雨の日に革靴を履いて出勤!
そして疲労と少しの寒さを覚えながら家に帰り暖かい部屋でゆっくりする。
そしてそのまま次の日の朝、革靴を見ると、、、
革靴に白い汚れが浮き出てる!!
そう、革靴を雨に晒すと色々なトラブルが発生します。塩が吹いたり、銀面が浮いたり、型崩れしたりと、、、せっかく良い革靴を購入してもこんなことになったら目も当てられません。
紳士靴業界では、そんな雨に困った紳士のために雨に強い革靴がいくつも販売されています。今回はその種類と選び方をミウラの経験則をもとにご紹介していきます!
雨の日用のオススメ革靴候補
雨の日用の革靴について、大きくわけて選択肢は6つあります。
順番に見ていきましょう!
1.普通の革靴に防水スプレー
あまり革靴に興味がない方にとってもっとも一般的な選択肢の一つではないでしょうか。今手持ちの革靴に防水スプレーを吹きかける!
防水スプレーはどこでも手に入りますし、施工もほぼ一瞬で終わります。毎回のスプレーが面倒くさくない人にはオススメですね。
しかも今年はドイツが誇る最強シューケアメーカーのコロニルが最新のカーボンテクノロジーを採用した防水スプレーカーボンプロを発売しており、防水スプレー業界に衝撃を与えました。
良い点
- どんな革靴でも雨の日に履けるようになる!
- お手入れも楽!
悪い点
- 毎回スプレーする必要がある。(カーボンプロなら月1回でOK)
- 割と強い雨が降ると被膜がすぐに壊れて雨に濡れてしまう。
- スプレーが当たってない部分は通常の革靴と同様。雨に濡れた結果、塩が浮き出てくることも。
2.防水処理された革靴
雨の日用のオススメ革靴
スコッチグレインなどで販売されている甲革にシリコンなどを埋めたもの。ティンバーランドも同様の手法で防水加工されています。リーガルではマウンテンジャケットでも使用されるGORE-TEXを使用したモデルも販売を始めています。また紳士服のハルヤマでも凄まじい防水性能の革靴の販売を始めました。
1.の防水スプレーとは違い、完全に雨の日用の革靴として作られたタイプ。もともとがいかに雨に耐えられる革靴をつくれるか?というところからスタートしているのでその性能は折り紙付き。ソールも滑りにくいラバーソールが使用されていることが多いです。
良い点
- 雨の日用に開発された革靴なのでどんな雨でも迷わず選ぶことができる。
- 通常のカーフの革靴と同じシューケアでOK!
悪い点
- 一般的な革靴に比べるとあまり革質が良くない。
- あまりスタイリッシュなフォルムの製品が少ない。
3.シボ革の革靴
シボ革の革靴も雨用としては非常にポピュラーな選択肢となります。とくにシュリンクレザーだとさらに雨に強い革となります。
私も愛用しているシボ革の革靴。小雨や積雪程度ならこれでガンガンいっちゃいます。もともとはカントリーシューズとして悪路などで使用されていた靴ですから使い方としても全く正しいんです!
良い点
- 一般的な革靴に比べて濡れたことで発生するトラブルに強め。
- お手入れも楽!
悪い点
- トラブルに強めなだけなので、小雨程度までしか耐えれない。
- ちょっとカジュアルなのでTPOを選ぶ。
4.ガラスレザーの革靴
革の銀面に樹脂を吹きかけてあるタイプ。リーガルのつややかなタイプの革靴や、チャーチのポリッシュドバインダーカーフの革靴、ドクターマーチンなどが該当します。
この革靴は結構お持ちの方が多いのではないでしょうか。リーガルで販売されているほとんどの革靴はこのタイプ。靴自体も光沢があり光りやすいので手に取りやすいですよね。樹脂コーティングされているので雨や雪にも強いです!通しません!(笑)
ただその分通気性には難ありなので汗っかきさんは少し不快感があるかもしれません。
良い点
- 樹脂でコーティングされているので、雨でも雪でも持ってこい!
- お手入れも楽!
