どこまでもカッコ良いダークブラウンの革靴達。
シボ革だったり、ムラ染めだったり、はたまたソリッドなスムースレザーだったりと様々な表情を見せてくれる濃茶のドレスシューズはどれもこれもカッコ良く、そして時と場所を選ばず長く使えるものばかり。
その幅の広さは使用できるシーンのみならず、ダークブラウンという言葉が持つ色の振れ幅にも当てはまります。
英国の良心とも呼ばれるチャーチ社の定義するダークブラウンと、仏国の良心とも言われ始めそうなJ.M.WESTONの定義するダークブラウンは想像以上に違うものです。
そうなると困るのがシューケアの部分ではないでしょうか。靴クリームだったり、はたまたつま先などを輝かせるポリッシュ(ワックス)だったりと幅広いダークブラウンに対応するために様々なカラーバリエーションで展開されています。
サフィールノワール ビーズワックスポリッシュ
ドレスシューズ用のワックスの大定番”サフィールノワール ビーズワックスポリッシュ”です。
古今東西ありとあらゆるシューシャイナーが一度は手にする圧倒的大定番。
靴用ポリッシュで迷ったらこれを買っとけ!的なアイテムです。
今回はこの”サフィールノワール ビーズワックスポリッシュ”のダークブラウン系を3種類購入してみました。
3色のブラウン系ワックス
左から”ミディアムブラウン”、”タバコブラウン”、”ダークブラウン”となります。
サフィールノワール ビーズワックスポリッシュは缶本体にワックスの色が表現されており、とてもわかりやすいのが特徴の1つです。
しかし、このカラー見本って結構当てにならないことが多いんですよね。
ミディアムブラウン
タバコブラウン
ダークブラウン
このように、蓋を開けてワックス自体の色を比較すると、良く・・・わかりません。
まったくもって違いがわかりませんよね。(笑)
なので画用紙に塗ってみました。
サフィールノワール ビーズワックスポリッシュの色見本
画用紙に塗ってみるとワックス本来の色味がとってもわかりやすくなりました。
驚いたのがミディアムブラウンがかなり薄めの仕上がりだということ。
サフィールノワール ビーズワックスポリッシュではさらに薄めのブラウンやフォーンなどという色が用意されています。これらはさらに薄めの色合いが予想できますね。
チャーチ グラフトンの濃茶(エボニー)を磨く!
さて、ビーズワックスポリッシュの色味の違いがわかりましたし、せっかくなのでポリッシュしていきたいと思います。
今回磨くのはチャーチのグラフトンです。ときに重戦車のようだと例えられるほどの圧倒的迫力とボリューム感が特徴の外羽根フルブローグの傑作ですね。
1.ポリッシュの色を決める
左からサフィールノワール ビーズワックスポリッシュのダークブラウン、タバコブラウン、ミディアムブラウンです。
うーん・・・、一番近いのはタバコブラウンですね!
この型押しシボ革のグラフトンにハイシャインをするとどんな仕上がりになるのか、今から楽しみです!
2.ポリッシュを塗る
さて、靴とポリッシュの色味を合わせたら早速塗りこんでいきます。
もちろんBrift h式なので指で取っていきますよ~。
ミウラ夫婦が靴磨き技術を習ったBrift H札幌店のレッスン記事はこちら!
つま先付近に塗りこんでいきます。
アッパー表面が明らかに曇ってきて、さらに指が引っかかり始めてきたらOKです。
ワックスを塗る範囲に注意!
ワックスを塗る範囲には注意が必要です。
ろう分を使ってコーティングする作業ですから、履きシワ部分をワックスで磨いてしまうと、踏み込んだ際にせっかく作った鏡面が割れてしまいます。
3.水とネル生地を用意する
ポリッシュを靴のつま先に塗りこみ終わったら、少量の水とネル生地を用意します。
写真のはハンドラップと呼ばれる器具で、これがあると靴磨きがとっても楽ちんになるナイスアイテムです。
4.適量の水を取る
ネル生地を指に巻き付けたら水を少しだけ付けます。
この水の量は結構重要なポイントになりますよ。
これだとちょっと多すぎなので・・・。
手のひらなどで叩くことで水を飛ばすことができます。
靴磨き職人の方たちが手のひらにパンパンとネル生地を巻いた指を叩いているのはこの動作なんです。
私は濡れている部分と濡れていない部分の境目がわからない程度まで水を飛ばしています。
ここの濡れ加減は人それぞれ。お好みの水量を見つけてみてください!
5.ネル生地にポリッシュを取り磨き上げる
いよいよ靴磨きの工程に入っていきます。
水を少量湿らせたネル生地に軽く叩くようにワックスを付けます。
力を入れず、ネル生地に取ったワックスと靴に塗りこんだワックスを融合させるようにクルクルと回すように磨いていきます。
曇っていたつま先にすぐにツヤが出てきますよ。
つま先の右側部分が1回磨いた時点です。
左側は曇ったままですね。
あとはこの工程を繰り返すだけです。
ツヤが出きったら改めて指でワックスをつま先に乗せて、またネル生地に水を取り、少量のワックスで磨き上げる。これを繰り返すことでつま先がろう分でどんどんコーティングされてゆき、やればやるほど輝いていきます。
完成!
2~3回もやればこの程度の塩梅に仕上がります。
明らかにモノが反射してくるとちょっと嬉しくなってしまいます。(笑)
磨く前
磨く前。つま先とバンプ部分の境目は特にわかりません。
磨いた後
ハイシャインした後。明らかにつま先部分とバンプ部分にテクスチャーの違いがわかりますね。ちなみにプロの靴磨き職人の方に磨いてもらうとここがグラデーションがかったりしてすんごいんですよ!(笑)
磨き前後を比較
左足が磨いたもの、右足が磨いていないものです。
右足はもともと油性クリームのクレム1925で磨いていたこともあってかやや光沢があります。
サフィールノワール ビーズワックスポリッシュのまとめ
革靴のつま先は光っているとやっぱり一段とカッコ良くなりますね。
大好きな音楽を聴きながらゆったりと靴を磨く。
そんな休日もアリだなあと思った1日でした。
ドレスシューズのハイシャイン、まだ未経験の方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
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