J.M WESTONの641ゴルフや180シグニチャーローファーをピッタリサイズで購入した人は1回はこう思うと思います。
「これ、ハーフサイズ上げてウィズ下げた方がよかったんじゃあ・・・。」
もしあなたがエジプト型の足を持っているのであれば、本当にそうかもしれません。
・・・私はそうでした。(泣)
J.M Weston Golfのフィッティング
J.M WESTONの名作中の名作641ゴルフはエッグトゥかつ捨て寸無しのフィッティングで有名です。全方向からガチガチに攻め立てられる革の当たりが山を越えたら最後、最高の履き心地が待っていると言われるこのゴルフ。
もちろん私も靴好きの一人ですからその履き心地に憧れ、ついにはフランスはパリで正真正銘のウェストンフィッティングの一足を購入したのでした。
しかし・・・!
購入当時は全方向から締め付けられるウェストンフィッティングで気が付かなかったのですが、エジプト足の私がエッグトゥで捨て寸無しを選ぶとどうなるのかスッカリ想定しておりませんでした。
そう、親指がトゥの形どおりに内側に寄せられるんです。
つま先以外のアッパーが馴染みかけたころ、親指側面に負担がかかり始めました。
おそらく今まではアッパーが固かったため負荷が分散されていたのでしょう。最終的には外反母趾になってしまうのではないか?という不安と共にゴルフと過ごす日々が始まってしまったのです。
普通ならば、いやいやウェストンはこういうフィッティングだからと受け入れるのでしょうが、足入れ感にとても敏感な私はやはりそう考えることはできず・・・。
ハーフサイズ上げウィズ下げの641ゴルフを手に入れることにしたのでした。
ゴルフに使われているルシアンカーフについて
今回、ハーフサイズ上げウィズ下げのゴルフを購入するもう1つの決め手がこの情報でした。
J.M Westonの方に聞いたのですが、ゴルフがジャーナリストシューズとして有名たる所以にもなっていたルシアンカーフを使ったモデルは密に終売となり、今後はシグニチャーローファーなどで使用されているブラックカーフが使われるそうです。
641ゴルフと同様に598スプリットトゥダービーもルシアンカーフモデルが廃盤となり、ゴルフ同様にブラックボックスカーフへと仕様変更となっています。
今後ルシアンカーフモデルは”ヨットダービー”というモデルと、泣く子も黙るJ.M Westonのフラッグシップモデル”ハントダービー”の2種類のみとなるそうです。
どうやらこの背景にはルシアンカーフ自体の需要と供給バランスも関わっているようで…。
ボックスカーフとは異なりあまり一般的ではないアッパー素材を定番品に採用するのが少し難しくなってしまったのかもしれませんね。いずれにしてもTHE GOLFとも呼べるルシアンカーフモデルはいまある在庫で終わってしまうみたいなので悩んでいる方はお近くのJ.M WestonにGO!ですね。
J.M Weston 641Golf 7/Eと8Dを比較する
ということでも世にも恐ろしいJ.M WESTONのハーフ上げウィズ下げを実際に行った私が悩む人が多いであろうゴルフを使って比較していきたいと思います。
ちなみに641Golfの7/EはUK:8D US:8.5E
8DはUK:8.5C US:9Dに相当します。
前から比較
左が8D、右が7/Eです。
当たり前ですが8Dのほうが若干ソールが長くなります。
もう少し下から見てみると
7/Eのほうがヴァンプ部分やトゥが高いことがわかります。
ボッテリ感も7/Eのほうが強いですね。
横から比べる
左が8D、右が7/Eです。
ヴァンプ部分の長さは割とわかりやすい差となっています。
左が7/E、右が8Dです。
ここで注目したいのがカカト周り、いわゆるヒールカップの大きさです。
EとDでこんなに差が出るとは・・・!
