれた部分を起こしてやる
何かにぶつかったりして起毛部分が寝てしまった場所は金属ブラシを使って起こします。(スエード用消しゴムでも可)
3.スエードスプレーや栄養入り防水スプレーで補色・保革
スエード素材のメンテナンスの醍醐味ともいえるのがスエードスプレーではないでしょうか。
各ブーツの状態をみてみると、ダークブラウンスエードのケッツビー(チャーチ)はスエード自体に固さが見られ、スナッフスエードのチルターン(クロケットジョーンズ)にはスエードの毛が飛び出ており、色ムラが見られました。
以上のことから、ケッツビーにはサフィールノワールのスペシャルスエードケアのダークブラウンを、チルターンにはコロニルのヌバックベロアスプレーのブラウンを使用することにしました。
サフィールノワールのスペシャルスエードケアは防水機能を持たせていない完全にスエードケアに特化したタイプ。さらにダークブラウンの塗料が付与されているので、スエード面を綺麗な状態にする効果も期待できます。
コロニルのヌバックベロアスプレーはフッ化炭素も含まれた防水スエードスプレータイプ、こちらもブラウンの塗料が入っているので飛び出た起毛を着色し、スエード面を滑らかな状態にしてくれます。
(カラー入りスエードスプレーを外で使うと逆風で手や顔、身体にかかるので注意・・・)
あとは1時間ほど日陰で乾かした後に、馬毛ブラシでブラッシングしスプレーで濡れて寝てしまった起毛面を起こしてやれば完成です。
4種類のブーツのお手入れを終えて
(ドレスブーツ達のお手入れが終わる頃には西日が強くなってきました。)
普段は1日1足程度、気が向いたときに革靴のメンテナンスを行っているのですが、今回はまとまった時間が取れたため一気に行いました。
やはり思うのは、革靴の醍醐味はこのメンテナンスにあるなあと改めて感じたところ。
一足一足のアッパー素材を考え、直近の使用状態を思い出し、最適だと思うシューケア用品を選択する。
そして注意深く観察しながら、ブラッシングをし、靴クリームを塗り、時にはポリッシュをかける。
ときには想定していなかった傷などを発見してビックリすることもありますし、クリームがシミになって落ち込むこともあります。
しかし、何とかメンテナンスを終えるとそこには活き活きとした相棒が待っています。最高です。笑
そんな訳で革靴も好きだけど、シューケアもやっぱり好きなんだあと改めて思った秋の休日でした。
最近、靴のお手入れをサボっているなあと思った方は、ぜひぜひ久しぶりに相棒と向き合ってみてはいかがでしょうか?
きっと楽しい時間が待ってますよ!
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