突然ですが、最近ローファーがもう1足ほしくて欲しくてたまりません。
夏用、雨用、冬用、カジュアル用とカテゴリに分けて靴を管理しているミウラですが、実はローファーは1足しか所有していなかったりします。
ずーっと前から興味あったんです。ウェストン以外のローファーにも。
しかし、バリエーションが充実していくMY靴棚を見るとなかなか選択肢が少なく、どうしたものかと思いながらも喫緊に欲しい!という訳でもなく、頭の片隅で「2足目のローファーがほしいなぁ」という想いだけが残っている状態でした。
そんなある日、ウィンドウショッピングをしていると、…これは!というローファーに出会いました。
革の宝石ことコードバンで有名なあのオールデンのローファーです。
ということで今回は某セレクトショップに試着しに行ったお話をご紹介します!
出会ってしまったタッセルローファー
あの日、私はちょっと余ってしまった時間を埋めるべく、街中でウィンドウショッピングを楽しむことにしました。
夏のセールに賑わっている中で、何か掘り出し物がないかな?なんて邪な気持ちを抱きつつ、色々なショップを巡ることに。
そんな中、とあるセレクトショップの奥で佇んでいたのが何やら鈍く厚い光沢を放つ一足のローファーが……。
おやおや?
手に取ってみるとそのオイリーな質感は間違いなくあのホーウィンのオイルドシェルコードバン。
そして、ライニングに輝く黄金のあのロゴ、そうオールデンです。
しかも以前から目を付けていたタッセルタイプで、さらにラストは細いことで有名なアバディーンではなく、ゆったりとした履き心地として知られるVan Last(バンラスト)じゃあないですか!
これはまさに僥倖!さっそくフィッティングにトライすることにしたのでした。
Van last(バンラスト)について
試着の様子を紹介する前に、まずはバンラストについて触れておきたいと思います。
こちらはインターネットでもっとも有名なオールデンのラスト(木型)チャートです。
左がもっとも狭く小さいラスト、右がもっとも広く大きめのラストになるように並んでいます。
今回取り上げているVAN LASTは右から4番目、あのバリーラストの次に広い木型と設定されています。
木型の特徴は「つま先の広さ」
木型の特徴として、指先周りが広めの設定でコンフォータブルだそう。
確かに画像隣のバリーと見比べるとつま先のスペースが広く見えますね。
一方で靴のもっとも広い部分となるボールジョイント部はやや狭めに見えますが果たして?
ローファーで有名な木型
https://aldenmadison.com/collection/?product_tag=leisure-hand-sewn
このバンラストですが、オールデンでは原則的にローファーに用いられる木型となります。
J.M. WESTONの180ローファーと同様につま先部分が垂直気味に立ち上がり、捨て寸は短め。
モカシンのために開発された木型なこともあり、U字型のスキンステッチが壁に沿って美しく表現されています。
また、履き心地にもかなり拘りが詰まっているようです。カカト側の芯材を可能な限り小さくしつつ柔らかい素材にすることで、脱ぎ履きを楽にしながらもほどよいフィット感を得られるそうな。
オールデンは個人的にやや楽な履き心地なイメージなので、さらにラクチンなことを想像するとちょっと胸がときめきますね。笑
レンジャーモックなど一部のカジュアルスタイルにも採用
https://www.lakotahouse.com/journal/2018/05/alden-73044-utica-ranger-moc.html
ちなみにローファー以外ではレンジャーモックなどのカジュアルなスタイルにも採用されますが、なかなか流通しておらず、ほとんど見かけることはありません。
バンラストはバリーと同じサイズを選べ!がセオリー
さて、そんなバンラストですがサイズ選びのセオリーは「バリーラストと同サイズ」となります。
木型の大きさとしてはバンラストはバリーラストより、やや小さく、やや狭めとなるそうですが、おそらくはローファースタイルに取ってはそれがフィッティング上で有利に働くこと、そして木型の特徴としてつま先が広めという点がポイントになってくるためでしょう。
足幅が広い自覚がある人はウィズ変更も視野に
しかし、実際に履いてみるとキツさを感じるポイントが2か所ありました。
一つは親指側の甲が低いこと。
初めから少し履きシワが入っていたのが気になったのですが、足を入れてみて納得。
かなり薄めのラストになっているんですね。
そして二つ目は幅がバリーラストより狭いことです。
もうこれは明らかにバリーより狭めです。小指側のシルエットが浮き出たローファーを見て、店員さんも「これはちょっと見た目的にもきつそうですね…」と声が漏れていました。(笑)
オールデンのラストチャートはなかなか正確なようで!
そんな訳で私はオールデン御用達のブランノックデバイスでUSサイズが9Eですが、同デバイスで9Dの人であれば、履き慣らしていくのが楽しみに思える適度なフィット感だと思います。
このことから9Eが私のベストサイズだと思いますが、おそらく9Eだと足首周りに隙間が出来てしまうかもしれないかな。
ヴァンラストの踵の食いつきはかなり良し。
ローファーのフィッティングポイントとして忘れてはいけないのが「カカトの食いつき」です。
結論としてはバンラストのレングス(サイズ)はブランノックデバイス通りの長さでまったく問題がない。という答えにたどり着きました。
コードバン素材の革靴なのでもちろん歩くことはしませんでしたが、それでもこれ以上サイズを落とせばカカトが靴ずれするでしょうし、ハーフサイズ上げれば馴染んだ時にスカスカになりそうだな。とすぐ感覚でわかりました。
ウィズを上げるのがおそらく正解でしょうが、店員さんに聞いてみると予想通り「Dウィズしか展開がないようです…」とのこと。
オールデンのこういうとこ、ダメだと思います!
ブランノックデバイスでレングスとアーチとウィズを測ってるんだから、Dウィズ以外も用意して~!笑
コードバンローファーのタイトフィッティング問題
さて、甲がきつく、幅はややきつく、カカトはピッタリなサイズだったVAN LASTのUS9.0D。
J.M. WESTONのローファーならこれでいいような気もするんだけど…
やっぱりオールデンのローファーはもう少し楽に履きたいですし、何よりコードバンにはカーフやスエードと違って過負荷によって「裂ける」リスクがあることは忘れてはいけません。
靴好きなら知らない人がいないユニオンワークスさんで取り扱った事例。
あまりタイトに履くと革の特性上裂けてしまうことも考えると、やはりタイトフィットよりもジャストフィット(ややリラックス気味)を狙いたいところかなと。
いつかはほしいオールデンのローファー
そんな訳で今回は泣く泣く諦めることにしたバンラストのタッセルローファー。
いつかはコードバンのローファーをエイジングさせてみたいなぁと思いを馳せ、お店を後にした私でした。
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