エドワードグリーンの純正シューツリー【サイズの選び方】 | ミウラな日々

エドワードグリーンの純正シューツリー【サイズの選び方】

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エドワードグリーンのシューツリーについて

他の英国靴メーカーがそうであるようにエドワードグリーンも純正シューツリーを販売しています。同社は素晴らしい傑作ラスト(木型)をいくつもラインナップしていることで有名ですが、以前はそのラストごとに純正シューツリーを販売する徹底ぶりでした。

しかし、経営的判断からか今では純正シューツリーは1種類のみに統廃合され、以前は202/606ラスト(木型)専用のものを汎用シューツリーとして販売しています。

そのバリエーションは3ラインあり、細身のタイプから太目のタイプまでC/D、D/E、E/Fの幅から、UKサイズ0.5刻みのレングスを選ぶことになります。

勘の良い方なら気が付いたかもしれません。「どの木型にどのサイズとウィズの純正シューツリーが合うの?」と。

そんな訳で今回は私がジャストサイズの純正シューツリーを調達する話とともにエドワードグリーンのシューツリーのサイズ選びに迫ってみたいと思います。

 

事の発端

私の手元には3つのエドワードグリーンの靴がありました。

  1. エドワードグリーンパリ店で購入したDover(Last202,UK8.5E)
  2. ノーサンプトンで購入したDover(Last32,UK8.5E)
  3. ノーサンプトンで購入したHalifax(Last202,UK8.5E)

どれも購入時に純正シューツリーも合わせて購入したのですが、店員の方に選んでもらい、そのまま靴に入れて持ち帰ってきたのでどのサイズのシューツリーを購入したのかわからない状態でした。

※エドワードグリーンのシューツリーはサイズがシューツリー自体に印字されていないため、販売時の箱からしか判断することができません。

自宅に帰ってから素晴らしい靴たちを眺めて悦に浸り、触って…あれ?おかしいぞ。どうにも3.のノーサンプトンで購入したハリファクス(202,UK8.5E)のシューツリーがフィットしていない気がする!そんなことに気が付いてしまったことからジャストフィットの純正シューツリーを探す旅に出発することになったのでした。(決して我慢はできない)

 

1.Dover(Last202,UK8.5E)

まずは1.エドワードグリーンパリで購入したハンドステッチモカU-TIPのDOVER(ドーバー)です。入っているシューツリーはお店のマネージャーが複数用意してくれたシューツリーから選んでくれたものです。

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LAST202の特徴

ラスト202はエドワードグリーンを代表する木型です。

故ジョン・フルスティック氏が生み出した新型202は旧型202よりもさらに万人にフィットするように作られており、さらには現在のエドワードグリーンのほとんど木型の元となっている傑作中の傑作ラストでゆったりとした履き心地が特徴です。

 

シューツリーのフィット状況

ボールジョイント部は隙間がないほどテンションが掛かっています。

 

甲の下部となるヴァンプ部分も同様に隙間なくシューツリーとフィットしています。履きシワは全て伸ばされており、まさに適切なテンションがかかっている状態です。

 

 

2.Dover(Last32,UK8.5E)

次は2.のノーサンプトンで購入したドーバー(ラスト32)です。こちらも購入時に店員さんに純正シューツリーを選んでもらい靴に入れて持って帰ってきたためどんなサイズのシューツリーが入っているかはわかりません。

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LAST32の特徴

ラスト32はドーバー専用の作られたエドワードグリーンの中でもっとも細身の木型の1つです。歴史ある細身のラウンドトゥはU-TIPなのにもかかわらずエレガントさを演出してくれます。幅は狭めですが甲の高さを確保しているのも特徴の1つ。

 

シューツリーのフィット状況

全体的にピタリとフィットしており、出し入れも正しい角度を見つけて行わないと難しい状態です。かといってどこかが変形していたりと全体的に破綻が見られる箇所もありません。

 

3.Halifax(ハリファクス)ラスト202 UK8.5E

最後は3.のノーサンプトンで購入したハリファクスです。このハリファクスは見た目の通りDoverのチャッカブーツ版となっており、エドワードグリーンのスキンステッチに心奪われた人達に取ってたまらない逸品となっています。こちらも2.ドーバー(Last32,UK8.5E)と同様に店員さんに選んでもらったシューツリーをそのまま持ち帰ってきたのでサイズはわかりません。

 

