社会人の足元を支える革靴。
デザインや履き心地、あるいはシューメーカーにこだわって選んだその革靴ですが、
長く履き続けるにはお手入れが欠かせません。
私自身も「革靴をいかに長く綺麗に履き続けることができるか?」というところにポイントを絞り、これまで様々なシューケアを試し続けてきました。
本記事では、そんな私が選んだツヤ革靴(スムースレザー)で使えるシューケアグッズ、そして2パターンの使い方をまとめてみました。
1.靴クリーム
まずはツヤ革靴(スムースレザー)のお手入れに絶対にかかせない靴用クリームです。
革靴に油分や水分などを補給し、柔軟性を与えます。
そして、動物性や植物性のロウ分が革靴に光沢を与えます。
乳化性クリーム
靴クリームでもっとも一般的なのが乳化性クリームと呼ばれるタイプです。
水ベースのクリームに油分やロウ分が含まれているイメージです。
仕上がりはサラッとしたものが多く、クリームの伸びもかなり良いものが多いです。
カラーバリエーションも大変に豊富なのもポイントのひとつ。
油性クリーム
靴クリームでは高級な製品に採用されることが多いのが油性クリームタイプです。
こちらはオイルベースのクリームに水分やロウ分を含めたイメージとなります。
乳化性の靴クリームに比べてやや伸びに劣りますが、大変にツヤ感が強く、さらに油分が多く含まれるため、結果的にツヤ革靴も雨にも強い仕上がりとなります。
デリケートクリーム/アニリンカーフクリーム
繊細な皮革用に作られた靴クリームがデリケートクリームやアニリンカーフクリームです。
高級なスムースレザーのツヤ革靴ではよく繊細な皮革が使われています。
成分も控えめでシミなどになりづらく、初心者でも使いやすい特徴があります。
靴クリーム選びに悩んだらとりあえずデリケートクリームでお手入れしておけば失敗はしません。
2.シューポリッシュ/靴用ワックス
こちらも昨今の靴磨きブームでは有名でしょう。
シューポリッシュ、靴用ワックスです。
基本的には油性靴クリームのロウ分(ワックス)を増やしたものというイメージで、日本ではつま先やカカトを光らせつつ、傷を防ぐためのワックス層を形成するために利用されます。
反対に海外では靴全体に使用するやり方もポピュラーです。
ちなみに数十年前は靴クリームがなく、すべて缶入りのいわゆる靴墨でシューケアが行われていたそうですよ。
最近では鏡面磨きをすぐに仕上げることができる鏡面磨き専用ポリッシュも販売されています。
3.汚れ落とし/クリーナー/レザーローション
汚れ落とし、クリーナー、それにレザーローションです。
「汚れ落とし」とは表現されますが、実際は靴についた汚れに加えて、古い靴クリームやワックスを除去することにも使われるお手入れアイテム達となります。
汚れ落とし/水性クリーナー
もっとも有名なアイテムは間違いなくステインリムーバー(M.モゥブレィ)でしょう。
次点ではツーフェイスローション(コロンブス)も汚れ落としとしては有名です。
強力さでいえばレノマット(サフィール)が一番です。
ですが、汚れ落とし(クリーナー)はシューケアアイテムの中でもっとも使い方が難しいものの一つです。
ゴシゴシ擦れば色は落ちますし、何度もしつこく使えばアッパーレザーを間違いなく痛めてしまいます。
ハイシャインクリーナー
最近では靴用ポリッシュで形成したワックス層を溶かすための専用アイテムも販売されています。
こちらは鏡面磨きを自分でされる上級者向けのアイテムですね。
レザーローション
実はもっとも使い勝手が良いといっても過言ではないのが、レザーローションです。
液体とクリームの中間ともいえるローションタイプのテクスチャーは大変使い易く、さらに汚れを落としながらも皮革に栄養を与え、
控えめながらロウ分も入っているので艶出しまで一本で仕上げることができます。
また、アッパーとソールを繋ぐウェルトのケアにもピッタリだったりします。
4.靴ブラシ/シューブラシ
シューケア、もとい革靴のお手入れでもっとも重要なアイテムともいえるのが靴ブラシです。
用途によって本当にさまざまなブラシがあります。
こだわりのある人には職人が作った本格的な高級靴ブラシも選択肢の一つとなりますね。
馬毛ブラシ/ホースブラシ
外出時や長期保管時に革靴についたホコリやチリを落とすために使うのが馬毛ブラシです。
大き目のタイプがあれば少ない回数で一気に靴を綺麗にできるのでお勧めです。
ペネトレイトブラシ
革靴に靴クリームを塗りつけるためのブラシです。
