先日、親指側面のアタリによりハーフサイズアップウィズダウンをしたJ.M.Westonの641GOLFオックスフォードです。
数々の革靴雑誌で名作として紹介されており、どんな場面でもへたれずにしっかりと足元を支えてくれることから世界中のジャーナリストに愛される別名ジャーナリストシューズとも呼ばれる一足です。
ウェストンのゴルフには万力締めがつきもの。
サイズを変えたことにより全体的なフィット感は向上したのですが、履いて数時間経ってから骨の付け根が痛くて痛くてたまらない状態です。
ネット上を調べるとこのJ.M.Weston 641Golfで同じような症状になっている人を多数見つけました。しかもほとんどの方はしっかりと実店舗でフィッティングしているよう。なぜこうなってしまうのでしょうか。
641ゴルフで小指の付け根が痛くなる理由
細いアウトソール
その答えは641ゴルフのアウトソールとその作りにありました。
まずアウトソールですが、これはチャーチのやや細身の173ラストを使用したコンサルのアウトソールと比較したものです。
捨て寸による長さの違いは置いておいて、細身と呼ばれるラストに比べても圧倒的に狭い横幅に注目です。大抵の革靴は「ボールジョイント部分>ヒール部分」となりますが641ゴルフの場合、アウトソールのボールジョイント部分がヒール部分とほぼ変わらないんです!
これは小指の付け根も痛くなって当然です。
ヴァンプと甲の高さ
こんな細い靴を世界中のジャーナリストは履いているのか?足が細くないとジャーナリストにはなれないのか?なんて考えるには早すぎます。(笑)
真正面から比較すると靴の作りとして明らかな違いがありました。
左側の革靴”チャーチ コンサル”はアウトソールに沿ってアッパーが乗っており、購入当初からなるべく足の形に近づけているように見えます。
一方で右側の”JMウェストン 641ゴルフ”はアウトソールからアッパー部分がはみ出しており、かつコンサルに比べてヴァンプと甲部分で敢えて高さを作っています。これはおそらく皮革の”徐々に伸びて馴染む”という特性を想定し、履けば履くほどその人の足型になるような設計思想だからではないでしょうか。
しかし、なじむまでは一番出っ張っているところに負担が強くかかる。なので小指の付け根が痛い。
Adidas Countryに似ている!
スニーカー好きの方ならこれまで並べた641ゴルフの特徴にハッとした人もいるのではないでしょうか。
「アッパーの幅>アウトソールの幅」
この作りはまさにアディダスの名作カントリーそのもの!柔らかいアッパーで足を優しく包み込む履き味が特徴のカントリー。アッパーの柔らかさが異なるだけでこうも履き味が異なるなんて面白いですね♪
ウィズを上げれば解決?
とここまで考えると「いやいや、単純にウィズを上げればいいだけじゃない?」と思う方もいるでしょう。しかし私はそうは思いません。この靴でハーフサイズアップウィズダウンをした私が考えるに(涙)この靴は靴紐を通す羽根部分の設計が高めや低めではなく、まさにサイズ通りとなっています。
そのため、最初から快適な幅を確保するためにウィズを上げると羽根がかなり閉じてしまいます。羽根が閉じるということは靴紐でそれ以上のフィット感を調整できなくなるということ。
さらにネット上の感想では数年近く履いた結果2cm近く閉じた方もいるようで…そうなると初めから横幅が快適すぎるサイズを選ぶことはちょっと考える必要がありそうです。
小指付け根の痛みを早く緩和する方法
ですが痛いものは痛い。履く気が起きなかったら靴の意味がありません。私も若干そうなりかけました。(笑)
しかし、とある方法を使った結果、今ではかなり楽になったのでその手法をご紹介したいと思います。
ウェストンがラストごとに純正シューツリーを用意していることに目を付けました。
名付けて「純正シューツリーを使って、足幅を先に馴染ませてしまう作戦」です。
1.シューツリーを広げる
J.M.Westonの純正シューツリー。購入当初はこのくらいの隙間しかないはずです。
しかし小指側にネジ穴があるのでこれを緩めると…。
ガバッと開きます。
白いタイプは親指側から。
白いタイプの場合は親指側にねじ穴ががありますよ。
2.消しゴムで部品を作る
適当な消しゴムを用意してカットします。
厚さは5mmを基準としてお好みで。
3.シューツリーの隙間に消しゴムを挟む
カーブ部分にはめ込みます。
今回はボールジョイント部分を伸ばしたいので、そのあたりを。
こうすることでボールジョイント部分は多少の弾力を残しながらも閉じきることがなくなりました。
4.デリケートクリームを塗りこむ
次にデリケートクリームを用意します。
もちろんデリケートクリーム界のキング、M.モゥブレイのデリケートクリームです。
革に水を与えると伸びやすくなりますし、主成分となるラノリンがその水分を長時間保持してくれます。なのでデリケートクリームを塗布しテンションをかけることでその部分のアタリを緩和できる訳ですね。ちなみにストレッチスプレーも基本的には同じような仕組みですよ。
一足に付ける量はこのくらいです。
靴紐を緩め、小指の付け根があたる部分にしっかりと塗りこみます。
5.消しゴムを装着した純正シューツリーを入れる
ボールジョイント部分に消しゴムを装着した純正シューツリーを入れます。
ここで入らないようであれば消しゴムが大きすぎです。もう少し小さめにカットしましょう。
6.アッパーにもデリケートクリームを塗布
消しゴムを装着した純正シューツリーを入れたら見るからに出っ張った部分があるはずなのでそこにデリケートクリームを塗りこみましょう。
内側と外側の革は別の革ですからね。
7.ちょうど良くなるまで待つ
あとは待つだけ。
1-2日おきにデリケートクリームを足しながら様子を見ていきましょう。
ちょうど良い塩梅になったら消しゴムを外します。
シューツリーの最大幅はあなたの足幅に合ったものになっているはずなので、ネジ調整はしないでそのまま使用します。
まとめ
今回はJ.M.Westonの小指付け根の万力締めを緩和する方法のご紹介でした。
「純正シューツリーを使って、足幅を先に馴染ませてしまう作戦」のおかけで、以前は骨から軋む感じがありましたがここ最近は徐々にナイスなフィッティングになってきています。最終的には自分の足にピッタリとフィットしてほしいのでやめどころが肝心そうです。(笑)
もう少し足幅が細ければ普通に履いていけばいいのでしょうが、私のように幅広だとちょっとアタリが強すぎます。同じような状況の方は解決方法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。
※実際に行う際は自己責任でお願いいたします!
ブログ内を検索する!