外はすっかり雪景色。
本格靴にこだわる紳士達が頭を悩ませる季節ではないでしょうか。
同じ自然界の水分とは言え、雨とは全く異なる”雪”という存在にどのような靴が良いのか、雪に濡れてしまったらどんな対処をすればいいのかと色々と悩むことが出てくる時期だと思います。
パラブーツのリスレザーだったり、英国のハイランドグレインレザー(シボ革)だったり、はたまたエドワードグリーンのウタカーフ(型押しオイルドレザー)、あるいは定番のガラスレザー(ポリッシュドバインダーカーフも含む)など色々と選択肢があると思います。
そんななか、今回は油分をたっぷり含んだカーフとなるロシアンカーフを使ったJ.M.Weston 641ゴルフで降雪日に外出した記録をお届けしたいと思います。
J.M.Weston 641ゴルフについて
J.M.Westonとは
フランスの本格靴会の代表格と言えばJ.M.Westonです。
180ローファーやカジュアル靴の王様677ハント、センタープリーツが付いた705チェルシーブーツなどの名作が揃っています。
少し前にエルメスに買収されたデュプイという超有名タンナーを傘下に持っていたことがあるほど使用する革の品質を重要視しており、今でもソールに使われるレザーはこだわりの自社製造という非常に珍しい形態を取っています。
また、J.M.Westonが有名たる所以としてそのサイズ展開にも触れる必要があります。ほとんどの製品で4mmピッチごとの長さ、そして幅の広さについてはA~Fの最大7種類を用意していることから、どんな足でもビスポークに近いフィッティングを目指すことができるのです。
641ゴルフとは
J.M.Westonで極めて有名なシューズがこの641Golf Derbyです。
アッパーは油分をたっぷりと含んだロシアンカーフ、ソールは耐久性に優れて滑りづらいリッジウェイソール。(アッパーについてはボックスカーフモデルに変わりつつあるそうです)
そしてこのコロンとしたスタイルが特徴的なUチップモカシューズはその独特な履き心地と耐久性により”ジャーナリストシューズ”と呼ばれ、世界各国で愛され続けているベストセラーモデルの1つです。
忘れてはいけないのが”万力締め”と呼ばれる靴が足になじむまでの長い期間。しかしJ.M.Westonにハマってしまったが最後、この万力締め期間を”修行”と形容し楽しんでしまうようになってしまいます。(笑)
朝 :出発!
ということで先日ハーフサイズアップ・ウィズダウンをした641ゴルフを履いて初めて外に出ることにしました。
自宅で約一か月間ほどブログを書くときにスリッパ替わりとして履いていたこともあって、修行期間はほとんど終えたと判断しました。どうなることやら・・・。
プレメンテはコロニル1909シュプリームクリームデラックス黒
ちなみにこのゴルフのプレメンテはここ最近大ハマりしているコロニルの1909シュプリームクリームデラックスのブラックを使用しています。
浸透性と香りに優れたシダーウッドオイルに保湿効果のあるラノリン、そして防水スプレーにも使用されているフッ化炭素樹脂が配合されているナイスなクリームです。
早速雪に埋もれる641Golf
北の大地はもういきなりこんな感じです。
足首近くまで雪が積もっており、歩く場所を選ばないと靴下が濡れてしまいそう。
一面雪景色の中、車を走らせます。
本格靴の中でもカジュアルよりのタイプは使い勝手だけではなく、運転もしやすいので助かりますね。
午前:第一目的に到着
1つ目の目的に到着しました。
車を止めて少しだけ歩きます。
ウェストンオリジナルパターンが施されたリッジウェイソールは雪程度ではほとんど滑ることはありません。(道民ならでは歩行のおかげかもしれませんが!)
外出して2時間後の状態
雪に何回か埋もれたものの、アッパーに特にダメージは見当たりません。
触ってみてもロシアンカーフならではのしっとりかつ滑らかな感触のままです。この靴ホント強いなー。
いわゆる万力締めと呼ばれる感覚も感じていません。
正午:お昼ごはんへ
午前の用事も無事に終わったため、お昼ごはんを食べにいきます。
次は雪が降ってきました。通常のカーフであれば雨や雪がバンプ部分などに当たると結構な確率で丸いシミが出来たりするのでちょっとドキドキ。早足で向かいます。
辿り着いたのは中国人の方が経営する本格中華屋さん。
メニューが読めない読めない(笑)
悩みながらも注文して、暖かいストーブの前でご飯を待ちます。
おっと、最近は珍しくなったパイナップル入り酢豚です!
