前回、当ブログでEgward Greemバークレーのウィズ違いについて比較しました。
一体全体2つのサイズをわざわざ比較検討するほどの靴とは何なのか。
今回は細かいディテールや蘊蓄を含めながらこの素晴らしい英国靴についてご紹介したいと思います。
EDWARD GREEN BERKELEY
ということでこちらがエドワードグリーン(Edward Green)のバークレーとなります。
パンチドキャップトウと呼ばれるデザインのイギリス製の本格革靴です。
シューメーカー | EDWARD GREEN(エドワードグリーン) |
靴の名前 | BERKELEY(バークレー) |
木型(ラスト) | 202 |
サイズ | UK8.0 / US8.5 ※日本サイズ26.5cm |
ウィズ | E fitting(標準) |
カラー | Dark Oak Antique(ダークオークアンティーク) |
価格 | 177,120円(税込) |
コンフォータブルなラスト202
このバークレーの木型(ラスト)は202と呼ばれるものです。
ラスト202は万人の足に合うと呼ばれている傑作ラストの一つ。
つま先側はボールジョイント部を中心に大きく広がるラウンドスタイルで、つま先の先端が靴の真ん中ではなく、親指側に寄せられているのが特徴です。
インサイドストレートとも呼ばれるこのスタイルは足の形が親指が一番長いエジプト型の人にも、人差し指が一番長いギリシャ型の人にもピタリとフィットします。
英国靴にしてはカカト周りが非常に小さめなのもラスト202の特徴です。
一般的に欧米人はカカトからアキレス腱のラインが太く大きいのですが、日本人はそこまでではありません。結果、ヒールカップがやや合わないということが多分にあるのですが、エドワードグリーンでは202を始めとするほとんどのラストがヒールカップを小さめに設定しているので日本人でも心地よいホールド感を得られることが多いと言われています。
美しきダークオークカラー
エドワードグリーンのアイコンカラーがこのダークオークアンティークです。
パッと見はいたって普通のミディアムブラウンですが、よくよく見るとつま先やカカト周りに履きこんだような美しいグラデーションが施されています。今となっては様々なシューメーカーが当たり前に行うこのアンティーク加工ですが、実は一番最初に始めたのはエドワードグリーンだとか。
ドレッシーな内羽根式
EDWARD GREEN BERKLEYは内羽根式。
内羽根式ですがパンチドキャップトウかつブラウンカラーということで、カジュアルとドレスのどちらでも使えるカバー範囲の広さがナイスなポイントだと感じています。
エレガントなスワンネック
内羽根式のアイレットを支えるエドワードグリーンを象徴する意匠ともいえるスワンネック。
こちらも今では日本のシューメーカーなどでもよく見ますが、やはりエドワードグリーンのものが一番有名ではないでしょうか。
柔らかさと耐久性を備えたオークバークレザーソール
オークバークで鞣されたレザーソールはオーク(楢の木)のほかにスプルースやミモザを含めた鞣し液で9か月間もかけて製造され、卓越した柔軟性と耐久性を備えています。やわらかく、そして削れづらい。レザーソールとしては最高の特徴ではないでしょうか。
エドワードグリーンのレザーソールはその立体感のある仕上がりも特徴です。
シャンクにあえて革を乗せることで表現されるこの立体感。
これは写真だとなかなか伝わらないのでぜひ現物を手に取って眺めてみていただきたいところ。
ソックシートは新ロゴブラウン
ソックシートはちょっと珍しいブラウンカラー。あしらわているロゴは新ロゴをエンボス加工したものです。私はこのスクエア型にまとめられたロゴが本当に好きです。
ひとつのアートとして非常に高い完成度を感じるのですがいかがでしょうか。
エドワードグリーンの靴にはサイズ等を表す小窓が設けられています。
「8・81/2」はUK8.0、US8.5を表しています。
ちなみにこの部分、英語ではTicket Windowと呼ばれるそうです。
そもそもなぜサイズを下げようと思ったのか。
さて、これまでエドワードグリーンのラスト202はUK8.5がジャストフィットだと信じてきたミウラですが、なぜサイズ基準をいまさら変えようと思ったのか。
「やっぱりサイズをハーフサイズ下げてみよう。」
こう思った大きな理由は2つありました。
1. J.M.Westonのフィッティングを知ってしまったから。
まずはこれですね。
今でも忘れないチャーチ173ラストのFウィズUK8.0。購入したものの小指が痛すぎて手放したことで、幅広ウィズをジャストフィットで履くようになっていました。
しかし、ジャストフィットで選ぶと馴染んだ際にはやはり少々緩んでくるものです。そういうものかと思っていたフィット感を徹底的に考え直させられたのがJMウェストンでした。
もちろんここでも何度もサイズをミスするものの、最終的には「足に合ったタイトフィットが馴染んだときのフィット感」を会得し、その履き心地の素晴らしさを知ったのでした。
2. エドワードグリーン202E UK8.5が馴染み切ったから。
パリのエドワードグリーンで購入して以来、愛用に愛用を重ねているこのダークブラウンユタカーフのドーバー。ラスト202のEウイズでサイズはUK8.5(日本サイズ27.0cm)です。
履き始めの頃は小指と薬指にやや圧迫感を感じていましたが、馴染むとその違和感は一気に無くなり、旅行にも連れていけるレベルの本当の意味でのコンフォータブルの履き心地となりました。土踏まずをしっかりとサポートしてくれるので幅広開帳足でも全く問題ありません。
一方で靴紐を締めない場合、足を前方に押し付けると人差し指が入ってしまうほどの馴染みも出てきており、「もしかしたらハーフサイズ下げるのもありかも?」と思い始めていたのでした。
エドワードグリーン バークレーのまとめ
ということでミウラにしては珍しいタイトフィットでチョイスしたこのバークレー。
名作ラスト202から生まれる絶妙な履き心地や靴全体としての美しいフォルム、エドワードグリーンを代表するダークオークという色味の深さと美しさ、そして細部に渡りこだわり尽くされた英国最高峰の技術とセンスが結集しているまさに逸品中の逸品といったところ。
この靴が履き慣れたとき、一体全体どんなフィット感になるのか楽しみでならない今日この頃です。
(場合によっては保有している靴のサイズ感を考え直すことなるかもという恐怖もあったりなかったり)
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