今回は本格靴のU-TIPシューズの決定版、エドワードグリーンのDoverのサイズ感についてご紹介したいと思います。以前、ドーバーについては202ラストのサイズ感を取り上げましたが、今回は32ラスト、通称ドーバーラストと呼ばれるタイプのものです。
Edward Greenについて
歴史
まずはエドワードグリーンについて改めて触れてみたいと思います。Edward Greenと言えば靴好きなら誰もがピンとくる英国靴最高峰のブランドの1つです。1890年に同名のエドワード・グリーン氏が創業しあっという間に名声を得たものの、約100年後の1983年に倒産寸前となってしまい、イタリアのシューズデザイナー”ジョン・フルスティック”氏がわずか1£で買い取り再建を果たしたという歴史があります。
コンセプトは可能な限り上質な靴を造る
そんなエドワードグリーンのシューメイクコンセプトは『可能な限り上質な靴を造る』というものです。靴の聖地ノーサンプトンにあるファクトリーではとても優秀な靴職人たちによって一つ一つ丁寧にエドワードグリーンの革靴は作られています。
約60人の職人によって週に作られるのはたった350ペア。同じようにノーサンプトンにあるシューメーカーBARKER社(価格帯は約1/3)では180人の職人を抱えて週に5000ペアを製造しているということからも、エドワードグリーンが極めて高い品質管理の元、小ロット高品質をテーマに製造していることがうかがえます。
ラスト32について
エドワードグリーンで一番細い木型
エドワードグリーンを代表する木型”ラスト202”はラウンドトゥかつインサイドストレート、そしてボールジョイント部は余裕を持たせた設計となっていますが、このラスト32はラスト202同様にラウンドトゥながらも、エドワードグリーンが製造するラストではボールジョイント部がもっとも細い設計となっています。
タフなスペードソール
そしてエドワードグリーンのDOVERと言えば忘れてはいけないのがスペードソールです。通常革靴のレザーソールは革一枚だけで仕上げられるシングルソールと革を二枚使用するダブルソールの2つが主流となっています。しかし、ドーバーでは土踏まず部分より前方のみに革を二枚使用するという特殊な作りが有名な意匠となっており、このソールが通称スペードソールと呼ばれています。上の画像でも土踏まず部分とボールジョイント部からつま先部分までの厚さが違うことが確認できます。
各部分の寸法を測る
アウトソール全長は約30cm
アウトソール最大幅は約10cm。ラスト202の同サイズだと11.5cmもあることから相当に狭い木型なのが改めて確認できます。
ボールジョイント部は17.5cmとなり、202では17cmだったことから少し甲高の設計ということが確認できます。
第一関節部分は13cmです。
カカトまではやや高めの6cmです。
Edward Green Dover Last32 8.5Eのまとめ
足の実寸が26.5cmで幅広の私にとってエドワードグリーンの8.5E(ラスト32)のドーバーはタイトフィッティング。親指等の長さ不足は感じませんが、とにかく小指辺りがキツイですね。
踵の食いつきや土踏まずについてはかなり気持ち良いフィッティングとなっているため、足の寸法的にはバッチリだと思います。
捨て寸は2cm程度、見た目的にはやや小さめの靴を履いているといった感じでしょうか。
- ビジネスソックスでたたタイトフィット
- 普通の靴下だとタイトフィット
- 厚手の靴下だと履けません・・・。
参考情報(普段のサイジング)
- チャーチ173ラスト 80G
- チャーチ103ラスト 85F
- ジョンロブ7000ラスト 80EE
- パラブーツ 85
- ALDEN モディファイドラスト
- エドワードグリーン202ラスト 8.5E(同サイズ)
総評
エドワードグリーンの名作中の名作。
専用となるラスト32で作られたドーバーは見た目は非常にエレガントで現代的なのは間違いありませんが、残念ながら幅広足を持つ私にとっては決してフィットしないシューズでした。
しかしながら幅が細い足を持つ方にとってはこれ以上無い選択肢の1つだと思います。自分の足が細めだと自覚のある方は是非選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。(幅広の人は202が202のスクエア版となる606がオススメです!)
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