しかも酢と甘みのバランスが完璧でめちゃくちゃ美味!
妻が頼んだホイコーローも豚バラではなくチャーシューを使って作られており、予想以上のレベルの高さを感じます。今度は汁なし担々麵を頼んでみようかな?
靴磨き日本選手権大会
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/ginza/event/shoeshinefesta/index.html
この日は世界一の靴磨き職人となったBrift Hの長谷川氏が主催する日本で初めての靴磨き職人日本一を決める大会が開かれていました。
私も見に行きたかったのですが、流石に北海道から東京まではちょっと離れていたので断念・・・。
と思いきやウェブ中継があるということで少しだけお店の中で観戦していました。
無音モードでしたが、ニコニコ動画で配信されていたため画面にチャットが表示され何となくの雰囲気を楽しみながら観戦することができました。ちょうど先日お世話になった旭川の靴磨き職人林田さんの出番だったので妻と二人で小さな無音画面を見ながら応援!(笑)
残念ながら優勝とはなりませんでしたが、しっかりと北海道の靴磨き魂をレペゼンされていたと思います。林田さん、お疲れ様です!
午後:映画館へ
さて、お腹もいっぱいになったので午後は映画館に向かいます。
ゴルフ君にはまだまだ雪の中を歩いてもらいましょう。
ここで少し小指の付け根付近に違和感が・・・やはりいくら馴らしておいたとは言え、外で歩くのとは訳が違うのかもしれません。
アメリカンLサイズにビックリ
私は映画を見る際は惰性で飲み食いしてしまうタイプです。
ポップコーンはどんな量でも食べきり、そしてドリンクは途中でなくなります。
なのでポップコーンはMサイズ、ドリンクはLサイズにしたところまさかのアメリカンサイズ。
1リットル近いスプライトと共に映画パディントン2を鑑賞しました。(そして泣いた)
映画:パディントン2
舞台のほとんどがロンドンで撮影されていることから英国好きにはたまらない映画です。
子供から大人まで楽しめる良い作品でしたよ。
あー、またロンドン旅行行きたいなあ!(笑)
思いっきり楽しんでしっかり泣いたパディントン2。余韻に浸りながら映画館を後にします。
ポップコーンに含まれる塩分により浮腫んだのかわかりませんが、さすがに小指の付け根部分は痛み出してきました。もう早く帰りたい!(笑)
夜 :自宅に到着
朝から晩まで履き続けたゴルフ。
1/3くらいは雪にまみれていたかもしれません。
しかし、とくに靴内部に水がしみることもなく快適に夜まで過ごすことができました。
翌朝:641ゴルフの状態をチェック
さて、翌朝にゴルフの状態を確認してみることにしました。
まずはつま先付近。この通りまったくダメージがありません。
通常のカーフであれば水シミだったり塩浮きだったりとなかなかな状態になることが多いのですが、かなり良い感じです。
カカト部分も同様です。
つま先と異なり、思ってもいない雪の深いところを踏んでしまったりしがちなカカトですが、つま先付近と同じように主だったダメージは見られません。
ソールはどうでしょう。
ほとんど雪の上を歩いていたため、削れもありません。
多少の砂や小石が詰まっている程度ですね。
雪や雨が当たりシミになりがちなバンプ部分。
なんと何も形跡を確認することができません。いやー、思った以上にこのジャーナリストシューズは防御力があるみたいです(笑)
まとめ
フランスが世界に誇る本格靴ブランドJ.M.Westonの641ゴルフダービーを雪の中で使ってみた結果、641Golfは雪の日でも全く問題なく使用できる。ということがわかりました。
正確にはコロニル1909シュプリームクリームデラックスでケアした641ゴルフでしょうか。他のクリームでケアしていた場合はどういった結果になるのかはちょっと気になるところではありますね。
ということで雪の日に何を履くか悩んでいる方はJ.M.Westonのゴルフを選択肢として入れてみてはいかがでしょうか。もちろんクリームはシュプリームクリームデラックスがオススメです。(笑)
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