革靴に少し興味を持った人なら必ず1度は目にするのがサフィールノワールのクレム1925でしょう。
デパートの紳士靴コーナーにはほぼ必ずといって良いほど常備されていますし、靴磨き雑誌でも大絶賛。私ミウラ自身も長らく愛用する最高品質の靴クリームの1つです。
メーカーのキャッチフレーズは「厳選された高品質なビーズワックスやカルバナワックスに、植物性油分シアバターを配合。これらにより皮革に光沢だけではなく柔軟性と保湿効果を与え、極上の仕上がりをもたらします。」
この一文を見た時、すぐにほしい!と思ったのがもう昨日のことのようです。笑
このブログであったり、友人であったりと様々な人にオススメしてきたこのクリームですが、なぜオススメなのか?一度自分の考えをまとめたいという思いもあり、今一度この素晴らしいクリームの魅力に迫ってみることにしました。
サフィール(Saphir)の歴史
SAPHIRは1920年に設立され、現在はフランスが世界に誇るシューケアブランドの1つです。
高い品質かつ多様性のある革新的なレザーケア製品を伝統的な製造工程を維持しながら作っています。
SAPHIR製品は絶え間なく研究されており優れた品質の原材料を組み合わせた結果、あらゆるタイプの革を美しく保護する製品を世界で最も幅広く提供しています。
世界5大陸の50以上の国にわたる最高級のブーツメーカーやレザーメーカーがSAPHIRが製造したケア用品を純正の商品として採用しています。
サフィールの目標は植物油、蜜ろう、カルナウバ、ラノリン、オゾケライトワックス、ホホバオイル、ミンクオイル、ニーツフットオイル、スイートアーモンドオイルなどの天然原料から製造された製品を提供することです。
そして自分たちのケア用品に輝きを目的とした樹脂やシリコンを取り入れたり、皮革に有害な影響を及ぼす製品を販売することを控えています。
サフィールの製品は、品質と効果を求めるお客様に対し、高い満足度をお約束し続けます。
かなり意訳が入っていますが要するにまとめると
- 伝統的な製造方法にこだわっている。
- 原材料は全て天然材料で作られており安心安全。
- 世界中の有名メーカーにOEM供給もしている。
ということですね!
サフィールノワール(Saphir noir)について
約100年続く伝統的なレザーケアメーカー”サフィール”が世のプロフェッショナルに向けて、最高級ラインとしてデビューさせたのがサフィールノワールシリーズ。日本国外ではサフィールゴールドメダル(フランス語: Medaille D’or)として販売されています。
この商品群の製法は1925年にパリ万国博覧会でサフィールがレザーケア製品で金賞を獲得した当時のものが採用されており、現代でも最高級の原料の採用と研究を続けることによってレザーケア製品のなかでも突出した性能を誇っています。
サフィールが多くの有名レザーメーカーにOEM供給しているのは先述しましたが、この最高級ラインサフィールノワールと同様の品質で供給されているそうです。
- John Lobb(ジョンロブ)
- J.M Weston(ジェイエムウェストン)
- Berluti(ベルルッティ)・・・などなど
クレム1925(Creme1925)とは?
シューケアに特化した最高級クリーム
サフィールノワールで有名な製品はたくさんありますが、その中でも靴業界で非常に有名なのがシューケアに特化した最高級クリームとなるサフィールノワール クレム1925(Creme1925 )です。
その性能は素晴らしく数々の靴職人や靴雑誌においても極めて高い評価を得ており、「油性なのに浸透する!」というこれまでの油性クリーム(缶ワックス)の常識を覆したまさに革新的なクリームとして有名です。
厳選された最高級の原材料
冒頭に記載したメーカーのキャッチフレーズが下記です。
「厳選された高品質なビーズワックスやカルバナワックスに、植物性油分シアバターを配合。皮革に光沢だけではなく柔軟性と保湿効果を与え、極上の仕上がりをもたらします。」
1つずつ原材料を見てみます。
ビーズワックス(Bees Wax)
ビーズワックスとはまさに蜂から取れる天然のワックスです。働きバチから分泌されるこの蜜蝋は皮革に対し光沢と保湿をもたらします。
ビーズワックスは大抵のシューケア用品に含まれる極めて基本的な原材料の1つです。
カルナバワックス
それではカルバナワックスは何でしょうか?