悪い点
- 他の革靴に比べて少し蒸れがち。
- 手入れをしないと一般的な革靴に比べて寿命が短め。
※樹脂層が割れたりする。
5.オイルドレザーの革靴
主にレッドウィングなどブーツ系に使われることが多いオイルドレザー。
革靴=ドレスシューズのカテゴリーではリスレザーと呼ばれるオイルドレザーを用いた靴を得意とするパラブーツが選択肢となります。
一味違った雨の日用革靴を持ちたいならこれ!革靴好きならパラブーツ(Paraboot)は一足くらい必ず持っているといっても過言ではありません。とくにダブルモンクのウィリアムはビジネスにもカジュアルにも使いやすいのでオススメです。ソールもパラソールと呼ばれる滑りにくいラバーソールなのでピッタリです。まさに革靴界の登竜門?(笑)
実際に多少の雨ならオイルドレザーは靴の中に雨を通しません!皺の部分は撥水力が少し弱いので注意が必要です。
良い点
- 一般的な革の風合いを残しながら雨に強い革靴を楽しむことができる。
- パラブーツ自体にオシャレでカッコカワイイ靴が多い!
悪い点
- 半年ごとのオイルアップ(オイル注入)が必須。
- 通常の革靴に比べてややエレガントさにかける。
6.スエードの革靴
最後はスエード素材の革靴。雨に弱いという解説もよく見ますが、とんでもありません。一番雨向きといっても過言ではない素材です。
スエードの革靴は防水スプレーを吹きかけることによって発揮されます。カーフの比ではないくらいの撥水力が発揮され、雨の日の非常に頼もしい友となります。
紳士靴のメッカ、イギリスにおいてもブラウンのスエード靴は雨用の革靴としての地位が確立されています。
チーニーを経営するチャーチ氏も出張の際はカーフとスエードの2足を持っていくことを勧めています。オンではカーフの革靴を使い、オフや雨の日はスエードの革靴を使い分けるそうです。
良い点
- もっともトラディショナルな雨用革靴の選択肢。
- 起毛素材に防水スプレーやスエード用スプレーを手入れとして施すことで圧倒的な撥水性となる。
悪い点
- スプレーの効果が薄くなると撥水力が徐々に落ちていく。
- 手入れをサボるとスエード表面の汚れが目立つ。
- 会社によってはスエードシューズはカジュアル過ぎるかも。
7.シューズカバー、ガロッシュという選択肢
第7の選択肢として、革靴に靴下(ガロッシュ、シューズカバー)を履かせるというのもあったりします。
これらのアイテムの見た目は悪いですが、雨水を防ぐという点ではほぼ最強です。
レザーソールですら数秒でラバーソールに返信してしまいますから。(笑)
ストームウェルトは必須なのか?
雨を通さないための意匠として用いられはじめたと言われるこのソールとアッパーを繋ぐように巻かれているウェルトですが、実際にどこまで効果はあるのかは疑問が残ります。
というのも、革靴で水たまりなどに足を踏み入れるのであればこのストームウェルトは抜群に効果を発揮するでしょうが、普段アスファルトの道を歩くのにはほとんどその力を発揮することはないからです。
ただ雪国に住んでいる方にとっては狙うべき機能の一つだと私は考えます。雪が積もった中を歩く環境にいるなら、このストームウェルトが無ければいつの間にか足の中に溶けた雪が浸水してくることでしょう。
ストームウェルトの要否まとめ
- 積雪エリアの人は必須!
- 非積雪エリアの人はデザインとして選べる!
ソールは何を選べばいいのか?
ここまで革靴の上側の部分にずっと注目してきましたが、忘れずに重要なのは濡れた地面と接するソール部分でしょう。しかし、ここについては誰もが想像する答えがまさに回答となります。
レザーソールはもちろんNGですね。(笑) 染みてきます。
ハーフラバーも悪くはありませんがレザーソールと同じ理由であまりオススメしません。結局のところレザーソール部分から浸水する可能性があります。
ということで、雨の日用の革靴であれば、ラバーソール一択でしょう!
雨の日用革靴にオススメなソールまとめ
オススメ!
- ラバーソール全般
だめ or あまりオススメできない!
- レザーソール
- ハーフラバーを貼ったレザーソール
雨の日用の革靴の選び方 ミウラな日々のオススメ
小雨程度
- アッパーはカーフ、シボ革、オイルドレザー、スエード、防水処理皮革、ガラスレザー
- ソールはラバーソール、ハーフラバーレザーソール
- ストームウェルトは必要なし!
通常の雨
- アッパーはオイルドレザー、スエード、防水処理皮革、ガラスレザー
- ソールはラバーソール!
- ストームウェルトはあればなおよし!
強めの雨(台風など)
- アッパーは防水処理皮革、ガラスレザー
- ソールはラバーソール!
- ストームウェルトはあればなおよし!
雨を弾くガラスレザー(参考画像)
とりあえずとにかくガラスレザーが最強です。(笑)
ちなみに手持ちの靴をとりあえず防水したい!スプレーで済ませたい!という人にはコロニルのカーボンプロが超オススメです!
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