ずっと憧れだったエドワードグリーン。
憧れだった主な理由は主にサイズ感が全く掴めなかったところが大きいのが悲しいところですが、そんな憧れのシューズがついに私の元にやってきてくれました。
私は靴バカ気味ではありますが決してコレクターではなく、必要な靴を必要なだけ揃えているという自負があります。(とてもあやしいところですが)
その流れから行くとエドワードグリーンで選べる選択肢は靴の増加と共にどんどん減っていき、最終的には雨雪用靴として調達せざるを得ない状況となっていました。
そうなるとなかなか選ぶのが難しいのがこのブランド。
どちらかというとTHEドレスシューズですから、チャーチのようにガシガシ使えるようなシューズはあまり用意されていません。
そんな中、フランス旅行中に運命の出会いを果たしたのがこのユタカーフドーバーでした。
ドーバーの魅力を再確認
朝の光に包まれたエドワードグリーンのドーバー。
ユタカーフの模様が美しく影を作ります。
Uチップを形作るライトアングルモカステッチ。
カーフを用いたドーバーだとこの部分はステッチに合わせて段差のある表情が特徴的ですが、柔らかなユタカーフだとこのようにつながったようなスタイルに仕上がっています。
ボールジョイント部からトゥまでスラッと伸びるシルエット。
名作202ラストらしいグラマラスさが際立ちます。
たった一人の職人が手掛けるスキンステッチによるトゥの摘まみ縫い。
エドワードグリーンが誇る職人技が結集されたライトアングルモカステッチとこのスキンステッチのおかげでカジュアル気味なUチップシューズはここまで上品に昇華されました。
ヒール側の補強革もシンプルながらエレガントな佇まい。
かすかに色づいているヒールの積み上げも見逃せません。
これほどまでに上品かつ美しい靴がかつてあっただろうか。
普段はなかなか手厳しい妻もこのドーバーだけには「エレガントだー」
とのコメントをくれました。
ちなみにALDEN54321はアンパン呼ばわりされています。(笑)
シューツリーは純正を
エドワードグリーンのシューツリーはとにかく質実剛健という言葉が似合います。
しっかりとした作りでしっかりとした重量、そして靴へのしっかりとしたフィット。
金色に輝くプレートには元々がブーツメーカーだったため、Bootmakersの刻印が刻まれています。
個人的に大好きな最新ロゴ。
いつまでも消えないエンボス加工が嬉しい。
脱いだ直後のドーバー。
まだ履き始めとはいえそれなりに履き皺が入ります。
エドワードグリーン純正のシューツリーを入れるとたちまち新品同様に。
色々調べるとやはり靴にもシューツリーにも個体差はあるようで、EGPことエドワードグリーンパリ店でわざわざシューツリーを複数持って来てくれて靴に合わせてくれたのは本当に嬉しかった思い出の一つです。
おかげさまで見ての通り、甲の部分まで信じられないほどフィットしています。
ここまでフィットしているシューツリーとシューズの組み合わせは手持ちの靴でもなかなかありません。
ありがとう、EGP。
頼もしいダイナイトソール
雨雪用に狙っていたこともあり、ソールはもちろんラバーで出来たダイナイトソール。
相変わらずの凄まじい耐久性でシッカリと足元をサポートしてくれます。
もしオールソールまで履きこんだら次は何にしようかな?ウェストンにも使われているリッジウェイソールにしてみようかな?
横からの図。
流石にラバー仕様ではスペードソール(ソール前側が厚くなっている仕上げ)にはなっていません。いつかは本場スペードソールの履き心地も試してみたいところです。
気になる202ラストの履き心地
履き心地は非常に快適の一言。
202ラストはエドワードグリーンが誇る超名作ラストで、非常に長い歴史を持つ木型です。
その特徴は甲が低めでボールジョイントは広め、そして親指が真っすぐになるように内ぶりのシルエットです。まさにエジプト型かつ幅広の私の足にピッタリな一足です。
カカトが浅めなので最初はカカトが気になる方もいるとは思いますが、履きなれていくと段々と足に付いてくるようになります。
ちなみに実寸26.5cmで足囲も同じくらいの足で8.5Eを履いています。
細かいサイズ感は下記記事をご参照してみてください。
実はレアで魅力的なユタカーフ
ユタカーフはデルプレと呼ばれる非常に薄いカーフで作られたオイルドレザーに型押しをしたものです。そのため、通常のカーフに比べて油分を豊富に含んでおりその触り心地は非常に柔らか。
さらにデルプレ10枚のうち1枚しかユタカーフとして使用できないほど高品質なカーフが必要となるため、必然的にユタカーフの品質は極めて高いものしかありません。
ユタカーフ特有の光が当たったときの柔らかいシルエットがエレガントさにさらに華を添えます。
一番体験してもらいたいのが靴ひもを締めるとき。柔らかですが弾力のある非常にユニークな心地よさが指に伝わります。
まとめ
イセメンのウェブサイト曰く”KING OF SHOES”の異名を持つこのエドワードグリーンのドーバー。
まさに王様に相応しい素晴らしい魅力あふれるドレスシューズに違いありません。
Instagramなどを拝見するとドーバーばかり集めている紳士も少なくないように見えますが、一度手に入れてしまうとその気持ちに共感してしまいそうになるほど、シンプルですが非常に洗練されており所有欲を満たしてもくれる素晴らしい道具だと思います。
実際に雨雪にはどれくらい強いのかはまだわかりませんが、オイルドレザーの特性を信じてガシガシこれからのシーズンに活躍してもらいたいと思います。
EGPでユタカーフのシューケア方法について実演までしてもらってしまいましたし!
ということで、憧れのエドワードグリーンのドーバー。
私のシューズラックのなかでも特に長く付き合っていきたい相棒の一足となっています。
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