シューツリーのフィット状況

今回、私が問題に気が付いてしまったのはこの靴からです。

まずヴァンプ部分ですが明らかに甲の部分のアッパーを伸ばし切っているとは言えない状態でした。そしてボールジョイント部分に関しても指で挟むと内部にミリ単位の空間を感じます。

もしかしてちょっと小さめのシューツリーが間違って入っているのか?そう思って2.のDover(Last32,UK8.5E)と交換してみるとそちらはピタリと靴に合います。

 

1.のドーバーに3.のシューツリーを入れてみる

1.と3.は靴の名称が違えど同じ木型同じサイズ(Last202,UK8.5E)ですから、同じ大きさのシューツリーが入っていればピタリと合うはずです。

しかし実際に入れてみるとどうやら若干ながら3.同様に小さいようです。

 

ボールジョイント部には明らかに空間を感じます。

 

このアングルから見るともう明らかにシューツリ―の大きさに差があるとしか考えられません。

 

シューツリ―を計測してみる

ということでシューツリ―自体に大きさの差がある可能性が大きいため、シューツリ―同士の寸法を比較してみることにしました。

 

1.のエドワードグリーンパリで購入した純正シューツリ―

全長は約29.2cm

 

最大幅は約9.5cm

 

2.3.のノーサンプトンで購入した純正シューツリ―

全長は約28.9cm

 

最大幅は約9.1cm

 

この時点の見立て

やはり予想通り1.のエドワードグリーンパリで購入したシューツリ―の方が大きいのは間違いありませんでした。しかし、縦の長さがシューツリーの製造誤差によるものか、サイズ違いによるものか判断するには微妙な寸法差です。

さらに最大幅にも違いが出ておりエドワードグリーンのシューツリーは前述の通り幅が3パターンある中で、一番細いC/Dでは無い事は明らかですがD/EなのかE/Fなのかはこの時点ではやはり判断することは難しい状況です。

ここからは経験値がモノを言います、チャーチにしろJ.M.Westonにしろ、ジャストサイズのシューツリーがやや小さめのことはあれ大き目のことはありませんでした。また、とあるウェブ通販サイトではハーフサイズ上げて購入することをオススメされている記述もありました。

ということで・・・。

 

純正シューツリー UK9.0(D/E)を購入!

自分の判断を信じてUK9.0(D/E)を購入!

早速今ある靴達に試してみましょう。

 

・・・入りません。

やらかしました。(泣)202のドーバーにもハリファクスにも入りません。どうやらエドワードグリーンのシューツリーの縦幅はまさに靴にジャストサイズで作られているようです。

 

純正シューツリー UK8.5(E/F)を購入!

ということで先ほどのシューツリーを返品させてもらい、こちらのUK8.5(E/F)を購入!実はこのタイミングで在庫ゼロだった(E/F)が入荷したらしくまさにグッドタイミングなのでした。

 

やや厚みを感じるぽってり気味のシューツリー。

箱から出した瞬間「あー探していたサイズはこれに違いない」そう確信に至るほどです。

 

完璧にフィットした純正シューツリー

こちらが新しい純正シューツリーUK8.5(E/F)を入れた図です。

もう完璧以外の言葉が見当たらないほど完璧にフィットしています。やったー!

 

ヴァンプ部分のアッパーもピタリと伸ばされています。

 

気になっていたボールジョイント部の空間もありません。

あー、良かった!

ということで私が所有していたシューツリーのサイズが判明したので表にしてみました。

モデル ラスト、ウィズ サイズ 状態 シューツリー
Dover 202E UK8.5 ジャスト UK8.5 E/F
Dover 32E UK8.5 ジャスト UK8.5 D/E
Halifax 202E UK8.5 ルーズ UK8.5 D/E

 

エドワードグリーンの純正シューツリーまとめ

今回の経験からエドワードグリーンの純正シューツリーについて、ミウラがわかったことをまとめてみました。

  • 純正シューツリーは対象の靴とUKサイズを揃える必要がある
  • 202,606のEウィズにはE/Fがピタリと合う
  • 32のEウィズにはD/Eがピタリと合う

そしてこれから予想できることはこちら。

  • 202,606のDウィズにはD/Eがピタリと合いそう
  • 他のドレスシューズラスト82,808,888のEウィズもD/Eがピタリと合いそう
  • カントリー用の64のEウィズやローファー用の137,184,389はまったく不明

ということでエドワードグリーンの純正シューツリーで悩んでいる方の少しでも役に立てば嬉しいです。

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