最近は指塗り派が増えてきているので全く不要な方もいるでしょうね。
コツを掴むまでは厚塗り気味になるのが注意点です。
豚毛ブラシ/コシのある馬毛ブラシ
ツヤ革靴(スムースレザー)にペネトレイトブラシや指で塗りこんだ靴クリームを押し込んだり、余分なクリームを取り除いたりするのが
豚毛ブラシ、あるいはコシのある馬毛ブラシです。
ポリッシングブラシとも呼ばれ、靴磨き業界ではもっとも重要なアイテムのひとつとなっています。
山羊毛ブラシ
鏡面磨きの仕上げや、革靴全体をさらに繊細に磨くことができるのが山羊毛ブラシ。
非常にニッチな用途向けにも関わらず靴磨き用のブラシの中ではもっとも高価だったりします。
完全に上級者向けのシューケア用品ですね。
コバブラシ/竹ようじ
甲革と靴底を繋ぐコバ(ウェルト)や隙間に特化したブラシがコバブラシです。
大きさや形など様々なコバブラシが売られていますが、一番オススメはこちらの竹ヨウジでした。
5.コバインキ
ウェルトとアウトソール側面が経年によって色抜けしたり、ガサガサになったとき使うのがコバインキです。
着色性の高い水性インキが、ペンキのようにコバを綺麗に見せてくれます。
塗る前に軽く紙やすりをかけるのコツ。
6.靴底ブラシ/ソールブラシ
アウトソールに付いた汚れを取り除くのが靴底ブラシやソールブラシです。
動物毛ではなく、椰子の繊維や、化学繊維といったかなり硬め繊維で出来ており、ハンドル部分の先端も工夫されています。
ソールにこびりついてしまった泥や土に限らず、レザーソールに詰まった小石なども取り除くことができます。
7.レザーソールオイル
数ある靴の中でも革底(レザーソール)ケアのためだけに作られているのがレザーソールオイルです。
オイルタイプからクリームタイプまでそのテクスチャーは様々ですが、油分などを補給することで柔軟性を与え、耐久性を高めるという点は共通しています。
お好きなメーカー、デザイン、パッケージで選んで良いと思います。
オススメの組み合わせと、靴のお手入れ手順
ツヤ革靴(スムースレザー)ケアに使うであろうシューケア製品を網羅的にご紹介してきましたが、
こんなに大量にあったらどれを揃えればいいか迷っちゃいますよね。
ということで、
シューケアマニアでもあるミウラがお勧めしたい2パターンのお手入れとオススメシューケアアイテムをご紹介していきたいと思います。
シューケアの最低限を揃えたい人向け
具体的な流れ
- グランドホースブラシで革靴(スムースレザー)に付いたホコリなどを落とします。
- ソールが汚れていたら、シュムッツブラシで擦り落としましょう。
- レザーバームローションを柔らかい布にたっぷり取って、靴全体を軽く拭きます。
- 少し時間を置いて、柔らかい布の乾いた部分を使って靴全体を磨いて終わりです。
※馬毛ブラシの役割
- 事前にブラッシングしておかないと小石やチリなどでアッパーに傷がつくケースが稀にあります。
革靴と長くじっくり付き合いたい人向け
- グランドホースブラシ/Saphir
- シュムッツブラシ/TAPIR
- リッチデリケートクリーム/M.Mowbray
- 有色の靴クリーム ※お好きなブランドでOK!
- 有色の靴ワックス ※無色でもOK!
- ハンドラップ
- 豚毛ブラシ
- ポリッシンググローブ/PEDAQ
- 使い古したTシャツやネル生地などのやわらかい布
具体的な流れ
- グランドホースブラシで革靴(スムースレザー)に付いたホコリなどを落とします。
- ソールが汚れていたらシュムッツブラシで擦り落とします。
- リッチデリケートクリームをアッパーに塗りこみ、すぐに柔らかい布で拭いて古い靴クリームなどを落とします。
- 有色の靴クリームをアッパー全体に薄く塗りこみ、時間を置いてから豚毛ブラシでブラッシング、そしてポリッシンググローブでバフィングします。
- 革靴の先端や踵にワックスを塗りこみ、やわらかい布に水を取って磨きこんで完成!
スムースレザーのお手入れ道具まとめ
ということで今回はスムースレザーのツヤ革靴のお手入れ道具や、お手入れ方法を私なりに解説してみました。
シューケアの世界には、必ず必要なケアアイテムから、あれば良い程度のケアアイテムまで本当に多種多様なアイテムがあります。
シューケア、もといレザーケアは千差万別。
ぜひ自分の型(スタイル)を見つけてみてくださいね。
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