これも同様にロウ分ですが、こちらは植物性由来のワックス。
カルナバヤシというヤシから取れる樹液で空気に触れると硬くなり薄く強い保護膜を作る性質があります。
ちなみに非常に高価なことでも有名です。
シアバター
最後はシアバターですね。ハンドクリームブランドのロクシタンでも有名なシアバターですが、その名の通りシアバターノキから取れる植物性油脂で常温では固形ですが、体温程度まで温めると溶ける性質があります。
このシアバターが使われていることにより、ワックスのツヤを阻害することなく皮革に油分が浸透し柔軟性と保湿をもたらすわけですね。
多彩なカラーバリエーション
現在のカラー展開は全14色。私はその内6色を所有しています。
若干茶色の展開が多いのですがそれもそのはず、靴専門の最高級クリームですからもちろん本格靴で採用されている色合いにラインナップを寄せているわけですね。
しかも靴クリームでは珍しい染料を使用しているため、磨いた後の靴の表情は奥から光る重厚な仕上がりになります。
※大抵の靴クリームは皮革の上に残る顔料を使っています。
アンティーク仕上げにも使えるクレム1925
靴と違う色のクリームをあえて使ってアンティーク仕上げに挑戦するのもありですね。
一番簡単なのは写真のような茶系の革靴にブラックのクレム1925を用いる手法です。
クレム1925はどんな皮革(アッパー素材)にも使える万能靴クリーム
いくら有名ブランドに展開していたり、カラバリが充実していたり、高品質な原料が使われていても実際に革靴に効果がなければ意味がありませんがこんなことはサフィールノワールブランドでは心配無用です。
サフィールノワールクレム1925は私が所有している様々な皮革を使った本格靴で素晴らしい輝きと保革機能を発揮していることは言うまでもないからです。
カーフのシューケア(靴磨き)
Church’sの名作Consulにシューケア(靴磨き)をした記事です。
チャーチが世界中から厳選した素晴らしいカーフの質感を一切損ねることなく、底から光るような輝きと柔軟性が与えられました。
シボ革(グレインレザー)のシューケアにも
クレム1925はシューケアが難しそうなシボ革でもその性能を発揮することができます。
サラリと伸びが良い油性クリームは凹凸のある表面でも均一に伸ばすことが可能です。
オイルドレザーの靴磨きにも
もちろん忘れていけないのがオイルドレザー。
油性クリームですからこれ以上に相性が良い皮革もないでしょう。
購入当時はノッペリした印象だったリスレザーも今では表情豊かな立体的な輝きを放っています。
本当に有名シューメーカーで使われているのか?
世界中の有名シューメーカーで本当に使用されているのか。
なんて私も少しだけ思っていましたがその思いはパリでしっかりと粉砕されました。笑
つい先日、コロンブスが純正クリームに新たに採用されたエドワードグリーンでも店頭のケアにおいてはSaphir noir creme1925が使われていました。
靴磨き業界でもデファクトスタンダード
Instagramなどで靴磨き職人の方々の写真を見るとかなり高い確率で道具箱に四角い瓶が鎮座しているのがクレム1925の実力を表すところではないでしょうか。
私が勝手に師匠と崇めて止まないThe LoungeのHさんも自社クリームをメインとしながらも要所要所ではクレム1925を使うこともあるそうです。
Creme1925を使った靴磨きの仕上がりは?
実際にサフィールノワールクレム1925を使って磨いたのがこの写真です。
Saphir Noir Creme1925は染料を使っていることもあり、シットリとなったアッパーがギラリと奥光りするエレガントな仕上がりになります。
また磨いた後の特徴的な匂いも天然成分のみで作られたサフィールノワールならでは。作業後の満足感に浸ることができます。
サフィールノワール クレム1925のまとめ
ということで私が絶大なる信頼を置くサフィールノワールクレム1925の魅力にますます気がついてしまった今回。箇条書きでまとめるとこんな感じでしょうか。
- パリ万博で金賞を取ったときのレシピで天然成分から作られた最高品質のクリーム!
- あらゆる皮革(アッパー素材)に使用できる万能性!
- 染料ならではの底光り。アンティーク仕上げにも使える!
- 靴業界ひいてはレザー業界にもOEM供給するほどの卓越した品質!
- 靴磨き職人さん達からの厚い信頼!
まごうごとなき最高級の靴クリームです。
カラーバリエーションも豊富ですからぜひ一度使ってみてください。
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