履いて比べる
まずは7/Eです。
羽根はもう少し馴染んだら閉じそうです。
内側から見たシルエットはなかなかシュッとしていますが、外側から見たシルエットはまさにゴルフ!といった感じのコロンとした形ですね。
こちらは8D。
明らかにドレッシーさが増しています。ゴルフでドレッシーがどうのという話は置いておいておきます。(笑)
羽根の開きは1.5cm程度でしょうか、馴染むことでベストな閉じ具合になりそうです。
履いて横から比較
7/E。
コロンとしたシルエットが可愛らしいジャーナリストシューズ。
ただ、普段履きなれているドレスシューズに比べると明らかに捨て寸が短いのがわかります。
8Dはこちら。
ある意味641golfらしくないシルエットなのかもしれませんが、個人的にはこちらもGOOD!
むしろ親指が当たらない分、履き心地としてはこちらがBEST!といったところ。
ボールジョイント部を比較
7/Eのボールジョイント部。
親指の付け根の位置が完璧にフィットしています。土踏まず部分のコロシもピッタリです。
自分がギリシャ型の足だったらこのサイジングでベストフィットなんだろうなあと…泣
こちらは8Dです。
見ての通り、ボールジョイント部が少しズレているため土踏まず部分のコロシに少しシワが入っています。ただこの程度であればあまり違和感を感じるほどではありません。
ヒールカップの大きさ
大きく変わったのはやはりこちらのヒールカップ部分でしょう。
見ての通り明らかに大きさが変わりました。
歩行時のカカトが付いてくる感覚も別物といったところ。
ゴルフの木型(ラスト)の特徴について
これまでの比較から641golfの木型(ラスト)についてまとめると下記となります。
- 捨て寸 → 短め(ボールジョイントからつま先までの長さ)
- 幅 → 狭め
- 甲の高さ→ 高め
- カカト → 大き目
さらに革が固めという特徴もあるため、新品状態から革が馴染んだ後も想定したベストサイズを選ぶのは中々難易度が高いのかもしれません。
ハーフサイズ上げ、ウィズ下げの良かった点・悪かった点
良かった点
親指側面のあたりが緩和されたこと。
外反母趾になってしまうのではないかという恐怖が克服できとても気が楽になりました。
踵のフィット感が増したこと。
大きめだったヒールカップがウィズが下がることによりかなり小さくなったため、踵のフィット感はかなり良くなりました。これは結構見逃せないポイントの一つだと思います。
見た目が良くなった。
これは一長一短なのですが、私が所有している他の本格靴に近いシルエットになりました。それでもまだショートノーズ気味なのですが「足が小さく見える!」というのが無くなって多少はバランスが良くなったように感じます。
悪かった点
土踏まずやボールジョイント部がずれたこと
これはもうわかってたことなのですが、やはりピッタリ合っている靴に比べると土踏まず側に余計な皺が入ってしまったりとちょっとだけズレを感じることに。ただ「気にならない程度のズレ」<「親指側面の当たり」だったので全く問題ありません。むしろプラスと判断しています。
費用がかかったこと。
まあ、当たり前ですね。J.M WESTONは決してお求めやすい靴メーカーではありません。ただ私は本格靴を毎日使う仕事の道具として捉えているので気に入った靴を履けることによるメリットを考えた結果買い直しましたが、やっぱりちょっと高かったですね。(笑)
ウェストンフィッティングから外れてしまったこと
地味に一番残念だったのがウェストンフィッティングから外れてしまったことですね。もちろん新しい8Dというサイズも小指の付け根を中心に新たな万力締めが始まってはいるのですが、ゴルフ特有の万力締めと呼ばれる所以ともなる捨て寸ギリギリによる全方向のフィット感はちょっと薄れてしまったのかなと。そこに寂しさを覚える辺り立派なクツジャンキーになってしまったなあと思うところです。
まとめ
ということで今回はJ.M Weston 641Golfのハーフサイズアップ、ウィズダウンの比較をしてみました。
選択肢があり過ぎるがあまり悩みに悩んでしまいがちなJ.M Westonのシューズ達。少しでも購入を考えている人の役に立てれば幸いです。私のような人が現れないよう祈るばかりです。(泣)
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