雨。
朝起きた時にシトシトと水の音が聞こえたとき、革靴愛好家はあまりテンションの上がる1日ではない事を確信します。
一般的なカーフなどの牛革が雨に弱いのはもちろんですし、レザーソールのシューズなんかもラインナップから外れてしまいます。もちろん雨に強いと言われる素材、シボ革やオイルドレザー何かもありますが、例えば土砂降りだとちょっと気が引けてしまう、そんな1日。
だけれども大抵の人はそのまま仕事へ向かう人が多いのではないでしょうか。そうなると家に帰ってきたときにどんなトラブルが待っているのか想像がついてしまい、やはりテンションの上がらない1日になることは変わりありません。
そんな雨の日によく起こるトラブルの1つが、塩吹きではないでしょうか。
革靴の塩吹きとは?
革靴の塩吹きとはアッパー素材や写真のようなウェルト部分(アッパーと底を繋いでいる革の部材)に白く塩が浮き出てくる現象を指します。一般的には鞣しの際に含まれている塩分や人間の汗に含まれる塩分などが雨などで皮革に浸透した水分と共に引き出されてしまうことで発生するとされています。
ガラスレザーは塩吹きしない
ちなみに牛革の上に樹脂で加工を施してあるガラスレザーはそもそも水分が浸透しないので塩吹きしません。
チャーチのポリッシュドバインダーカーフも同様です。今回はチャーチのストラットンというまさにポリッシュドバインダーカーフを使用した靴ですが、樹脂加工されていないウェルト部分はガッチリ塩が付いている状況です。
塩吹きにはレザーバームローションがオススメ!
ということで今回はこの革靴に浮いた塩を取り除いていきたいと思います。
使用するのはサフィールの最上級ラインとなるサフィールノワールのレザーバームローションです。
レザーバームローションを選ぶ理由
サフィールでは汚れ落とし&保革機能を持つローションを2つ販売しています。
サフィールのユニバーサルローションと今回使用するサフィールノワールのレザーバームローションです。基本的に機能はほとんど同じこの2製品ですが、決定的な違いはミンクオイルが含まれているか否かという点です。
雨に濡れた皮革は乾燥する際に水分と一緒に油分も引き出されてしまいます。(なのでよく影干しで生乾きのときにデリケートクリームを塗ることが推奨されている)塩が浮いている靴は=乾いてしまった靴なのでデリケートクリームを塗っても遅いと私は考えました。
また、雨に含まれている様々な物資や道路などからかぶるホコリや汚れ等もあることを想定すると汚れ落とし&保革機能&ミンクオイル入りのレザーバームローションがベストな選択かなあと判断した訳です。
実際に塩を落としてみる
1.レザーバームローションを柔らかい布に取る
まずはレザーバームローションを柔らかい布に取ります。
油分が多いローションのため革靴のアッパーに直接付けるとシミなどになる可能性があるからだそうです。
といっても今回はコバなので直接付けても問題なかったかもしれませんね。(笑)
2.塩をふき取る
布に取ったレザーバームローションでコバをふき取ります。
結構キレイになりました。
ただちょっと乾燥すると若干復活してくる場合もあったのでしつこい塩は何度かふき取る必要があると思います。
ストームウェルトはもうひと手間
コバがL字状になっているタイプ、例えばストームウェルトなどの場合はソール側面のみならずL字状部分にもレザーバームローションを塗り込みましょう。
汚れ落としだけではなく、保革・補油の機能もありますから。
(乾燥が進んだウェルトは割れることがあります)
3.仕上げ結果
こちらがSaphir noirのLeather Balm Lotionで塩をふき取った後です。
白い塩がすべてなくなり、見た目的にしっとり感が確認できると思います。
使用前後を比較した画像がこちら。明らかに塩が取れていることがわかります。しかし、若干ですが黒みが落ちた気もします。
黒味が落ちたのはもちろん気のせいではありませんでした。汚れ落としという機能がある以上、ウェルトに乗っているカラーが落ちてしまうことは避けることができません。
さらにワックスを使うとより綺麗な仕上がりに。
ということで仕上がりを気にする人にはもうひと手間加えることをオススメします。やり方は簡単で油性のクリームかワックスで蓋をするだけです。これはコバインキの使用方法を見て思いつきました。(コバインキは水性のため、仕上げに油性のクリームかワックスで蓋をするようにポリッシュすることを薦めています)
今回はサフィールノワールのワックスを使ってウェルトを仕上げていきたいと思います。ちなみに油性クリームとなるクレム1925でもOKです。
コバにサフィールノワールのワックスを塗りこみます。
ポリッシングすればこの通り。徐々にコバに光沢が出始め、油性の何かで蓋をした感を感じることができます。(笑)
最終的なビフォーアフターがこちら。左がレザーバームローション→油性ワックス使用後です。右はただの塩吹き後です。こうしてみると我が靴ながら塩が吹いていると一気にみすぼらしく感じますね。足元のケアって大事だなあと再認識しました。
レザーバームローションのまとめ
今回は塩が吹いた革靴をサフィールノワールのレザーバームローションでケアしてみました。
アッパーがガラスレザーということもあり、ウェルトだけで済んだのは不幸中の幸いでした。
私は雨や雪の日に一般的なカーフ素材の革靴を使用しませんが、もし想定外の雨によりアッパーにも塩が吹いてしまったのであれば・・・、やはり初手はレザーバームローション一択かなあと思います。それほどの安心感がこのローションにはありますね。
もちろん濡らさないのが第一だとは思いますけどね。(笑)
- ほとんどの皮革製品に使える万能ローション
- 汚れ落としと栄養補給が同時にできる
- 高品質なミンクオイル入り!
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