この記事でわかること
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シボ革の靴はどうやってお手入れすればいいのか。
悪天候や悪路でもガンガン履けるような使い方を想定されたカントリーシューズに良く用いられる素材、シボ革(グレインレザー)を使ったドレスシューズ。
通常のカーフなどと異なり、雨雪用の靴として愛用している方は多いのではないでしょうか。もちろん私もつい最近仲間入りした内の一人ですが唯一の不満がありました。
シボ革(グレインレザー)に絞ったシューケア情報がない!
という点です。そこでこれまでの経験を踏まえ少し自分なりにシボ革(グレインレザー)を使った革靴のお手入れ方法を考えてみました。まずは大きな特徴を改めて書き出してみます。
シボ革の革靴の特徴
- 革が厚いので傷に強い
- 革の表面に凹凸がある
- 通常のカーフに比べて耐水性が高い
以上の3つがシボ革(グレインレザー)の革靴の大きな特徴です。
この特徴を踏まえると通常の乳化性クリームはあまり相性が良いとは言えません。
雨に濡れたら流れてしまいがちです。かといってワックスもやはり相性は良くありません。革の表面の凹凸にワックスが埋まってしまい見た目も悪いですしいつまでも古いワックスが残ってしまうと革に不要なダメージを与えてしまいます。
そうなると何が良いのでしょうか。
シボ革靴には油性クリームがピッタリ!
そう、ここ最近靴磨き職人業界で非常に強い注目を浴びている油性のクリーム(乳化性クリームではありません)です。
日本製だとアーティストパレット、海外製だとサフィールノワールクレム1925が有名ですね。これら油性クリームを使うことでシボ革靴の耐水性はさらに強化されますし、クリーム状のためシボの凹凸が埋まってしまうこともありません。
シボ革の靴には油性クリームのサフィールノワールクレム1925
ということでいま一番人気がある油性クリームとなるフランスが世界に誇るシューケア―メーカーサフィールが手掛ける最高級ラインサフィールノワールの「クレム1925」を使用しシボ革の靴をシューケアすることにしました。
すでにクレム1925は同じく雨雪用として活躍しているポリッシュドバインダーを用いたストラットンやシャノン用に愛用しておりその効果は折り紙付きです。
シボ革の革靴をクレム1925で磨いていきます。
一般的に靴用クリームは「靴よりやや明るい色」を選ぶのがセオリーとなっていますが私自身は皴の色が明るくなってしまったりするのがあまり好きではないためなるべく同じ色を選ぶようにしています。
今回チョイスしたのはクレム1925の新色「タバコブラウン」です。この色はチャーチのエボニーカラーに本当に良く合います。ほとんど同じ色味なのがわかると思います。(若干赤色が足りませんが)
さっそくシボ革(グレインレザー)にクレム1925のタバコブラウンを塗布していきます。
シボにより凹凸があるためいつもより多めに使用する必要がありますね。
右足側の前部分が塗り終わりました。ワックスを塗ったときのように曇ります。
シボ感がより強めの側面にもクレム1925を塗りこんでいきます。
シボ革だとどこまで塗ったかわからなくなる場合もあると思いますが、クレム1925はワックスのように一度曇るので塗った範囲がわかりやすいです。
さて、もう一か所忘れずに塗る必要があります。
ウェルトにも忘れずにクリームを塗ります。
雨雪用の革靴として使用するならばいつも以上にウェルトにクリームを入れることを忘れてはいけません。
ひび割れさせずに長く使うにはウェルトへのクリーム入れは必須ですね。
ひび割れたウェルトの画像
クレム1925を塗り終わったらブラッシング
シボ革(グレインレザー)の靴のケアで一番大切なのはブラッシングだと考えています。凹凸に埋まってしまったクリームをしっかり掻き出し、表面上のクリームをきっちり磨くことで靴はより綺麗になり、耐水性もしっかりと保つことができます。
とはいってもクレム1925を塗ってすぐブラッシングしてはいけません。クリームが浸透するまで10~15分程度待ってから全体を軽くリズミカルにブラッシングしていきます。
ブラッシング後。かなり良い塩梅の光沢が出てきました!
革自体に油分も浸透し明らかに柔軟性が増しています。
つま先には忘れずにワックスを。
シボ革にもしっかりとワックスでつま先をコーティング!
いくらシボ革(グレインレザー)に厚みがあり、傷に強いといってもつま先やカカトといった目立つ部分には通常のドレスシューズ同様にワックスをかけコーティングしておくに越したことはありません。見た目も非常にエレガントになります。
使用するのは愛用しているチャーチ純正のワックス。色はブラウン。相変わらず良い匂いです。
缶の裏蓋に水を少しだけ入れれば準備完了です。
つま先やカカトの心材があるところに薄く塗りこみ、5分ほど放置し乾かします。
乾かしたら蓋に入れた水を少しだけ(珈琲豆1個分くらい)乗せて、着古したTシャツなどを使ってクルクルとワックスを伸ばしていきます。
そうすると金属的な光沢が出てくるので引っかかりを感じたらまた水を足しながら磨いていきます。
ワックスがけが終わりました。もう少し層を厚くしたほうがさらに良いですね。今回は薄めに1層で仕上げてみました。
まとめ
靴全体を油性クリームでコーティングし、つま先と踵を油性ワックスでコーティングしました。これで大抵の雨風ではびくともしないコンディションになりました。
しかし、サフィールノワール クレム1925は本当に万能なクリームですね。
完全自然素材なので食べても大丈夫なくらいの安全性ですし、磨いた後の光沢感や油性クリームならではの耐水性もあり、クリーム自体の伸びも非常に良いです。これは益々全色揃えたくなってきてしまいました笑
オマケ:雨の日のグラフトン
この通り、水たまりにもガンガン入っていけますし、多少の水も弾いてくれてます!
シボ革を使った革靴の磨き方のまとめ
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今回使用したクリームはこちら。
- 万博で金賞を取ったときのレシピで天然成分から作られた最高品質のクリーム!
- あらゆる皮革(アッパー素材)に使用できる万能性!
- 靴業界ひいてはレザー業界にもOEM供給するほどの卓越した品質!
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